今回はオーストラリア・アデレードにある、「South Australian Museum(南オーストラリア博物館)」の紹介です。
本当は野生のオーストラリアアシカを見るために、カンガルー島というところに行く予定でしたが、悪天候でツアーが中止になってしまいました。
(カンガルー島ツアーの詳細は後日紹介します、悔しいのでいつか必ずリベンジします!)
そこで急遽予定を変更して市内の南オーストラリア博物館に行きました。

南オーストラリア博物館の外観。開館前から行列が⁉と思ったら、みんな企画展示のレゴ展町だった。



ほぼノーチェックで行ってしまったのですが、ひれあし類の貴重な標本をたくさん見ることができて、驚きました。
想像の何百倍も興奮する展示だったので、今回紹介させていただきます。

南オーストラリア博物館はアデレード市街地の北部にあり、主要な観光エリアからは歩いていくことができます。
オーストラリア原住民アボリジニに関連した展示は国内最大級で、彼らの歴史や文化に触れることができます。
他にも南オーストラリアの生き物に関する展示も多く、オーストラリアの自然や文化を知ることができる施設です。

オーストラリアで見られるひれあし類の標本がたくさん!

館内は「アボリジニの文化」や「南オーストラリアの生物多様性」といったテーマごとに展示が分かれていました。
まずは「南オーストラリアの生物多様性」エリアへ。
南オーストラリアで見られる生き物の標本が数多く展示されていました。

実際の海岸を表現したような展示で、海の生き物のはく製が展示されていた。



オーストラリアアシカはオス、メス、幼獣のはく製が展示されてました。

本当に海岸で出会ったかのような雰囲気が出ていた。
このラブラドルレトリバーのような顔立ちがオーストラリアアシカの特徴。これはメス。



オーストラリアに暮らす生き物の骨格標本も多く展示されていました。
もちろんオーストラリアアシカの骨もありましたよ!

このまま自宅に飾りたくなるような、美しく並べられた骨格標本。
オーストラリアアシカの全身骨格。目~歯までの長さが他のアシカより長い。



アデレード動物園で生きたオーストラリアアシカを見ることができましたが、その時もヒレが小さかったのが印象的でした。
こうやって骨でみてもヒレは小さいですね。

オーストラリアアシカの前肢。他のアシカだと指の骨がもっと長い。

他にもミナミゾウアザラシの頭骨やニュージーランドオットセイのはく製も展示されていました。

ミナミゾウアザラシはオス、メス両方の頭骨が展示されていた!

どれも現在日本では見られない種なので、こうして近くで見れると勉強になりますね。

超貴重!ヒョウアザラシのはく製が目の前に!

続いては南極関連の展示エリアです。
最初見たときは「なんでオーストラリア博物館で南極?」と思ったのですが、どうやらオーストラリア出身の歴史的に有名な探検家たちが、過去に南極の調査を行ったそうです。

南極といえば、亜南極で暮らすミナミゾウアザラシから南極海で暮らすウェッデルアザラシなどさまざまなひれあし類が見られる場所です。
実際に探検家が持ち帰った毛皮や体の一部も展示されていました。

捕獲したアザラシの標本が展示されていた。

へーっと、感心しながらあるいていると、、、
突然のヒョウアザラシ!

大きく口を開けたヒョウアザラシ!かっこいい!

しかも2体!

もう一頭は雪の上で休んでいる様子を再現していた。よく見ると可愛らしい顔立ち。

ヒョウアザラシはその名の通り、ヒョウ(豹)のような出で立ちをしたアザラシです。
ペンギンを捕食することでも有名な、全然アザラシらしくないアザラシです。
水中での機動力を高めるために前肢が大きく発達し、アシカのようになっています。

ヒョウアザラシの前肢、ここだけ見るとアシカにしか見えない。


実は、私の一番好きなアザラシはヒョウアザラシなのです。
この唯一無二のルックス!なんでアザラシなのにアシカ化しているのか、どんな進化の歴史を辿ったのか、、、ロマンに満ちた生き物です。
日本ではもちろん生きた姿は見れませんし、国内で収蔵されている標本もほとんどありません。
(時々国立科学博物館などではく製が展示されるぐらい)

こんなにきれいな状態のはく製を間近に見れるなんて!
見つけたときは、衝撃的過ぎて、一度展示エリアを出てしまいました(汗)
改めて見ると本当に美しい姿をしていて、感動で涙が出ました。

感動のあまり、ヒョウアザラシ並みに口を開けて浮かれるももこんちょ本人。本当に素晴らしい出会いだった、、、

しかも、頭骨まで展示されてました。

立派な頭骨!牙もすごい!オーストラリアアシカの頭骨とは全く違う形をしている。
恐らく年齢査定を下のだろう、犬歯の一部が切られていた。
こちらからのアングルもインパクトがある。ペンギンを咥え込む力強さを感じる。



どうやら最近は南オーストラリアやニュージーランドで目撃例が増えているそうなので、いつか野生のヒョウアザラシを見に行きたいと思っています。

ヒョウアザラシ柄?な靴下をゲット!

感動的な出会いがあまりにも刺激的過ぎたので、ここらで一度休憩します。
オーストラリアはコーヒーが美味しいので、館内のカフェに入りました。

日本よりコーヒーの種類が多くて、注文は大変。しかし一度は飲んでみてほしい美味しさ。

隣がグッズショップだったので、入って見ると、、、

店内はそんなに大きくはなかったので、そこまで期待はしていなかった。



ま、まさかのヒョウアザラシ柄の靴下が!!!!
人生で初めて見ました。
このアシカのようなヒレ、大きな頭、グレーと白のツートンカラー。
完全にヒョウアザラシですよね。

全体にアザラシのイラストが入っている。これはもう勝負靴下で確定。



履く用と見る用と飾る用で3足も買ったのですが、、、
帰国してからよく見ると、、、

んんん?足裏の部分に何か書いてある、、、?

「australian sea lion(オーストラリアアシカ)」って書いてある(汗)
製作会社のHPを見るとしっかりオーストラリアアシカと表記されてました。
いやいや、耳ないし、体に斑点模様あるし、背中灰色だし、どう見てもヒョウアザラシでしょ!


一足2000円近くしたのよー!
ですがまあ、売り上げの一部はオーストラリアの野生動物を保護する団体へ寄付されるそうなので、買って損はないですね。
私はこれからもヒョウアザラシ靴下だと思って使いたいと思います。

他の展示も充実、半日は過ごせる素晴らしい展示

休憩も済んだので、他のエリアも見ていきます。
最初に紹介したように、メインはアボリジニ文化の展示です。
彼らが日常的に使っていた道具が展示されていました。

狩猟の道具などが展示されており、近くにはその使い方も書かれていた。



自然のものを巧みに使って暮らしていたこと、文字を持たないので絵や言葉で歴史が伝承されたことなどが紹介されていました。
以前北海道のアイヌ民族博物館に行った時も思ったのですが、その土地の先輩方は、本当に地球に寄り添った慎ましい生活をしているんだと感じました。

疑問に思ったのは、アボリジニの人たちはひれあし類を利用してなかったのかな?ということ。
アボリジニアートには亀やイルカは出てきましたが、ひれあし類は見かけませんでした。
現地の人とひれあし類の関わりについても、今後調べたいと思いました。

文字を持たないアボリジニの人たちは、絵で暮らしぶりを伝えていた。
鯨類の骨格標本と、当時使用された脂を煮だす窯。

他にもいろんな展示があって、足早に回っても半日はいられるのではないかと思います。
アデレード市は観光地としても有名な場所ですが、ひれあし類を知ることができるとても素晴らしい場所でもあります。
南オーストラリア博物館はアクセス良し、入館料無料ととても利用しやすい場所なので、ぜひアデレードに行ったときには立ち寄ってくださいね!