アザラシ、アシカ、セイウチの情報を紹介

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アシカとアザラシの英語が紛らわしい問題

アシカとアザラシって何が違うの?と皆さん気になりますよね。
それぞれの見た目の違いは別記事で紹介しているのでそちらを見ていただきたいのですが、

今回は英語の表記もわかりにくいお話をしたいと思います。

アシカはsea lion 、アザラシはseal、これなら分かるが、、、?

アシカは英語で「sea lion」と書きます。
なので例えば水族館でおなじみのカリフォルニアアシカは「California sea lion」になりますね。

大きな体が特徴のカリフォルニアアシカ。


ゴマフアザラシなら「Spotted seal (Largha sealとも書きますが)」になります。

こちらはゴマフアザラシ。こうやって見ると何となく形が違うのは分かる。


ここまでなら簡単なのですが、アシカの仲間であるオットセイはなんと「Fur seal」と書きます。

…んん?アシカの仲間なのにseal?

キタオットセイのオス、アシカやアザラシと比べると毛むくじゃらなのが分かる。


なんで「fur sea lion(毛が多いアシカ)」にならなかったのかと言いますと、正確なことは分かりません。

毛皮の価値が名前を決めた?

一説によれば、その毛皮の価値が由来だと考えられています。
そもそもアザラシの毛皮は、毛足は短いものの革がマットのように頑丈なため高級品として扱われていました。

アザラシの毛皮でできたバック、昔は様々な工芸品に毛皮が利用されていた。

しかしその上を行くオットセイの毛皮が現れたのです。
毛足の短い毛しかないアザラシと違い、オットセイは短い毛(アンダーファー)と長い毛(ガードヘアー)の2種類が生えています。

キタオットセイの毛皮、灰色のガードヘアーと茶色のアンダーファーが見える。



恐らく英語圏の人がアザラシを見た後にオットセイを見たのでしょう。
実際にヨーロッパ周辺海域ではオットセイはいませんが、アザラシは色んな種類を見ることができます。
「アザラシ(seal)より毛皮が凄い、fur sealだ!」とでも呼ばれるようになったのではないのかと思います。

海外ではよくひれあし類を観察できる海岸を「seal beach」を呼んでいますが、オットセイがいる場所のことだったりします。

オーストラリア・フィリップ島にあるシールロック。ここにいるのはオーストラリアオットセイ。


現地の人も紛らわしいと思っているのか、アザラシを「true seal(真のアザラシ)」、オットセイを「eared seal(耳たぶがあるアザラシ)」と表記することもあります。

アシカの仲間には耳たぶがある、目の後ろにある小さな突起が耳たぶ。


ひれあし類好きの私からすると、最初から分けて呼べばよかったのにねと思いますが、この呼び方は変わらないのでしょう。
ぜひ海外にアザラシ(もしくはオットセイ)を見に行く時は名前だけで判断せずに写真や生息地も確認していただければと思います!
このサイト「ひれあし図鑑」ではひれあし類(アシカ・アザラシ・セイウチ)について紹介していますので、ぜひ他のページも見てみてくださいね。

ヒョウアザラシは人を襲う?その生態について詳しく解説!

尖った牙でペンギンを襲うヒョウアザラシ。
かなり獰猛なイメージがありますが、実は人間とのトラブルもありました。
今回はそんなヒョウアザラシの実態について紹介します。

結論…人を襲った事例はある

みなさんのイメージ通り、実はヒョウアザラシによる死亡事故は確かにあります。

この大きな口で襲われたらひとたまりもなさそう、、、。



2003年に南極海でシュノーケリングをしながら調査を行っていた海洋学者が、海中に引きずり込まれて死亡する事故が起こっています。
これはヒョウアザラシによる唯一の死亡事故となっており、当時大きなニュースにもなりました。
ではヒョウアザラシは好んで人間を襲っているのか?その可能性は低いでしょう、次で詳しく紹介していきます。

そもそもヒョウアザラシは哺乳類以外も捕食する、プランクトンすら食べている。

まずヒョウアザラシの食性について紹介しましょう。
彼らはひれあし類の中でも特殊な食生活をしていて、動物プランクトンから大型の生物までさまざまな生物をエサにしています。

南極に生息するカニクイアザラシ、彼らもヒョウアザラシのエサになる。


ヒョウアザラシの尖った歯はまるでアザラシやペンギンの肉を断つ刃物に見えますが、よく見るとヒゲクジラのヒゲ板のように小さなものを漉しとれる構造にもなっています。

ヒョウアザラシの頭骨、犬歯以外の歯が特徴的な形になっている。


このギザギザした歯の形は南極に住むアザラシに見られる特徴の一つで、南極生態系の中で最も生物量の多い「ナンキョクオキアミ」を漉しとって食べるための物です。

体長が数センチしかないナンキョクオキアミは南極の生態を支える重要生物だ。


もちろんこの尖った歯を利用して肉も食べることができますが、そもそも彼らは利用しやすい食べ物を幅広く利用できる柔軟性のあるアザラシなのです。

そもそも南極には本来人が住んでいないため、クマのようにいわゆる「味を占める」ことはありません。
2003年の死亡事故の原因は解明されていませんが、人を食べるために襲ったとは考えにくいでしょう。
ですが、南極海を小型ボートで移動中にヒョウアザラシに追いかけられたり、船にアタックをされた事例はあります。
ヒョウアザラシにとっては見たこともない船や人に好奇心(警戒心?)を与えたことで、彼らが接近するのだと考えられます。

変わった姿をしているヒョウアザラシだが、彼らからすれば人の方が変わっているだろう。

アザラシはヒトを襲わないのか?

世界中の水族館、動物園でアザラシが飼育されています(過去にはヒョウアザラシも飼育されてました)が、彼らは飼育員を攻撃することはないのでしょうか?

ヒョウアザラシの飼育経験のあるタロンガ動物園では特にトレーナーが襲われたなどの報告はありませんでした。
では他のアザラシは?そもそもこういった情報はあまり公表されないので正確な数字で出すことはできませんが、アザラシに威嚇された、追いかけられた話は飼育業界ではよく聞く話です。

水族館でおなじみのゴマフアザラシもよく見ると牙がある。噛まれると大けがもする。


でもそれは、
・野生のアザラシを(衰弱などの理由で)保護しようと思ったら威嚇された
・赤ちゃんの健康チェックのため飼育場に入ったら母親アザラシに追いかけられた
・普段とは違う服装で飼育場に入ったらアザラシに威嚇された
など「そりゃあ怒るよな」とみなさんも思いそうな理由がほとんどです。

ゼニガタアザラシの母親(右)と幼獣(左)。授乳期間中は母親は子に寄り添い守っている。


アザラシ達は野生動物で、人に可愛がられたり、撫でられることが本能的に好きな生き物ではありません。
なのでいきなり驚かせたりすると彼らも警戒するのは当然のことなのです。

北海道の稚内で出会った野生のゴマフアザラシ、こちらをじっと見ている。

今回の結論としては…

「ヒョウアザラシじゃなくても怒る時は怒る」ということになりますね!
そんなヒョウアザラシについて詳しく知りたい方はこちらもチェック↓

ヒョウアザラシを見れる水族館は?その場所やヒョウアザラシの生態について紹介

ペンギンを食べる姿で一躍有名になったヒョウアザラシ、実際に会ってみたい人も多いのではないでしょうか?
今回はヒョウアザラシに会える場所はあるのか、そして彼らの生態について紹介していきます!

結論…国内でヒョウアザラシを見られる施設はない

先に結果から申し上げると、現在(2025年4月時点)で生きたヒョウアザラシを見られる施設は国内にはありません。
入手方法の難しさから、今後国内で飼育展示される可能性はかなり低いと考えられます。

現在ではさまざまな理由からヒョウアザラシを見ることが難しくなっている。



なぜ手に入らないのか?そもそもヒョウアザラシの生態は?

ヒョウアザラシは南極周辺に生息しています。
季節で利用する場所を変化させる(回遊する)種類で、たまにニュージーランドやオーストラリアの海岸でも目撃されています。

極地で生息し、さらに群れを作らないため詳しい生態研究が進んでおらず、謎に満ちたアザラシです。

ヒョウアザラシの取り扱いは世界的に厳しく管理されています。
例えば「南極のあざらしの保存に関する条約」によって締約国(日本を含みます)はヒョウアザラシを含む南極域に生息するアザラシの捕獲が禁止されています。
さらに南極自体の立ち入りが制限されており、観光ツアーで上陸できたとしても自由に探しに行くことはできません。

会える可能性がある場所はある

ヒョウアザラシに会うなら方法は大きく分けて2つです。

南極ツアーに参加する

日本から南極の直行便はありませんが、南半球の各大陸の南端から船で行くことができます。
現地のツアーに参加することになるので200万円以上はかかります。
さらにツアーに参加してもそこにヒョウアザラシがいるとは限りません。
例えば繁殖期に群れを作るゾウアザラシだとツアーでほぼ確実に見ることができます。

しかしヒョウアザラシは群れを作らず普段どこで暮らしているのかも不明なので、会えたら本当に幸運でしょう。

好奇心があるヒョウアザラシからやってくることもある、、、?



回遊してくる国々で探す

ニュージーランドやオーストラリア、アフリカでは毎年数頭~数十頭のヒョウアザラシが目撃されています。
彼らのほとんどが衰弱しているのではなく、休息のために上陸しているようです。
現地の団体がヒョウアザラシの目撃情報や個体情報を収集していて、どの海域に出没するかは予測することはできます。
ただし情報はリアルタイムではありませんし、毎日必ず出没するとも限りませんので、こちらも会えたら本当に幸運です。
ちなみにニュージーランドにいる知人は海岸で偶然にもヒョウアザラシに出会ったそうですよ(うらやましい…!)。
本人から伺った当時の印象としては、「数キロ先から見えていたどでかい流木が突然動いた」だそうですよ!

https://twitter.com/7maru7circle/statuses/1704074533395914927

過去にヒョウアザラシに出会えた施設

国内ではヒョウアザラシの飼育例はありません。
オーストラリア・タロンガ動物園では過去にヒョウアザラシを展示していましたが、現在は死亡してします。

国内でははく製を見る機会もほとんどありませんが、オーストラリア・南オーストラリア博物館でははく製や頭骨を間近に見ることができますよ!
海岸でヒョウアザラシを探しつつ、こちらの博物館に寄るのがいいコースかもしれませんね!

ゾウアザラシを見れる水族館は?その場所やゾウアザラシの生態について紹介

大きな体に大きな鼻、可愛らしいアザラシのイメージとはかけ離れた見た目のゾウアザラシ。
実際に見てみたいという人も多くいると思います。
今回はそんなゾウアザラシを見られる場所やその生態について紹介します。

じっくり見るとつぶらな瞳が可愛らしいキタゾウアザラシのオス。

結論…国内でゾウアザラシを見られる施設はない

先に結果から申し上げると、現在(2025年4月時点)で生きたゾウアザラシを見られる施設は国内にはありません。
入手方法の難しさから、今後国内で飼育展示される可能性はかなり低いと考えられます。

キタゾウアザラシはかつて国内の施設で見ることができたが現在は展示を終了している。



そもそもゾウアザラシはどこに住んでる?

ゾウアザラシと一言で言っても世界中には2種のゾウアザラシがいます。
世界で最も大きなアザラシでもあるミナミゾウアザラシは、亜南極周辺に生息しています。

ミナミゾウアザラシのメス(左)とオス(右)。雌雄で体格差があるのがゾウアザラシの特徴。



次に体の大きいキタゾウアザラシはアメリカ大陸の西海岸に生息しています。

どちらの種も一生の大半を外洋で過ごし、繁殖期になると海岸に集まってハーレムを形成します。

キタゾウアザラシのハーレム。1頭のオスが数十頭のメスを独占する。



ミナミゾウアザラシは野生下の個体数が減少しており、世界的に保護されてます。
例えば「南極のあざらしの保存に関する条約」によって締約国(日本を含みます)はミナミゾウアザラシを含む南極域に生息するアザラシの捕獲が禁止されています。
他にもワシントン条約によって生きた個体だけでなく毛皮や骨なども商業的な国際取引が規制されています。
また彼らの繁殖地の多くがユネスコの世界遺産や各国の国立自然保護区などに指定されているため、人の立ち入りも厳しく制限されています。

キタゾウアザラシもかつて絶滅寸前まで追い込まれた過去があり、アメリカでは海棲哺乳類保護法によってアザラシの捕獲が禁止されています。

キタゾウアザラシは大回遊する生き物だったため、乱獲による絶滅を免れた。


こういった理由から日本に新たにゾウアザラシが持ち込まれることはほぼないといっていいでしょう。
現地でも衰弱したゾウアザラシを保護することはありますが、基本的にはリハビリ後に放獣するので、施設で長期間飼育されることはありません。

国外なら会える!?その場所とは?

先ほどの理由から、海外の水族館、動物園でもゾウアザラシは展示されていません。
なのでゾウアザラシに会う方法としては大きく2つになります

生息地で野生個体を観察する

一部の地域ではゾウアザラシの観察ツアーを行っています。
専門スタッフの案内のもと、繁殖地を歩くので時期を間違えなければほぼ確実に見ることができます。
私も過去に2回、アメリカ・アニョヌエボ州立公園で野生のキタゾウアザラシに会っています。
現地の紹介はこちら↓


保護施設で会う

迷子やケガなどさまざまな理由で漂着した野生生物を保護する施設が各国に設けられています。
保護施設では普及活動の一環として施設を公開しているので、運が良ければゾウアザラシも見れるかも、、、?
ただし、健康状態によってはすぐに放獣されたり、完全非公開エリアにいることもありますので確実な方法とは言えません。
保護施設のHPではどんな生き物を保護しているか紹介しているので、見てみるのがおすすめです。

アメリカ・サンフランシスコにあるMarine mammal centerのHP↓



過去にゾウアザラシに会えた国内施設

ミナミゾウアザラシは過去に現地から持ち込まれた個体が国内複数の施設で展示されていました。
最後に飼育されていたのは、三重県の伊勢シーパラダイスにいたメスの丸子(2013年死亡)です。

伊勢シーパラダイスで飼育されていたミナミゾウアザラシの丸子。



キタゾウアザラシは現地から輸入されたことはありませんが、なんと保護個体が展示されていました。
最近では2017年に山形県の加茂水族館が保護したキタゾウアザラシのメスを飼育展示していました(2022年に死亡しました)。

国内で飼育されていたゾウアザラシの多くははく製になって博物館で展示されています。

2024年に国立科学博物館で行われた大哺乳類展3ではゾウアザラシのはく製が展示されていた。

いかがだったでしょうか?

人気のゾウアザラシの生態や飼育歴について紹介しました。
もし、また彼らが展示される機会があれば必ず見に行っていただきたいと思います。

ゾウアザラシについてもっと詳しく知りたい方はこちらもオススメです!↓

珍しいアザラシの交尾に遭遇~新江ノ島水族館~

ここで会えたひれあし類

みなさんはアザラシの交尾を見たことがありますか?
実はアザラシは年に1回しか繁殖期がなく、かつ交尾の回数も限られているのでその場面に出くわすことは滅多にありません。

なんと、3月中旬に新江ノ島水族館に遊びに行ったときにゴマフアザラシの交尾に立ち会うことができたので紹介します。

ひれあし類のエリアは館内最奥。とにかく進む。

新江ノ島水族館は地元の海を中心とした海の生き物約540種(全国トップ10に入るぐらい)を展示しています。
ひれあし類のエリアの前にはゆらゆら美しく漂うクラゲエリアや、テレビでもよく取り上げられる「映え」確実の相模湾大水槽など大人気エリアが続きますがいつも通りさくさくと進みます。
最奥のイルカショープールの手前にゴマフアザラシのエリアがあります。

クラゲエリアには世界中の美しいクラゲたちが漂っている。
海藻が繁茂する水槽、飼育が困難なためこの水槽一つでも技術の高さがうかがえる。



ゴマフアザラシの水槽は二つに仕切られており、手前はオトナのオスとメス1頭ずつ、奥はオトナのメスと昨年生まれのそのコドモがいました。

何やらナゾの姿勢で水中を覗いているコドモのアザラシ。



新江ノ島水族館では2024年に初めてゴマフアザラシの繁殖に成功しています。
恐らく新しい組み合わせでの繁殖を目指しているのでしょう。

右上がメス、左下がオスのアザラシ。交尾が始まる前からオスはソワソワしていた。



実際手前のプールのオスは繁殖期特有の「ドッドッド」という胸を動かして出す鳴き声が聞こえたので、そろそろ交尾期かな、、、と思っていました。
すると!

突然始まった交尾

すると突然オスがメスを追いかけ初めて、交尾を始めました。
この日は小雨だったこともあり館内には大勢のお客さんが、、、。
飼育スタッフさんも駆けつけてみんなで見守りました。

オスがメスを背後から抱きしめるように抱えて、挿入を試みている。



交尾はオスがメスを追いかける→後ろに回り込んで抱き着く(首にかみつくことも)→生殖器を一気に挿入→しばらく静止(と言ってもメスはじっとしないので抱き着いたまま一緒に泳ぐ)といった流れで行われます。

私も働いていた水族館でアザラシを担当していましたが、若い個体(だけとは限りませんが)とかだと交尾がうまくできないことがあります。
1時間以上の交尾の中ではうまく生殖器が挿入っているときとそうでない時がありました。
時々見える巨大な生殖器、500mlのペットボトルぐらいは余裕であります。

巨大なブツが的を外してはみ出している。しばらく当の本人は気付かず姿勢を維持していた。


雌が離れると縮んでしまわれていくのですが、よく入るなぁと感心してしまいます。
無事交尾ができていれば秋ごろに着床(アザラシは受精してもしばらく着床しないのです)、来年の春先に出産するのでこれは期待が高まりますね!
交尾の様子はYoutubeでも紹介しています↓


展示されてないオットセイにも遭遇!隠されたお散歩エリアも要チェック

アザラシ達が落ち着いている間にイルカショーも見に行きました。
数年前はオットセイも出てくるシナリオでしたが、今はイルカのみの内容になっていました。
新江ノ島水族館ではアシカ科の展示エリアがないので、イルカショーが確実に見れる場所だったので個人的には少し残念。
でもシナリオベースではなく、その時々のイルカの様子に合わせた種目構成で進められるショーは大盛り上がりでした。

ショー開始10分前だと一番端っこの立ち見席しか空いてなかった。



ショー終了後に向かって左のサブプールへ向かいます。
ここは2005年まではミナミゾウアザラシが暮らしていた場所です。
なんとプール横の柱にはミナミゾウアザラシの等身大パネルが貼られてました。

こちらを覗きみるように突然現れたミナミゾウアザラシ。
当時飼育していた個体の説明もあった。




実物を見たかったな~と浸っているとプールの端の通路に突然ミナミアメリカオットセイが!

静かな足取りで突如現れたオットセイ。



今回は会えないかなと思っていたので、慌ててカメラを構えます。
どうやら普段はこのあたりでトレーニングをしているみたいです。

バックヤードに戻る前にいくつか種目を見せてくれた。


日によってはオタリア(今回は会えなかった)も出てくることもあるみたいなので、ぜひこの穴場もチェックして見てください。
ちなみに新江ノ島水族館では昨年オットセイも初めての繁殖に成功しています。
いつかこの通路にもオットセイのチビちゃんが歩いてくれることを期待しましょう。
いかがだったでしょうか?
本当は売店やフードコートのひれあしアイテムも紹介したかったのですが、新江ノ島水族館は本当に見どころが多く時間が足りませんでした。
私もまた遊びに行って紹介していきますが、ぜひ皆さんもアザラシ達に会いに行ってくださいね。

すみだ水族館~オットセイ展に突撃!~

ここで会えたひれあし類



東京都内にあるすみだ水族館では、2025年3月5日~4月25日に「いいえそれはオットセイ展」が行われています。
今回はその企画展と実際にすみだ水族館で暮らしているオットセイたちの様子を紹介していきます!


入口から早速オットセイのパネルがお出迎え!

すみだ水族館はスカイツリーの4階にあります、館内入口のチケット売り場ではカメラに収まらないぐらいの巨大なパネルが!
よく見るとパネルの隅々にオットセイのイラストが描かれていて、これをお金を払う前に見れるのが凄すぎます。

自分より大きなタイトルパネルがいきなり目の前に…!
入館直後にある階段にもオットセイ展の案内が投影されていた。



館内には企画展の大きなパネルが各所に設置されていました。
水族館の企画展と言えば、よくあるのは館内の一部のエリアでコンパクトにパネルや標本などが展示されているイメージですよね。
ですが、さすが都内トップクラスの水族館では館内を歩いているだけでオットセイの気配を感じることができるようになっています。

大きなパネルにはすみだ水族館に関するSNSの投稿(オットセイの感想)が描かれている。



世間のオットセイに対するイメージが明確に、、、今まで見たことない内容にくぎ付け

解説パネルの主な内容は一般的にオットセイがどのような認識をされているのか(もはや認識されてない)というものでした。

オットセイは身近に感じられていないのがよくわかる解説。それゆえに伸びしろともいえる。


すみだ水族館に関するSNSでの投稿内容や歴史的文献、そして実際にスカイツリーに訪れた人へのインタビューなど、さまざまな角度から世間のオットセイに対するイメージを深堀していました。

オットセイクイズの様子も紹介されていた。正解率は実際に現地で確認してほしい。


たしかに、私自身水族館で働いていますが、「トドとオットセイの違いは?」とか「アシカとオットセイの違いは?」と言った質問をよく受けます。
全国の飼育施設で何度も解説に出てくるのに、それでも間違われてしまうオットセイたち。
その現状がまじまじと分かる内容でした、オットセイ展なので生態的な解説が中心かな、、、と思っていただけに新鮮です。
今回の内容を見て、私もこのサイトを通じてもっとひれあし類のことを伝えていかなければと思いました。

館内をお散歩!?オットセイのゴハンの時間も見てみます

すみだ水族館と言えば館内をお散歩するオットセイが有名です。
私自身すみだ水族館には何度も足を運んでいるのですが、まるで近所の犬のお散歩のように館内の人だかりを突っ切っていくオットセイたちの姿には毎度衝撃を受けます。
今回もぜひその姿を拝みたいと思い、オットセイプールの出入り口付近でスタンバイしていました。

2階建ての館内中心にあるスロープを降りていくとオットセイエリアにつく。
館内の中心にあるプールがオットセイエリア。リアルな擬岩ゆえにオットセイが馴染んで見落とされることが多いので注意。



埼玉県の東武動物公園と協力してオットセイの繁殖に成功したため、すみだ水族館では現在5頭のミナミアメリカオットセイが暮らしています。

美しい毛並みのオットセイがゆったりと休んでいる。


さっそく解説が始まりました、1頭につきトレーナーが1人ずつついて丁寧に給餌をしています。

派手なパフォーマンスはないが、トレーナーとオットセイのコミュニケーションをゆったりと眺めることができる癒しの時間が見られる。


まだ小さい個体がいるからか、それとも別の理由からか、以前のような大きな声での解説はなく、比較的おとなしい雰囲気で進みます。

館内にも1頭オットセイが出てきました。人だかりを気にする様子はありません。

館内にオットセイが出てきた!柵なしでオットセイを間近に見ることができる。


今回は階段を下りて数分で展示プールへ戻ってきました。

先に給餌が終わったオットセイは他の個体が終わるまでトレーナーが水遊びで待たせていた。


、、、んんっ!?給餌が終わった!?恐らく今までで一番シンプルな内容だったのではないかなと、、、。
今回がたまたまなのか、ここ数年で方針が変化したのか?そこは不明なのですが、ぜひ、オットセイ展もやっているので飼育スタッフさんのお話も聞きたかったと思います。
一応館内にはすみだ水族館に暮らすオットセイたちの見分け方や性格を紹介しているパネルもあるので、お時間のある方はそれを見ながらじっくり観察されるのをお勧めします。



グッズは非常に充実!限定オットセイアイテムも見逃すな!

出口の先にある売店ではたくさんのオットセイグッズがありました。
ほとんどがすみだ水族館のオリジナルで、ここでしか手に入りません。
今回私が選んだのはアクリルキーホルダーとノートブックです!

柔らかい雰囲気のオットセイのイラストがとてもかわいい、、、っ!



いかがだったでしょうか?
なかなかひれあし類の企画展はありませんし、ひれあし類のオリジナルグッズが充実度は私が今まで見てきた施設の中でもトップクラスです。
ぜひ企画展に合わせてすみだ水族館に遊びに行って見てくださいね!


島根県立三瓶自然館サヒメル~世界で唯一のニホンアシカのはく製に出会う~

ここで会えたひれあし類

前回の記事ではしまね海洋館アクアスのひれあし類、そしてニホンアシカのはく製の紹介をしました。


今回はなんと、世界で唯一成獣オスのニホンアシカのはく製がある「島根県立三瓶自然館サヒメル」にも行くことができました。
まさに感無量、ぜひ人生で一度は見てほしい貴重なはく製です。
それでは紹介していきましょう!

1月末時点では道中に雪が積もっていた。道中は融雪されているので危険な道ではない。



最速でニホンアシカのはく製へ!

ドキドキで急ぎ足になりつつ、ニホンアシカのはく製がある「環日本海地域の生い立ちと自然」エリアに到着です。

ついに会える、、、!この奥にいる!



ここでは島根県の大地と自然環境の成り立ちについて紹介しています。
島根県に由来のある化石や岩石標本が展示されていました。
その奥に、、、

大きなアシカのはく製が!



いた‼‼‼ついに出会うことができました、ニホンアシカの成獣オスのはく製、通称「リャンコ大王」です。

国内の水族館でよく見かけるカリフォルニアアシカ並みの大きさ、生きていたらかなりの迫力だと思います。

世界で1体の成獣のはく製だが、実は1990年代になるまでニホンアシカであることが分かっていなかったらしい。



実際カリフォルニアアシカとは近縁種だという説もあるのですが、見た目の違いとして、オデコのコブ(正式には矢状稜(しじょうりょう))がニホンアシカの方が大きいことが分かっています。

頭骨も展示されていた、左から成獣オス、亜成獣オス、幼獣。
リャンコ大王の頭骨、全体の大きさもさながら、頭頂部の出っ張りが非常に目立つ。



この標本は島根県の竹島(りゃんこ島とも呼ばれてました)で捕獲された、当時その大きさや気性の粗さから地元漁師に恐れられていた個体です。
首の傷が捕殺されたときに銃の玉が貫通した跡だそうです。

耳の近くだけ皮ふの状態が違う。もしこれが銃痕なら頭骨が残っていたのは奇跡に近い。
ちなみに尻尾はかなり短かった。



りゃんこ大王以外にも若いオスと幼獣のはく製がありました。

各成長段階のはく製が見られるのも、もちろんサヒメルだけ。

はく製の横には毛皮もありました。

毛皮はカバンなどの製品に加工されていたそう。適切な管理がされていたら絶滅は免れたかもしれない。

こんな間近で貴重な標本を見ることができて感動です。
でも、本当なら絶滅することなく、生きた姿を見てみたかった、、、。

どれだけ丁寧に管理された標本でも、時とともに劣化していくことは避けられません。
絶滅してしまったニホンアシカのためにできることはもうありませんが、せめてこの標本を通じて、たくさんの人にひれあし類のことを知ってもらえたらなと思います。

今後も自身の記事を通じて、ひれあし類の魅力を伝えていきたい。



ひれあし類の化石も展示

ニホンアシカの隣には中新世の日本海にいたとされる、ひれあし類の祖先・アロデスムスの化石のレプリカが展示されていました。

化石種にも会えるとは、とても充実した施設だった。



形は後ろの写真にもある、トドに似ている印象です。
ですが、あとで調べたところアシカではなく、現在のアザラシと同じ祖先から生まれた種類だということでした。

先ほどのニホンアシカの頭骨と比べると頭頂部はかなり違う形をしている。


実は国内のさまざまな場所でひれあし類の祖先の化石が発掘されています。
いつか化石種の紹介もしていきたいと思います。

他の展示も見ごたえあり、特に埋没林の展示は圧巻!

正直に言いますと、ニホンアシカのはく製が見れたら他の展示はさらっと見て終わりにしようかと思ってました。
地元でとれた標本などが少し展示されている施設なのかな、、、と事前リサーチをしっかりせずに訪問した私がいけなかったです。
非常に見ごたえのある展示物ばかりで、特に三瓶山にある埋没林を紹介するエリアは圧巻でした。

施設近くにある埋没林(噴火で灰に沈んだ森林)の木を館内で展示していた。その大きさに圧倒される。


またすれ違うスタッフさん皆さんが気さくに話しかけてくれて、展示物以外にも窓の外から見える生き物など色んな話を聞かせてもらえました。

現在でも見ることができる生き物の紹介もある。
一部の標本は実際に触ることができる。



退館する時も遠くにいるスタッフさんがお辞儀をして見送ってくださり、その温かさに周りの雪も気にならなくなるほどでした。

いかがでしょうか?
島根県立三瓶自然館サヒメルは貴重なニホンアシカのはく製が見れる他にも島根県の自然を楽しく知ることができる素晴らしい施設でした。
館内の雰囲気も素敵でしたし、埋没林の展示も面白かったので、次はゆっくり見学してさらに三瓶山も歩いてみたいなと思いました。
ぜひ皆さんも遊びに行って見てくださいね!

しまね海洋館アクアス~秘蔵のニホンアシカにも遭遇!?~

ここで会えたひれあし類



標本で出会えた種



先日島根県に旅行へ行きました。主な目的は、絶滅したニホンアシカのはく製を見ることです。
その場所の1つがしまね海遊館アクアスです、もちろん標本以外にもアシカやアザラシを近くで見ることができてとても充実した施設でした!
それでは紹介していきましょう!

出雲縁結び空港から車で約2時間で到着。


はく製はどこに、、、?まずはアシカとアザラシの近くへ

はく製があることは分かっていましたが、どこにあるのか、そもそも展示されているのかがわからなかったため、まずは「アシカ・アザラシプール」へ向かいます。

屋外エリアにあるプールではゴマフアザラシとカリフォルニアアシカが同居していました。

ゆったり泳ぐアザラシとその奥でトレーニング待ちするカリフォルニアアシカのメス。



プール前に到着するとさっそくメスのカリフォルニアアシカがこちらを見てました。

こちらに気付いてカリフォルニアアシカが近くまで来てくれた。



訪問時は雪で来館者が少なかったため、のんびりアシカ達を観察することができました。

雪の中の解説プログラムは神秘的

1日2回の解説イベント「アシカ・アザラシパフォーマンス」があったのでもちろん参加してきました。
アシカとアザラシが両方パフォーマンスするのかと思いましたが、私が見た回はアシカのみをトレーナーが誘導していました。

プールを広く使った種目が多く、アシカのダイナミックな動きも見せてくれる。


アシカとアザラシの違いを紹介する際に同じプールにいるアザラシの解説もするパターンでした。

解説中もアザラシ達はのんびりしていた。



お兄さんの話し方がなんとも魅力的で、寒さを忘れて聞き入ってしまうぐらい面白い解説でした!

アシカ・アザラシパフォーマンスのあとには「アザラシのなかよしタイム」というプログラムがあったのでこちらにも参加しました。
アザラシ「が」仲良くするのか、アザラシ「と」仲良くできるプログラムなのか、内容が分からずドキドキしつつの参加です。

寒空の中解説が始まる。


ちょうど吹雪いてお客さんがほとんどいないなか、ほぼ貸し切り状態でお話が始まりました。

手前のアザラシは得意の「飛行機ボーズ」を披露。アザラシらしいまったりした解説だった。


解説が終わるころには吹雪きがひどくなり、アザラシ達の姿がかすんできた。


スタッフさんも凍える中、アザラシ達は涼しそうな表情でさまざまな動きを見せてくれました。

これは確かにアザラシと仲良くなれたようなそんな穏やかな気持ちになれました。

ついに!出会った!ニホンアシカのはく製

アシカ・アザラシプールを見たところはく製はありませんでした。
館内のスタッフさんに聞いてみるか、、、と順路を進んでいくと、暗闇に何やらアシカのような姿が、、、。

照明もほとんどない通路の傍らにガラスケースが見える。



こ、これは!ニホンアシカのはく製ではないですか!?

カリフォルニアアシカに似た、しかしどこか古めかしさを感じるはく製があった。


ずっとネット上の画像では見てましたが、ようやく実物を見ることができました、、、。
しまね海洋館アクアスで見ることができるのは、メスのはく製です。
顔の形や姿勢は比較的きれいな状態になっていて、当時の姿を想像することができます。

毛皮の摩耗などはあるが、形の崩れなどはないいいはく製。


なんでこんな暗闇に、、、?もっと大々的に展示できる超貴重な標本です(これを見るためだけに入館料払えるぐらいです)。

パーティションの前で撮影するももこんちょ本人。これのために島根まで来たからには逃せない。


目立つ場所へ移動してもらえたら見つけやすいなーと思いますので、ぜひ次回に期待したい、、、そしてぜひ皆さんにも見ていただきたいと思います。

ひれあし類以外の展示

しまね海洋館アクアスの主な展示は島根県に伝わる神話(因幡の白兎など)にも出てくる生き物であるサメや、愛嬌たっぷりのベルーガです。

実は外観はサメがモチーフになっている。

アシカ達の撮影の合間にベルーガショーも見学。大人気のバブルリングを披露していた。



なんとトビウオの展示もしていました。

時折ヒレを広げて泳ぐ姿がかっこいい。ホソアオトビという種類のトビウオの仲間である。


名前はよく知られているトビウオですが、水族館での長期飼育は困難なので、常設で見ることができるのは全国でもしまね海洋館アクアスだけです。

ひれあし類以外でも見どころたっぷりの水族館でした、昼食を取れるエリアもあったので、1日かけて遊ぶこともできる施設だと思います。

いかがでしょうか?
都心部からのアクセスは少し難しいですが、行く価値大有りの水族館なので、ぜひ遊びに行って見てくださいね!


城崎マリンワールド~言葉が分かるトドについに出会えた~

ここで会えたひれあし類



過去の記事で言葉が分かるトドについての論文を紹介しました。

ついに、ようやくそのトドに会いに行くことができました!


トドの知能の高さを目の当たりにして、ひれあし類のまだ知られざる能力を感じることができました。
また城崎マリンワールドにはトド以外にもひれあし類にたくさん出会うことができ、みなさんにもぜひ行っていただきたい場所だと思いました!

入口には大きなセイウチのモニュメントが、これは期待が高まる!


それでは紹介していきましょう!

まずはトドプールへ直行

やっぱり最初はトドに会いに行きたいですよね。
トドがいるのは本館である、水族館「シーズー」を抜けた先です。

手前から、トド、ゴマフアザラシ、フンボルトペンギンの展示場。



巨大な岩場と滝が目を引く展示場ではトドたちが悠々と暮らしていました。

人工の巨大な滝を背景に眺めるトドは圧巻!


そしていました、、、言葉が分かるトド「ハマ」です!

傷もなく、毛並みもきれいな美トドでした。


とてもきれいな顔立ちをしていて、あちこち動き回る活発さがひと際目立ちました。

トドのダイビングは圧巻!ハマとのコミュニケーションも見れる。

毎日行われるプログラム「トドのダイビング」ではトドの給餌解説を見ることができます。
解説中に大きなトドたちが岩山を登ってダイビング!2階席まで水しぶきが飛んできました。

トレーナーの合図で次々とトドが飛び込みます。



そしてハマとトレーナーとのコミュニケーションも見ることができました。
トレーナーが出した声だけの合図で様々な種目を披露するハマ。
聞き分けることができる合図は約50種もあるそうです。

私自身水族館でトレーナーをしていますが、手ぶりの合図と違って音声で伝えるのはすごく難しい、、、しかも動きのシルエットと違って生き物がどれぐらい音を認識できてるかを実験しながら伝えていくのはトレーナーの技術も求められます。
とても興味深い取り組みをされている城崎マリンワールドさんはこれからも目が離せませんね!

トド以外にも、アシカ、アザラシ、セイウチに会える!

実は城崎マリンワールドは全てのひれあし類(アシカ、アザラシ、セイウチ)に会える施設なんです!
まずはトドと同じアシカの仲間、カリフォルニアアシカから。

水深があるプールでとても元気よく泳いでいました。
帽子など、ゆらゆら揺れるものに興味を持って近付いて来てくれました。

同じプールにはゼニガタアザラシが。

ゼニガタアザラシとカリフォルニアアシカが同居していた。それぞれの違いを堪能できる。



日本のゼニガタアザラシは、若い頃は古銭型の模様をしています。
ですが、高齢になると模様が抜けて、まるでゴマフアザラシのようにも見えます。

高齢のゼニガタアザラシ。泳いだり休んだりと元気よく動き回っていた。


ぜひこれからも長生きしてほしいですね。

トドのエリアの隣には、ゴマフアザラシが展示されていました。

お客さんが歩いただけで、こちらにも来てくれました。

ずっとこちらを眺めてくるゴマフアザラシ。


給餌以外の時間とかに、しっかりトレーナーさんがコミュニケーションを取ってるから、人への好奇心が芽生えていくのではないかと思います。
生き物を通じてスタッフさんたちの熱心さが伝わってくる施設です。

プログラム「アザラシのロッククライミング」ではアザラシたちの給餌解説を見ることができます。
トドとはまた違ったもちもちとした動きに癒されつつも、その隠された身体能力を間近で見ることができます。

トドのようなダイナミックさはないが、アザラシらしい動きに癒される。



セイウチにも会えた、、、が?

セイウチは館内の水槽で見ることができます。

目の前をゆったり泳ぐセイウチは大迫力。



プログラム「イルカアシカショー」ではセイウチのパフォーマンスを見ることができますが、今回は時間が間に合わず見ることができませんでした、、、。
ぜひまた遊びに行って、城崎マリンワールドの魅力をお届けしたいと思います。

いかがだったでしょうか?
城崎マリンワールドはとても数時間では見切れないぐらい充実していて、私もまた改めて訪問したいと思います。

ぜひみなさんも遊びに行ってくださいね!

城崎マリンワールドの動画はこちら

ゾウアザラシってどんな生き物?

ゾウアザラシはアザラシの仲間で最も大きくなるグループです。
その名の通りゾウのような見た目をしており、普段水族館で会える小さくてキュートなアザラシとは全く違った印象をしています。
今回はそんなゾウアザラシの特徴を紹介します!

見た目はまるでゾウ

ゾウアザラシの大きな特徴はその大きな鼻と大きな体です。

ミナミゾウアザラシのオスのはく製、となりの人と比べるとその大きさが分かる。



最も大きくなるミナミゾウアザラシのオスは体長が3mを越え、体重は4トンにもなります。
日本の動物園で見ることができるアジアゾウの体重も4トンなので、まさに海のゾウと言えますね。

またその大きな鼻も特徴で、特にオスのアザラシでは顕著に飛び出ています。
これは息を吐くときに体内の水分が出ていくのを抑えるフィルターの役割をしています。

キタゾウアザラシのオス、地面につくほど長い鼻が特徴的。


繁殖期には数カ月飲まず食わずでハーレムを維持する彼らにとって、体内の水分を逃がさないようにするのに都合のいい形になっています。
またこの鼻を高く持ち上げて自身をアピールする行動を行うこともあります。

キタゾウアザラシのハーレム。海岸を埋め尽くすほどのアザラシが集まってくる。



ゾウアザラシは2種のアザラシの総称

ゾウアザラシとひとまとめに呼びますが、実は2種類のアザラシが含まれています。
アメリカ西海岸など、北半球で見ることができる「キタゾウアザラシ」と、亜南極など南半球で見ることができる「ミナミゾウアザラシ」がいます。
外見は似ていますが、ミナミゾウアザラシの方が体が大きく、鼻の大きさも目立ちます。

ミナミゾウアザラシのオス(大きい方)とメス(小さい方)

キタゾウアザラシのオス。ミナミゾウアザラシよりも目つきが穏やかなのが特徴



暮らしもダイナミック!

ゾウアザラシは換毛期と繁殖期の2回、陸上で過ごしますが、それ以外の時期は狙うを求めて海で過ごします。
キタゾウアザラシではなんと2万キロ以上(北海道から沖縄を5往復できるぐらい)も泳いでいった記録もあります。

キタゾウアザラシの繁殖地とアニョヌエボ島にいたアザラシの回遊経路。


過去には水族館でも見ることができた

2種類のゾウアザラシはかつて国内の水族館で見ることができました。
ミナミゾウアザラシは1950年代から上野動物園、江ノ島水族館、伊豆三津シーパラダイスなど複数の施設で飼育された歴史があります。
特に江ノ島水族館(現・新江ノ島水族館)では立派なオスのミナミゾウアザラシが飼育されていました。
最後にミナミゾウアザラシが飼育されていたのは、三重県にある伊勢シーパラダイスです。

江ノ島水族館で飼育されていたミナミゾウアザラシアザラシ。なんとアザラシに脚立をかけて給餌を行っていた。


「あっかんべー」をするので有名になったメスのミナミゾウアザラシ「丸子」です。
飼育日数が世界最長記録(8858日)を残して、2013年に亡くなりました。

伊勢シーパラダイスで飼育されていたミナミゾウアザラシの丸子。



キタゾウアザラシは国内で数例しか飼育例がありません。
最近では2017年に山形県の加茂水族館が保護したキタゾウアザラシのメスを飼育展示していました。

加茂水族館で飼育されていたキタゾウアザラシのメス。

残念ながら2022年に亡くなってしまい、この個体を最後にゾウアザラシの飼育は行われていません。

いかがだったでしょうか?
たくましさと愛嬌を兼ね備えたゾウアザラシについてもっと知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください!


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