水族館でかわいらしい動きを見せてくれるアザラシたち。
国内の施設で会えるアザラシの特徴や違いを紹介していきます!

国内で見られるアザラシは6種類

国内では現在(2025年5月時点)では6種類のアザラシに会うことができます。



ゴマフアザラシ

国内の施設で一番見ることができるアザラシで、体にある胡麻を散らしたような模様が名前の由来になっています。
自然下でも日本周辺で見ることができ、北海道の一部の地域では一年を通して出会うことができます。
春先に各地の飼育施設で真っ白な赤ちゃんが誕生し話題を呼ぶのもこのゴマフアザラシです。

ゴマちゃんと親しまれているのはこのゴマフアザラシ。国内で約250頭が飼育されている。



ゼニガタアザラシ

飼育下では2番目に数が多いのがゼニガタアザラシです。
体にある輪っかの模様が古銭に似ているのが名前の由来です。
日本でもえりも岬など一部の地域で一年を通して出会うことができます。
アザラシの中でも珍しく赤ちゃんが大人と同じ体色で生まれます。
これはゼニガタアザラシが氷の上ではなく、岩場で子育てをするためだと考えられています。

ゼニガタアザラシの親子。左がコドモで右が母親。



ワモンアザラシ

ゴマフアザラシと似ているのでたびたび間違われる種類です。
よく見るとゴマフアザラシよりも体が小さく、体の模様も輪っかの形になっています。
冬になると流氷とともに日本周辺までやってきますが、姿を見ることができるのは稀です。
飼育下でも個体数が少ないので、見たことがある方はかなりのアザラシ好きか幸運の持ち主ですね。

ワモンアザラシ。ゴマフアザラシと比べて頭も小さいのが特徴。


アゴヒゲアザラシ

アザラシには顔周りにヒゲがあるのが特徴ですが、このアゴヒゲアザラシは特にヒゲの数が多いです。
このヒゲで砂の中のエサを探し出していると考えられています。
ワモンアザラシと同じく、冬に日本周辺にやってきますが姿を見ることはかなり難しいです。
過去には埼玉県の多摩川に現れたこともあります。

アゴヒゲアザラシ。他のアザラシよりもヒゲの数が多く、長さもある。


ハイイロアザラシ

全国で3施設でしか見ることができないアザラシです。
自然下では他のアザラシやイルカを捕食することもあるため、凶暴なイメージがありますが、水族館では他の種類と一緒に暮らしたりパフォーマンスにでることもあります。

ハイイロアザラシはこの馬のような顔立ちが特徴。


バイカルアザラシ

アザラシの中では唯一淡水(名前の通りバイカル湖)に生息する種類です。
大きな目が特徴で、これは透明度の高い湖で視覚を頼りにエサを探すようになったためだと考えられています。
飼育個体数は減少傾向にあり、今後積極的な繁殖が求められています。

他のアザラシだと太りすぎに見えるこの体型は、バイカルアザラシだと正常。


過去には見ることができたアザラシ

ここからはかつては国内の施設で見ることができた種類を紹介します。

クラカケアザラシ

最近では2023年までアクアマリンふくしまで展示されていました(世界飼育最長記録)。
体の白黒模様が乗馬に使用する鞍に似ていることが名前の由来になっています。

アクアマリンふくしまで展示されていたクラカケアザラシ。オスは白黒模様がはっきり出る。



冬になると日本周辺にやってきて、まれに迷子になった赤ちゃんや衰弱した個体が海岸に打ちあがり、保護されています。
しかし自然下ので生態研究があまり進んでいないことや、本来沿岸域に生息しない種であることから飼育下ではゴマフアザラシのように長期で展示できないことが多いです。
今後も保護される可能性はありますので、もしチャンスがあれば見に行って見てください。

キタゾウアザラシ

オスだと体重が1トンを超える超大型アザラシです。
本来アメリカ西海岸で見ることができる種類ですが、過去に日本の海岸に漂着し、保護された個体が展示されていました。

加茂水族館で展示されていたメスのキタゾウアザラシ。



最後の飼育例では2017年に保護された個体が2022年まで加茂水族館で展示されています。
その前は1989年なので数十年に1回あるかどうかの出来事ですので、もし、どこかの水族館で展示されたら必ず見に行ってもらいたい種類です。

ミナミゾウアザラシ

世界で最も体が大きいアザラシです。名前の通りゾウのように垂れさがった鼻が特徴です。
自然界では亜南極に生息しており、自力で日本周辺にやってくることはまずありえません。
最後に展示されていたのは伊勢シーパラダイスにいたメスのアザラシで、2013年に亡くなっています。

伊勢シーパラダイスで飼育されていたメスのミナミゾウアザラシ。あっかんべーのポーズが大人気だった。



生息地へ行くこともかなり難しい種類なので、昔見たことがあるという方はかなりのアザラシマニアです。

カスピカイアザラシ

カスピ海に生息する小型のアザラシです。
鴨川シーワールドで飼育されていましたが、2019年ごろから現在まで展示されていません。

カスピカイアザラシのような希少な種は今後国内に入ってくることは難しい。



カスピカイアザラシはカスピ海固有のアザラシで、自然下でも個体数の減少が指摘されています。
今後新しい個体が海外から入ってくる見込みがないことから、国内で見ることができないと考えられます。

いかがだったでしょうか?
国内の施設で出会えるアザラシにもいろんな種類がいることが分かりました。
ぜひ次回水族館や動物園に行ったときは、どの種類なのかをチェックしてみてくださいね!
別のページではアザラシたちの詳しい紹介もしているので、チェックしてくださいね。