水族館や動物園で見ることができるアシカやアザラシなどのひれあし類。
解説パネルを見ると「カリフォルニアアシカ」や「トド」「オタリア」など種の名前が書いてありますが、みなさんその違いはわかりますか?
アシカショーなのに「オタリア」が出てきて、あれ?アシカ?ってなることもあるのではないでしょうか?

アシカショーで愛らしい動きをみせてくれるオタリア、竹島水族館で撮影。



紛らわしい名前の違いが分かると、水族館や動物園がもっと楽しくなりますよ!では紹介していきましょう。

トドもオタリアもアシカの仲間

まず結論から言うと、トドもオタリアもアシカの仲間です。

トドのオス、体重は1トンを超えることもある。
オタリアのオス。体重は300kgを超えるぐらいでトドよりは小さい。



どちらもアシカ科という動物のグループに含まれる生き物で、例えていうなら、「シカという名前のつくグループにいる二ホンジカとエゾジカ」のような関係です。
二ホンジカとエゾジカのように同じ「シカ」という単語があれば、同じ仲間なんだなとわかりやすいですよね。

ホンドジカは本州に生息するシカで、奈良公園でみれるのもこのホンドジカ。
北海道にはエゾジカという別の種類がいる。ホンドジカより大きくなる。



「アシカ」というアシカはいない

じゃあ「アシカ」は何だといいますと、そもそも「アシカ」という3文字だけの生き物はいません。
アシカとはその生き物のグループの総称であって、ひとつの生き物を指しているわけではありません。

カリフォルニアアシカは国内で一番飼育されているアシカ。その名の通りカリフォルニア半島周辺に生息している。

すべてのアシカはその見た目や生息地の違いなどから、「○○アシカ」という風に名前がついているのです。


名前が紛らわしくなった理由は、、、?

じゃあなんでトドやオタリアは「アシカ」という単語がついてないのかと言いますと、もともと現地で呼ばれていた名前(トドは北海道でアイヌ民族に「トント」と呼ばれていた)に由来していたり、学名が先に広く広まった(オタリアは学名で「オタリア ビロニア」と呼ばれている)など、様々な理由があります。
なので、海外での名前はどちらもアシカを意味する「シーライオン(Sea Lion)」

という単語が使われています。

アシカのオスはオトナになると首回りにたてがみが出てくるので、まるでライオンのような見た目になる。写真はオタリア。


オットセイもアシカの仲間

アシカの中でもさらにオットセイ呼ばれる種類もいます。
見た目は非常に似ていますが、普通のアシカと比べて体毛が発達しているのが特徴です。

日本で見ることができるキタオットセイ。全身の毛量が多く、かつては毛皮目的で乱獲されたほど。



その見た目から英語では「Furseal(毛皮が発達したアザラシ)」と呼ばれています。
(え?オットセイなのに英語でアザラシ?と気になった人はこちらの記事で解説していますよ)

いかがだったでしょうか?
今度水族館、動物園に行ったときにはどんな種類のアシカに会えるか楽しみになってきましたね!
ぜひひれあし類たちに会いに行ってくださいね。