水族館でコミカルな動きを見せてくれるアシカたち。国内の施設で会えるアシカの仲間の特徴や違いを紹介していきます!

国内で会えるアシカの種類は6種類

国内では現在(2024年10月時点)では6種類のアシカの仲間に会うことができます。



カリフォルニアアシカ

名前の通りカリフォルニア州を含む北アメリカ大陸北部に生息します。
繁殖期になるとオスたちがメスを巡る戦いを繰り広げてハーレムを形成します。

繁殖期以外の時期でも一部の地域ではカリフォルニアアシカの群れを見ることができる。




メスは100kgほどですが、オスは300kg近くまで大きくなります。

またオスはオトナになるとオデコにコブが出てくるのが特徴です。

中央左側がオス、右側がメス。かなり大きさに違いがある。




全身の体毛はとても短く、生えてないように見えることもあります。
またこの後紹介するオタリアとは違い、首にたてがみはありません。

体が濡れているとツルっとした印象。


カリフォルニアアシカは全国で一番多く見ることができるアシカの仲間です。
ニュースなどで単に「アシカ」と呼ばれるのはほとんどがカリフォルニアアシカになります。

トド

トドは日本周辺にも生息しているアシカの仲間です。
「アシカ」と名前にはありませんが、これは昔、アイヌ語でトドが「トント」と呼ばれていたことが語源になっているそうです。
アシカの中では最も大きくなる種で、メスは270kgほどですが、オスになると1トンを超えることもあります。

トドのオス。ずんぐりとした体格が特徴。



北海道では漁網の中の魚を食べる「漁業被害」が問題になっています。
その見た目と、漁業への被害の大きさから「海のギャング」とも呼ばれています。

ワイルドな顔立ちが印象的。キバも大きいので噛まれたらひとたまりもない。


その見た目とはかけ離れ、穏やかな性格をしています。
そのためしっかりとトレーニングで信頼関係を作ることができれば、お客さんとのふれ合いなどもすることができます

体は大きいが、トレーニングを通じてふれあいもできる。



オタリア

オタリアは南アメリカに生息しているアシカの仲間です。

オスのオタリア。大きな体と頭が目を引く。


トドと同じく「アシカ」とは呼ばれていませんが、これは学名=Otaria byroniaがそのまま呼ばれるようになったのに由来しています。
他のアシカと比べて鼻先が押しつぶされたような特徴的な顔立ちをしています。

オタリアのメス。つぶれたような鼻先がオタリアの特徴。


メスは140kgほどですが、オスは300kgにもなります。
またオスはオトナになると首周辺にたてがみが生えてきます。
アシカは英語で「Sea lion」と呼ばれていますが、その姿はまさにライオン。
アシカの中では一番たてがみが顕著に表れるのもオタリアです。

オスのオタリア。首周辺の体毛はたてがみになり、ボサボサと目立つようになる。



キタオットセイ

ここからはアシカの仲間であるオットセイを紹介していきます。
キタオットセイは日本周辺にも生息しているオットセイです。

キタオットセイのオス。先述のアシカ達に比べて頭は小さい。


他のオットセイに比べて若干丸顔で吻先が短く、いわゆるタヌキ顔をしています。

少しとぼけたような顔立ちをしている。他のオットセイとは少し違っているのが分かる。


メスは50kgほどにしかなりませんが、オスは300kg近くまで大きくなります。
オスとメスの体格差が大きいので、たびたび親子と間違われています。

キタオットセイのオスとメス。アシカの仲間の中で一番オスメスの体格差がある。


2層の高密度に生えた体毛を持っていて、その毛皮がラッコの次に高級な品物として乱獲もされた歴史もあります。
昔は国の指示で一部の水族館がキタオットセイを飼育、生態研究をしていました。
現在はその研究は行われてはいませんが、その時のオットセイの子孫たちが国内4つの施設で見ることができます。

ミナミアメリカオットセイ

ミナミアメリカオットセイはその名の通り南アメリカ大陸の沿岸に生息しているオットセイです。

ミナミアメリカオットセイのオス。キタオットセイよりも鼻先が長いのが分かる。


オットセイ3種の中では一番国内での展示施設が多いです。
メスは50kgほどですがオスは150kg近くまで大きくなります。

飼育施設が多いので、各地のアシカショーでもたびたび登場する。


ミナミアメリカオットセイは吻先がスラっと長く、キツネ顔をしてます。
キタオットセイほど体毛の密度が高くないので、ボサボサとした毛並みをしています。

ミナミアメリカオットセイのメス。とがった鼻先と長い体毛が目を引く



ミナミアフリカオットセイ

ミナミアフリカオットセイはその名の通りアフリカ大陸の沿岸に生息しているオットセイです。


オットセイの中では一番大型になる種類で、メスは120kgにもなり、オスだと300kgを超えることもあります。

ミナミアフリカオットセイのオス。ミナミアメリカオットセイと比べてずんぐりしている。


メスで100kgを超えるオットセイはミナミアフリカオットセイだけです。
たびたび「キタオットセイ」と「ミナミオットセイ」と比べられることがありますが、「キタオットセイ」は1種のオットセイを意味するのに対し、「ミナミオットセイ」には「ミナミアメリカオットセイ」や「ミナミアフリカオットセイ」がいるのでややこしくなっています。
ミナミアフリカオットセイもキタオットセイほどは体毛の密度が高くないので、ボサボサとした毛並みが目立ちます。

オットセイは体毛が長いのが特徴。


大きさと毛並みでオットセイ3種を見分けることができると思います。

過去には見ることができたアシカの仲間

現在では見ることはできませんが、かつては見ることができたアシカの仲間も紹介します。

オーストラリアアシカ

まずはオーストラリアアシカです。

オーストラリアの生き物は国外への移動がとても厳しく制限されていますが、1975年に行われた沖縄国際海洋博覧会の際に日本との友好の証として3頭のオーストラリアアシカがやってきました。
博覧会の水族館エリア運営を担当したのが鴨川シーワールドだったこともあり、博覧会後に鴨川シーワールドで展示されました。

1981年には世界で初めて飼育下繁殖もしましたが、新しい血統がいなかったこともあり、現在は展示を終了しています。
現地・オーストラリアに行けば野生のオーストラリアアシカに会えますし、動物園でも気軽に見ることができますよ!


二ホンアシカ

またかつては二ホンアシカも国内の施設でも飼育されていたそうです。
二ホンアシカはその名の通り、日本周辺に生息していたアシカの仲間です。
毛皮目的の乱獲により1975年の目撃を最後に姿が見られなったため絶滅したと考えられています。
京都動物園や天王寺動物園など複数の施設で展示されていたという記録が残っています。
十分な研究がされないまま絶滅したため、正確な生息地や生活史などがほとんど資料がない種です。


いかがだったでしょうか?
アシカショーで登場するアシカの仲間たちにもいろんな種類がいることが分かりました。
ぜひ次回水族館や動物園に行ったときは、どの種類なのかをチェックしてみてくださいね!
別のページではアシカの仲間たちの詳しい紹介もしているので、チェックしてくださいね。