アシカとアザラシって何が違うの?と皆さん気になりますよね。
それぞれの見た目の違いは別記事で紹介しているのでそちらを見ていただきたいのですが、

今回は英語の表記もわかりにくいお話をしたいと思います。

アシカはsea lion 、アザラシはseal、これなら分かるが、、、?

アシカは英語で「sea lion」と書きます。
なので例えば水族館でおなじみのカリフォルニアアシカは「California sea lion」になりますね。

大きな体が特徴のカリフォルニアアシカ。


ゴマフアザラシなら「Spotted seal (Largha sealとも書きますが)」になります。

こちらはゴマフアザラシ。こうやって見ると何となく形が違うのは分かる。


ここまでなら簡単なのですが、アシカの仲間であるオットセイはなんと「Fur seal」と書きます。

…んん?アシカの仲間なのにseal?

キタオットセイのオス、アシカやアザラシと比べると毛むくじゃらなのが分かる。


なんで「fur sea lion(毛が多いアシカ)」にならなかったのかと言いますと、正確なことは分かりません。

毛皮の価値が名前を決めた?

一説によれば、その毛皮の価値が由来だと考えられています。
そもそもアザラシの毛皮は、毛足は短いものの革がマットのように頑丈なため高級品として扱われていました。

アザラシの毛皮でできたバック、昔は様々な工芸品に毛皮が利用されていた。

しかしその上を行くオットセイの毛皮が現れたのです。
毛足の短い毛しかないアザラシと違い、オットセイは短い毛(アンダーファー)と長い毛(ガードヘアー)の2種類が生えています。

キタオットセイの毛皮、灰色のガードヘアーと茶色のアンダーファーが見える。



恐らく英語圏の人がアザラシを見た後にオットセイを見たのでしょう。
実際にヨーロッパ周辺海域ではオットセイはいませんが、アザラシは色んな種類を見ることができます。
「アザラシ(seal)より毛皮が凄い、fur sealだ!」とでも呼ばれるようになったのではないのかと思います。

海外ではよくひれあし類を観察できる海岸を「seal beach」を呼んでいますが、オットセイがいる場所のことだったりします。

オーストラリア・フィリップ島にあるシールロック。ここにいるのはオーストラリアオットセイ。


現地の人も紛らわしいと思っているのか、アザラシを「true seal(真のアザラシ)」、オットセイを「eared seal(耳たぶがあるアザラシ)」と表記することもあります。

アシカの仲間には耳たぶがある、目の後ろにある小さな突起が耳たぶ。


ひれあし類好きの私からすると、最初から分けて呼べばよかったのにねと思いますが、この呼び方は変わらないのでしょう。
ぜひ海外にアザラシ(もしくはオットセイ)を見に行く時は名前だけで判断せずに写真や生息地も確認していただければと思います!
このサイト「ひれあし図鑑」ではひれあし類(アシカ・アザラシ・セイウチ)について紹介していますので、ぜひ他のページも見てみてくださいね。