アザラシ、アシカ、セイウチの情報を紹介

こんちょ (1ページ目 (5ページ中))

すみだ水族館~オットセイ展に突撃!~

ここで会えたひれあし類



東京都内にあるすみだ水族館では、2025年3月5日~4月25日に「いいえそれはオットセイ展」が行われています。
今回はその企画展と実際にすみだ水族館で暮らしているオットセイたちの様子を紹介していきます!


入口から早速オットセイのパネルがお出迎え!

すみだ水族館はスカイツリーの4階にあります、館内入口のチケット売り場ではカメラに収まらないぐらいの巨大なパネルが!
よく見るとパネルの隅々にオットセイのイラストが描かれていて、これをお金を払う前に見れるのが凄すぎます。

自分より大きなタイトルパネルがいきなり目の前に…!
入館直後にある階段にもオットセイ展の案内が投影されていた。



館内には企画展の大きなパネルが各所に設置されていました。
水族館の企画展と言えば、よくあるのは館内の一部のエリアでコンパクトにパネルや標本などが展示されているイメージですよね。
ですが、さすが都内トップクラスの水族館では館内を歩いているだけでオットセイの気配を感じることができるようになっています。

大きなパネルにはすみだ水族館に関するSNSの投稿(オットセイの感想)が描かれている。



世間のオットセイに対するイメージが明確に、、、今まで見たことない内容にくぎ付け

解説パネルの主な内容は一般的にオットセイがどのような認識をされているのか(もはや認識されてない)というものでした。

オットセイは身近に感じられていないのがよくわかる解説。それゆえに伸びしろともいえる。


すみだ水族館に関するSNSでの投稿内容や歴史的文献、そして実際にスカイツリーに訪れた人へのインタビューなど、さまざまな角度から世間のオットセイに対するイメージを深堀していました。

オットセイクイズの様子も紹介されていた。正解率は実際に現地で確認してほしい。


たしかに、私自身水族館で働いていますが、「トドとオットセイの違いは?」とか「アシカとオットセイの違いは?」と言った質問をよく受けます。
全国の飼育施設で何度も解説に出てくるのに、それでも間違われてしまうオットセイたち。
その現状がまじまじと分かる内容でした、オットセイ展なので生態的な解説が中心かな、、、と思っていただけに新鮮です。
今回の内容を見て、私もこのサイトを通じてもっとひれあし類のことを伝えていかなければと思いました。

館内をお散歩!?オットセイのゴハンの時間も見てみます

すみだ水族館と言えば館内をお散歩するオットセイが有名です。
私自身すみだ水族館には何度も足を運んでいるのですが、まるで近所の犬のお散歩のように館内の人だかりを突っ切っていくオットセイたちの姿には毎度衝撃を受けます。
今回もぜひその姿を拝みたいと思い、オットセイプールの出入り口付近でスタンバイしていました。

2階建ての館内中心にあるスロープを降りていくとオットセイエリアにつく。
館内の中心にあるプールがオットセイエリア。リアルな擬岩ゆえにオットセイが馴染んで見落とされることが多いので注意。



埼玉県の東武動物公園と協力してオットセイの繁殖に成功したため、すみだ水族館では現在5頭のミナミアメリカオットセイが暮らしています。

美しい毛並みのオットセイがゆったりと休んでいる。


さっそく解説が始まりました、1頭につきトレーナーが1人ずつついて丁寧に給餌をしています。

派手なパフォーマンスはないが、トレーナーとオットセイのコミュニケーションをゆったりと眺めることができる癒しの時間が見られる。


まだ小さい個体がいるからか、それとも別の理由からか、以前のような大きな声での解説はなく、比較的おとなしい雰囲気で進みます。

館内にも1頭オットセイが出てきました。人だかりを気にする様子はありません。

館内にオットセイが出てきた!柵なしでオットセイを間近に見ることができる。


今回は階段を下りて数分で展示プールへ戻ってきました。

先に給餌が終わったオットセイは他の個体が終わるまでトレーナーが水遊びで待たせていた。


、、、んんっ!?給餌が終わった!?恐らく今までで一番シンプルな内容だったのではないかなと、、、。
今回がたまたまなのか、ここ数年で方針が変化したのか?そこは不明なのですが、ぜひ、オットセイ展もやっているので飼育スタッフさんのお話も聞きたかったと思います。
一応館内にはすみだ水族館に暮らすオットセイたちの見分け方や性格を紹介しているパネルもあるので、お時間のある方はそれを見ながらじっくり観察されるのをお勧めします。



グッズは非常に充実!限定オットセイアイテムも見逃すな!

出口の先にある売店ではたくさんのオットセイグッズがありました。
ほとんどがすみだ水族館のオリジナルで、ここでしか手に入りません。
今回私が選んだのはアクリルキーホルダーとノートブックです!

柔らかい雰囲気のオットセイのイラストがとてもかわいい、、、っ!



いかがだったでしょうか?
なかなかひれあし類の企画展はありませんし、ひれあし類のオリジナルグッズが充実度は私が今まで見てきた施設の中でもトップクラスです。
ぜひ企画展に合わせてすみだ水族館に遊びに行って見てくださいね!


島根県立三瓶自然館サヒメル~世界で唯一のニホンアシカのはく製に出会う~

ここで会えたひれあし類

前回の記事ではしまね海洋館アクアスのひれあし類、そしてニホンアシカのはく製の紹介をしました。


今回はなんと、世界で唯一成獣オスのニホンアシカのはく製がある「島根県立三瓶自然館サヒメル」にも行くことができました。
まさに感無量、ぜひ人生で一度は見てほしい貴重なはく製です。
それでは紹介していきましょう!

1月末時点では道中に雪が積もっていた。道中は融雪されているので危険な道ではない。



最速でニホンアシカのはく製へ!

ドキドキで急ぎ足になりつつ、ニホンアシカのはく製がある「環日本海地域の生い立ちと自然」エリアに到着です。

ついに会える、、、!この奥にいる!



ここでは島根県の大地と自然環境の成り立ちについて紹介しています。
島根県に由来のある化石や岩石標本が展示されていました。
その奥に、、、

大きなアシカのはく製が!



いた‼‼‼ついに出会うことができました、ニホンアシカの成獣オスのはく製、通称「リャンコ大王」です。

国内の水族館でよく見かけるカリフォルニアアシカ並みの大きさ、生きていたらかなりの迫力だと思います。

世界で1体の成獣のはく製だが、実は1990年代になるまでニホンアシカであることが分かっていなかったらしい。



実際カリフォルニアアシカとは近縁種だという説もあるのですが、見た目の違いとして、オデコのコブ(正式には矢状稜(しじょうりょう))がニホンアシカの方が大きいことが分かっています。

頭骨も展示されていた、左から成獣オス、亜成獣オス、幼獣。
リャンコ大王の頭骨、全体の大きさもさながら、頭頂部の出っ張りが非常に目立つ。



この標本は島根県の竹島(りゃんこ島とも呼ばれてました)で捕獲された、当時その大きさや気性の粗さから地元漁師に恐れられていた個体です。
首の傷が捕殺されたときに銃の玉が貫通した跡だそうです。

耳の近くだけ皮ふの状態が違う。もしこれが銃痕なら頭骨が残っていたのは奇跡に近い。
ちなみに尻尾はかなり短かった。



りゃんこ大王以外にも若いオスと幼獣のはく製がありました。

各成長段階のはく製が見られるのも、もちろんサヒメルだけ。

はく製の横には毛皮もありました。

毛皮はカバンなどの製品に加工されていたそう。適切な管理がされていたら絶滅は免れたかもしれない。

こんな間近で貴重な標本を見ることができて感動です。
でも、本当なら絶滅することなく、生きた姿を見てみたかった、、、。

どれだけ丁寧に管理された標本でも、時とともに劣化していくことは避けられません。
絶滅してしまったニホンアシカのためにできることはもうありませんが、せめてこの標本を通じて、たくさんの人にひれあし類のことを知ってもらえたらなと思います。

今後も自身の記事を通じて、ひれあし類の魅力を伝えていきたい。



ひれあし類の化石も展示

ニホンアシカの隣には中新世の日本海にいたとされる、ひれあし類の祖先・アロデスムスの化石のレプリカが展示されていました。

化石種にも会えるとは、とても充実した施設だった。



形は後ろの写真にもある、トドに似ている印象です。
ですが、あとで調べたところアシカではなく、現在のアザラシと同じ祖先から生まれた種類だということでした。

先ほどのニホンアシカの頭骨と比べると頭頂部はかなり違う形をしている。


実は国内のさまざまな場所でひれあし類の祖先の化石が発掘されています。
いつか化石種の紹介もしていきたいと思います。

他の展示も見ごたえあり、特に埋没林の展示は圧巻!

正直に言いますと、ニホンアシカのはく製が見れたら他の展示はさらっと見て終わりにしようかと思ってました。
地元でとれた標本などが少し展示されている施設なのかな、、、と事前リサーチをしっかりせずに訪問した私がいけなかったです。
非常に見ごたえのある展示物ばかりで、特に三瓶山にある埋没林を紹介するエリアは圧巻でした。

施設近くにある埋没林(噴火で灰に沈んだ森林)の木を館内で展示していた。その大きさに圧倒される。


またすれ違うスタッフさん皆さんが気さくに話しかけてくれて、展示物以外にも窓の外から見える生き物など色んな話を聞かせてもらえました。

現在でも見ることができる生き物の紹介もある。
一部の標本は実際に触ることができる。



退館する時も遠くにいるスタッフさんがお辞儀をして見送ってくださり、その温かさに周りの雪も気にならなくなるほどでした。

いかがでしょうか?
島根県立三瓶自然館サヒメルは貴重なニホンアシカのはく製が見れる他にも島根県の自然を楽しく知ることができる素晴らしい施設でした。
館内の雰囲気も素敵でしたし、埋没林の展示も面白かったので、次はゆっくり見学してさらに三瓶山も歩いてみたいなと思いました。
ぜひ皆さんも遊びに行って見てくださいね!

しまね海洋館アクアス~秘蔵のニホンアシカにも遭遇!?~

ここで会えたひれあし類



標本で出会えた種



先日島根県に旅行へ行きました。主な目的は、絶滅したニホンアシカのはく製を見ることです。
その場所の1つがしまね海遊館アクアスです、もちろん標本以外にもアシカやアザラシを近くで見ることができてとても充実した施設でした!
それでは紹介していきましょう!

出雲縁結び空港から車で約2時間で到着。


はく製はどこに、、、?まずはアシカとアザラシの近くへ

はく製があることは分かっていましたが、どこにあるのか、そもそも展示されているのかがわからなかったため、まずは「アシカ・アザラシプール」へ向かいます。

屋外エリアにあるプールではゴマフアザラシとカリフォルニアアシカが同居していました。

ゆったり泳ぐアザラシとその奥でトレーニング待ちするカリフォルニアアシカのメス。



プール前に到着するとさっそくメスのカリフォルニアアシカがこちらを見てました。

こちらに気付いてカリフォルニアアシカが近くまで来てくれた。



訪問時は雪で来館者が少なかったため、のんびりアシカ達を観察することができました。

雪の中の解説プログラムは神秘的

1日2回の解説イベント「アシカ・アザラシパフォーマンス」があったのでもちろん参加してきました。
アシカとアザラシが両方パフォーマンスするのかと思いましたが、私が見た回はアシカのみをトレーナーが誘導していました。

プールを広く使った種目が多く、アシカのダイナミックな動きも見せてくれる。


アシカとアザラシの違いを紹介する際に同じプールにいるアザラシの解説もするパターンでした。

解説中もアザラシ達はのんびりしていた。



お兄さんの話し方がなんとも魅力的で、寒さを忘れて聞き入ってしまうぐらい面白い解説でした!

アシカ・アザラシパフォーマンスのあとには「アザラシのなかよしタイム」というプログラムがあったのでこちらにも参加しました。
アザラシ「が」仲良くするのか、アザラシ「と」仲良くできるプログラムなのか、内容が分からずドキドキしつつの参加です。

寒空の中解説が始まる。


ちょうど吹雪いてお客さんがほとんどいないなか、ほぼ貸し切り状態でお話が始まりました。

手前のアザラシは得意の「飛行機ボーズ」を披露。アザラシらしいまったりした解説だった。


解説が終わるころには吹雪きがひどくなり、アザラシ達の姿がかすんできた。


スタッフさんも凍える中、アザラシ達は涼しそうな表情でさまざまな動きを見せてくれました。

これは確かにアザラシと仲良くなれたようなそんな穏やかな気持ちになれました。

ついに!出会った!ニホンアシカのはく製

アシカ・アザラシプールを見たところはく製はありませんでした。
館内のスタッフさんに聞いてみるか、、、と順路を進んでいくと、暗闇に何やらアシカのような姿が、、、。

照明もほとんどない通路の傍らにガラスケースが見える。



こ、これは!ニホンアシカのはく製ではないですか!?

カリフォルニアアシカに似た、しかしどこか古めかしさを感じるはく製があった。


ずっとネット上の画像では見てましたが、ようやく実物を見ることができました、、、。
しまね海洋館アクアスで見ることができるのは、メスのはく製です。
顔の形や姿勢は比較的きれいな状態になっていて、当時の姿を想像することができます。

毛皮の摩耗などはあるが、形の崩れなどはないいいはく製。


なんでこんな暗闇に、、、?もっと大々的に展示できる超貴重な標本です(これを見るためだけに入館料払えるぐらいです)。

パーティションの前で撮影するももこんちょ本人。これのために島根まで来たからには逃せない。


目立つ場所へ移動してもらえたら見つけやすいなーと思いますので、ぜひ次回に期待したい、、、そしてぜひ皆さんにも見ていただきたいと思います。

ひれあし類以外の展示

しまね海洋館アクアスの主な展示は島根県に伝わる神話(因幡の白兎など)にも出てくる生き物であるサメや、愛嬌たっぷりのベルーガです。

実は外観はサメがモチーフになっている。

アシカ達の撮影の合間にベルーガショーも見学。大人気のバブルリングを披露していた。



なんとトビウオの展示もしていました。

時折ヒレを広げて泳ぐ姿がかっこいい。ホソアオトビという種類のトビウオの仲間である。


名前はよく知られているトビウオですが、水族館での長期飼育は困難なので、常設で見ることができるのは全国でもしまね海洋館アクアスだけです。

ひれあし類以外でも見どころたっぷりの水族館でした、昼食を取れるエリアもあったので、1日かけて遊ぶこともできる施設だと思います。

いかがでしょうか?
都心部からのアクセスは少し難しいですが、行く価値大有りの水族館なので、ぜひ遊びに行って見てくださいね!


城崎マリンワールド~言葉が分かるトドについに出会えた~

ここで会えたひれあし類



過去の記事で言葉が分かるトドについての論文を紹介しました。

ついに、ようやくそのトドに会いに行くことができました!


トドの知能の高さを目の当たりにして、ひれあし類のまだ知られざる能力を感じることができました。
また城崎マリンワールドにはトド以外にもひれあし類にたくさん出会うことができ、みなさんにもぜひ行っていただきたい場所だと思いました!

入口には大きなセイウチのモニュメントが、これは期待が高まる!


それでは紹介していきましょう!

まずはトドプールへ直行

やっぱり最初はトドに会いに行きたいですよね。
トドがいるのは本館である、水族館「シーズー」を抜けた先です。

手前から、トド、ゴマフアザラシ、フンボルトペンギンの展示場。



巨大な岩場と滝が目を引く展示場ではトドたちが悠々と暮らしていました。

人工の巨大な滝を背景に眺めるトドは圧巻!


そしていました、、、言葉が分かるトド「ハマ」です!

傷もなく、毛並みもきれいな美トドでした。


とてもきれいな顔立ちをしていて、あちこち動き回る活発さがひと際目立ちました。

トドのダイビングは圧巻!ハマとのコミュニケーションも見れる。

毎日行われるプログラム「トドのダイビング」ではトドの給餌解説を見ることができます。
解説中に大きなトドたちが岩山を登ってダイビング!2階席まで水しぶきが飛んできました。

トレーナーの合図で次々とトドが飛び込みます。



そしてハマとトレーナーとのコミュニケーションも見ることができました。
トレーナーが出した声だけの合図で様々な種目を披露するハマ。
聞き分けることができる合図は約50種もあるそうです。

私自身水族館でトレーナーをしていますが、手ぶりの合図と違って音声で伝えるのはすごく難しい、、、しかも動きのシルエットと違って生き物がどれぐらい音を認識できてるかを実験しながら伝えていくのはトレーナーの技術も求められます。
とても興味深い取り組みをされている城崎マリンワールドさんはこれからも目が離せませんね!

トド以外にも、アシカ、アザラシ、セイウチに会える!

実は城崎マリンワールドは全てのひれあし類(アシカ、アザラシ、セイウチ)に会える施設なんです!
まずはトドと同じアシカの仲間、カリフォルニアアシカから。

水深があるプールでとても元気よく泳いでいました。
帽子など、ゆらゆら揺れるものに興味を持って近付いて来てくれました。

同じプールにはゼニガタアザラシが。

ゼニガタアザラシとカリフォルニアアシカが同居していた。それぞれの違いを堪能できる。



日本のゼニガタアザラシは、若い頃は古銭型の模様をしています。
ですが、高齢になると模様が抜けて、まるでゴマフアザラシのようにも見えます。

高齢のゼニガタアザラシ。泳いだり休んだりと元気よく動き回っていた。


ぜひこれからも長生きしてほしいですね。

トドのエリアの隣には、ゴマフアザラシが展示されていました。

お客さんが歩いただけで、こちらにも来てくれました。

ずっとこちらを眺めてくるゴマフアザラシ。


給餌以外の時間とかに、しっかりトレーナーさんがコミュニケーションを取ってるから、人への好奇心が芽生えていくのではないかと思います。
生き物を通じてスタッフさんたちの熱心さが伝わってくる施設です。

プログラム「アザラシのロッククライミング」ではアザラシたちの給餌解説を見ることができます。
トドとはまた違ったもちもちとした動きに癒されつつも、その隠された身体能力を間近で見ることができます。

トドのようなダイナミックさはないが、アザラシらしい動きに癒される。



セイウチにも会えた、、、が?

セイウチは館内の水槽で見ることができます。

目の前をゆったり泳ぐセイウチは大迫力。



プログラム「イルカアシカショー」ではセイウチのパフォーマンスを見ることができますが、今回は時間が間に合わず見ることができませんでした、、、。
ぜひまた遊びに行って、城崎マリンワールドの魅力をお届けしたいと思います。

いかがだったでしょうか?
城崎マリンワールドはとても数時間では見切れないぐらい充実していて、私もまた改めて訪問したいと思います。

ぜひみなさんも遊びに行ってくださいね!

城崎マリンワールドの動画はこちら

ゾウアザラシってどんな生き物?

ゾウアザラシはアザラシの仲間で最も大きくなるグループです。
その名の通りゾウのような見た目をしており、普段水族館で会える小さくてキュートなアザラシとは全く違った印象をしています。
今回はそんなゾウアザラシの特徴を紹介します!

見た目はまるでゾウ

ゾウアザラシの大きな特徴はその大きな鼻と大きな体です。

ミナミゾウアザラシのオスのはく製、となりの人と比べるとその大きさが分かる。



最も大きくなるミナミゾウアザラシのオスは体長が3mを越え、体重は4トンにもなります。
日本の動物園で見ることができるアジアゾウの体重も4トンなので、まさに海のゾウと言えますね。

またその大きな鼻も特徴で、特にオスのアザラシでは顕著に飛び出ています。
これは息を吐くときに体内の水分が出ていくのを抑えるフィルターの役割をしています。

キタゾウアザラシのオス、地面につくほど長い鼻が特徴的。


繁殖期には数カ月飲まず食わずでハーレムを維持する彼らにとって、体内の水分を逃がさないようにするのに都合のいい形になっています。
またこの鼻を高く持ち上げて自身をアピールする行動を行うこともあります。

キタゾウアザラシのハーレム。海岸を埋め尽くすほどのアザラシが集まってくる。



ゾウアザラシは2種のアザラシの総称

ゾウアザラシとひとまとめに呼びますが、実は2種類のアザラシが含まれています。
アメリカ西海岸など、北半球で見ることができる「キタゾウアザラシ」と、亜南極など南半球で見ることができる「ミナミゾウアザラシ」がいます。
外見は似ていますが、ミナミゾウアザラシの方が体が大きく、鼻の大きさも目立ちます。

ミナミゾウアザラシのオス(大きい方)とメス(小さい方)

キタゾウアザラシのオス。ミナミゾウアザラシよりも目つきが穏やかなのが特徴



暮らしもダイナミック!

ゾウアザラシは換毛期と繁殖期の2回、陸上で過ごしますが、それ以外の時期は狙うを求めて海で過ごします。
キタゾウアザラシではなんと2万キロ以上(北海道から沖縄を5往復できるぐらい)も泳いでいった記録もあります。

キタゾウアザラシの繁殖地とアニョヌエボ島にいたアザラシの回遊経路。


過去には水族館でも見ることができた

2種類のゾウアザラシはかつて国内の水族館で見ることができました。
ミナミゾウアザラシは1950年代から上野動物園、江ノ島水族館、伊豆三津シーパラダイスなど複数の施設で飼育された歴史があります。
特に江ノ島水族館(現・新江ノ島水族館)では立派なオスのミナミゾウアザラシが飼育されていました。
最後にミナミゾウアザラシが飼育されていたのは、三重県にある伊勢シーパラダイスです。

江ノ島水族館で飼育されていたミナミゾウアザラシアザラシ。なんとアザラシに脚立をかけて給餌を行っていた。


「あっかんべー」をするので有名になったメスのミナミゾウアザラシ「丸子」です。
飼育日数が世界最長記録(8858日)を残して、2013年に亡くなりました。

伊勢シーパラダイスで飼育されていたミナミゾウアザラシの丸子。



キタゾウアザラシは国内で数例しか飼育例がありません。
最近では2017年に山形県の加茂水族館が保護したキタゾウアザラシのメスを飼育展示していました。

加茂水族館で飼育されていたキタゾウアザラシのメス。

残念ながら2022年に亡くなってしまい、この個体を最後にゾウアザラシの飼育は行われていません。

いかがだったでしょうか?
たくましさと愛嬌を兼ね備えたゾウアザラシについてもっと知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください!


宮島水族館~世界遺産から徒歩10分、美しきヒレアシに出会える水族館~

ここであえたヒレアシ類



厳島神社のすぐそばにある宮島水族館は世界遺産に負けないぐらい魅力あふれる水族館です。

厳島神社から歩いて10分ほどのところにある。


地元、瀬戸内海の生き物を中心に380種の海の生き物が展示されており、全て見るのに数時間はかかる中規模の水族館です。
何といってもひれあし類は展示種数が国内トップクラスで、5種のひれあし類と館内のいろんな場所で出会うことができます。
では早速紹介していきましょう!

カリフォルニアアシカとオタリアはアシカライブで会える

まずは宮島水族館の一大プログラムでもある、アシカライブで会うことができます。

屋外プールでアシカショーが行われる。


アシカライブは1日3~4回行われていて、私が行ったときはカリフォルニアアシカのオスとオタリアのメスが登場してくれました。

オタリアのメスは全身を使ったダンスを披露していた。
後半で出てきたカリフォルニアアシカのオス、立派な体格からは貫禄が滲み出ている。


アシカショーにあんなに大きなカリフォルニアアシカが出てくるのは珍しいです。
トレーナーと比較するとその大きさがよくわかると思います!
あんなに立派なオスアシカを見れるアシカショーは必見です。


カリフォルニアアシカとゴマフアザラシのエリア

次はひれあしプールです
ここは本館の中ほどにあるドアから屋外に出る必要があります。
若干順路から逸れますので見落とさなないように!
ドーナツ状の水槽の隣にはカリフォルニアアシカとゴマフアザラシのパネルが貼ってありました。
展示する個体は入れ替わるみたいで、来訪時にはアシカライブで出会えたカリフォルニアアシカのオスが展示されてました。

アシカショー以外でも会えるので、必ずチェックしてほしいスポット


トドは水中でも屋外でも見れる!

続いてはトドのエリアです。
トドはひれあしプールへ続くドアのすぐ近くの水槽で見ることができます。
頭上まで伸びる、深さのある水槽を悠々と泳ぐトドは圧巻。

しかもこの水槽は2階に上がると陸上部分も見ることができます。

2階に上がったときはちょうど2頭とも上陸して休んでいた。


別館にはオットセイが!

2021年に新しくできた別館「はつこい庵」ではミナミアメリカオットセイに会うことができます。

はつこい庵ではオットセイのほか、金魚など美しい形の生き物が展示されていた。


運がいいことに、ライブプールまで出てきてくれたミナミアメリカオットセイのトレーニングを見ることができました!
アシカライブとは違い、まだ初初しさがあるオットセイたちを間近で見られてとてもドキドキしました。

アシカほどの力強さはないが、あどけない動きがオットセイの魅力。



今は土日祝にオットセイの解説イベントが行われているそうなので、ぜひそちらもご覧ください。

ひれあし以外の見どころ、個人的にはカブトムシ展示が凄かった!

もちろんひれあし類以外の展示も盛りだくさんです。
地元広島の名産、カキの水槽では実際の養殖風景を見ることもできます。

目の前の海で実際に行われているカキの養殖風景を見ることができる。




個人的には水の生き物ではないのですが、カブトムシの展示が一番印象的でした。

背景と本物のバナナを組み合わせることで、インパクトのある展示になっていた。



どうやら一年を通じてカブトムシを見られるように、成長段階ごとにたくさんのカブトムシを育成しているそうです。
バナナにかじりつくカブトムシはインパクト大、自然界での暮らしぶりを想像させてくれる面白い展示でした!

いかがだったでしょうか?
広島は観光地がたくさんあるのでどこに行くか迷いそうですが、ぜひヒレアシ類がたくさん見られる宮島水族館にも足を運んで見てくださいね。

日本の水族館・動物園で見られるアシカは6種類!特徴や違いを紹介。

水族館でコミカルな動きを見せてくれるアシカたち。国内の施設で会えるアシカの仲間の特徴や違いを紹介していきます!

国内で会えるアシカの種類は6種類

国内では現在(2024年10月時点)では6種類のアシカの仲間に会うことができます。



カリフォルニアアシカ

名前の通りカリフォルニア州を含む北アメリカ大陸北部に生息します。
繁殖期になるとオスたちがメスを巡る戦いを繰り広げてハーレムを形成します。

繁殖期以外の時期でも一部の地域ではカリフォルニアアシカの群れを見ることができる。




メスは100kgほどですが、オスは300kg近くまで大きくなります。

またオスはオトナになるとオデコにコブが出てくるのが特徴です。

中央左側がオス、右側がメス。かなり大きさに違いがある。




全身の体毛はとても短く、生えてないように見えることもあります。
またこの後紹介するオタリアとは違い、首にたてがみはありません。

体が濡れているとツルっとした印象。


カリフォルニアアシカは全国で一番多く見ることができるアシカの仲間です。
ニュースなどで単に「アシカ」と呼ばれるのはほとんどがカリフォルニアアシカになります。

トド

トドは日本周辺にも生息しているアシカの仲間です。
「アシカ」と名前にはありませんが、これは昔、アイヌ語でトドが「トント」と呼ばれていたことが語源になっているそうです。
アシカの中では最も大きくなる種で、メスは270kgほどですが、オスになると1トンを超えることもあります。

トドのオス。ずんぐりとした体格が特徴。



北海道では漁網の中の魚を食べる「漁業被害」が問題になっています。
その見た目と、漁業への被害の大きさから「海のギャング」とも呼ばれています。

ワイルドな顔立ちが印象的。キバも大きいので噛まれたらひとたまりもない。


その見た目とはかけ離れ、穏やかな性格をしています。
そのためしっかりとトレーニングで信頼関係を作ることができれば、お客さんとのふれ合いなどもすることができます

体は大きいが、トレーニングを通じてふれあいもできる。



オタリア

オタリアは南アメリカに生息しているアシカの仲間です。

オスのオタリア。大きな体と頭が目を引く。


トドと同じく「アシカ」とは呼ばれていませんが、これは学名=Otaria byroniaがそのまま呼ばれるようになったのに由来しています。
他のアシカと比べて鼻先が押しつぶされたような特徴的な顔立ちをしています。

オタリアのメス。つぶれたような鼻先がオタリアの特徴。


メスは140kgほどですが、オスは300kgにもなります。
またオスはオトナになると首周辺にたてがみが生えてきます。
アシカは英語で「Sea lion」と呼ばれていますが、その姿はまさにライオン。
アシカの中では一番たてがみが顕著に表れるのもオタリアです。

オスのオタリア。首周辺の体毛はたてがみになり、ボサボサと目立つようになる。



キタオットセイ

ここからはアシカの仲間であるオットセイを紹介していきます。
キタオットセイは日本周辺にも生息しているオットセイです。

キタオットセイのオス。先述のアシカ達に比べて頭は小さい。


他のオットセイに比べて若干丸顔で吻先が短く、いわゆるタヌキ顔をしています。

少しとぼけたような顔立ちをしている。他のオットセイとは少し違っているのが分かる。


メスは50kgほどにしかなりませんが、オスは300kg近くまで大きくなります。
オスとメスの体格差が大きいので、たびたび親子と間違われています。

キタオットセイのオスとメス。アシカの仲間の中で一番オスメスの体格差がある。


2層の高密度に生えた体毛を持っていて、その毛皮がラッコの次に高級な品物として乱獲もされた歴史もあります。
昔は国の指示で一部の水族館がキタオットセイを飼育、生態研究をしていました。
現在はその研究は行われてはいませんが、その時のオットセイの子孫たちが国内4つの施設で見ることができます。

ミナミアメリカオットセイ

ミナミアメリカオットセイはその名の通り南アメリカ大陸の沿岸に生息しているオットセイです。

ミナミアメリカオットセイのオス。キタオットセイよりも鼻先が長いのが分かる。


オットセイ3種の中では一番国内での展示施設が多いです。
メスは50kgほどですがオスは150kg近くまで大きくなります。

飼育施設が多いので、各地のアシカショーでもたびたび登場する。


ミナミアメリカオットセイは吻先がスラっと長く、キツネ顔をしてます。
キタオットセイほど体毛の密度が高くないので、ボサボサとした毛並みをしています。

ミナミアメリカオットセイのメス。とがった鼻先と長い体毛が目を引く



ミナミアフリカオットセイ

ミナミアフリカオットセイはその名の通りアフリカ大陸の沿岸に生息しているオットセイです。


オットセイの中では一番大型になる種類で、メスは120kgにもなり、オスだと300kgを超えることもあります。

ミナミアフリカオットセイのオス。ミナミアメリカオットセイと比べてずんぐりしている。


メスで100kgを超えるオットセイはミナミアフリカオットセイだけです。
たびたび「キタオットセイ」と「ミナミオットセイ」と比べられることがありますが、「キタオットセイ」は1種のオットセイを意味するのに対し、「ミナミオットセイ」には「ミナミアメリカオットセイ」や「ミナミアフリカオットセイ」がいるのでややこしくなっています。
ミナミアフリカオットセイもキタオットセイほどは体毛の密度が高くないので、ボサボサとした毛並みが目立ちます。

オットセイは体毛が長いのが特徴。


大きさと毛並みでオットセイ3種を見分けることができると思います。

過去には見ることができたアシカの仲間

現在では見ることはできませんが、かつては見ることができたアシカの仲間も紹介します。

オーストラリアアシカ

まずはオーストラリアアシカです。

オーストラリアの生き物は国外への移動がとても厳しく制限されていますが、1975年に行われた沖縄国際海洋博覧会の際に日本との友好の証として3頭のオーストラリアアシカがやってきました。
博覧会の水族館エリア運営を担当したのが鴨川シーワールドだったこともあり、博覧会後に鴨川シーワールドで展示されました。

1981年には世界で初めて飼育下繁殖もしましたが、新しい血統がいなかったこともあり、現在は展示を終了しています。
現地・オーストラリアに行けば野生のオーストラリアアシカに会えますし、動物園でも気軽に見ることができますよ!


二ホンアシカ

またかつては二ホンアシカも国内の施設でも飼育されていたそうです。
二ホンアシカはその名の通り、日本周辺に生息していたアシカの仲間です。
毛皮目的の乱獲により1975年の目撃を最後に姿が見られなったため絶滅したと考えられています。
京都動物園や天王寺動物園など複数の施設で展示されていたという記録が残っています。
十分な研究がされないまま絶滅したため、正確な生息地や生活史などがほとんど資料がない種です。


いかがだったでしょうか?
アシカショーで登場するアシカの仲間たちにもいろんな種類がいることが分かりました。
ぜひ次回水族館や動物園に行ったときは、どの種類なのかをチェックしてみてくださいね!
別のページではアシカの仲間たちの詳しい紹介もしているので、チェックしてくださいね。

ひれあし類の鳴き声の特徴

アシカの鳴き声と言えば、「アオッアオッ!」という甲高い声を出すイメージですよね?

でも実はアシカやアザラシ、セイウチの仲間の鳴き声にはいろんな種類があるんです!
今回は彼らの鳴き声について詳しく紹介したいと思います。


あの鳴き声はカリフォルニアアシカの鳴き声

みなさんが良く想像される「アオッアオッ」や「オッオッオッ」といった甲高い鳴き声は、全国の水族館でよく見ることができるカリフォルニアアシカの鳴き声です。



ちなみにアシカ達の鳴き声は自然界では数キロ先まで届きます。その大きな声を使ってオスたちは自身を誇示したり、メスは子どもの大まかな居場所を特定するのに役立てています。

母子でコミュニケーションをとるには鳴き声が重要なツールになる。


アシカの仲間であるオットセイたちも鳴き声を出しますが、カリフォルニアアシカとは違った鳴き方をします。


ひれあし類の鳴き声には様々なパターンがあり、種によって違うのが特徴です。

アザラシの鳴き声


アザラシの仲間も鳴き声を出しますが、漫画で描かれている「きゅー」という可愛らしい声はでません。


種によって鳴き声にバリエーションがあり、例えばアゴヒゲアザラシはまさに歌うように美しい鳴き声を出します。

京都大学野生動物研究センターさんのYoutubeより引用↓


また、鳴き声以外にもアザラシは前肢で体を太鼓のように叩くことで音を出したりもします。



セイウチの鳴き声

セイウチの鳴き声は本当に種類が多く、特にアシカやアザラシと違って「口笛」を吹くことができるのが特徴です。


水族館で行われているセイウチのショーでもたびたびセイウチの鳴き声が聞こえてきますので、ぜひ聞きにいってみてくださいね。

アシカとアザラシの違いは?

アシカとアザラシって何が違うのでしょう?
どちらも水族館で見ることはできますが、あまり違いが分からない人も多いと思います。
今回はそんなアシカとアザラシの違いについてまとめました!

生物学上の分類の違い

アシカもアザラシも同じ哺乳類の仲間で、鰭脚類(ききゃくるい、ひれあしるい)というグループの仲間になります。
ひれあし類の中には他にもセイウチが含まれます。


外見の違い

一つ目の外見の違いは耳です。
アシカの仲間には耳たぶ(耳介)がありますが、アザラシの仲間には耳たぶがありません。

アシカの目の後ろには小さい耳たぶ(耳介)がある。写真はカリフォルニアアシカ。
アザラシには耳たぶがなく、目の後ろには小さな穴が開いている。写真はゴマフアザラシ。



また前足(前肢)の形も違っています。
アシカの仲間は前肢が発達しているので、自身の体重を支えて歩くことができます。
またその前肢を羽ばたかせるように動かして水中を泳ぎます。

アシカの仲間は前足で体を支えて走ることもできる。写真はトド。
アシカの仲間は水中を飛ぶように泳ぐ。写真はカリフォルニアアシカ。



それに対し、アザラシの仲間は前肢が小さいので、体重を支えることはできません。
水中では後ろ足(後肢)を魚のヒレのように左右に振って泳ぎます。

アザラシの仲間は前肢で体重を支えられないので、地面を這って歩く。写真はゴマフアザラシ。
アザラシの仲間が泳ぐときは主に後ろ足を使う。写真はゴマフアザラシ。


生息地の違い

アシカやアザラシも種類によって(例えばアザラシの仲間でもゴマフアザラシとゼニガタアザラシで)、生息地が違います。
ですが、アシカの多くの種は比較的温暖な海域に生息しているのに対し、アザラシの多くの種は流氷があるような寒冷な海域に生息しています。

代表的なアシカであるカリフォルニアアシカは、北アメリカ南部~メキシコの沿岸に生息しています。

カリフォルニアアシカの分布。比較的温暖な地域の沿岸域を利用している。



繁殖期にはカリフォルニア州やメキシコにある島々で繁殖をします。

カリフォルニアアシカの群れ。町中の港で休息することも。


それに対しアザラシの代表種であるゴマフアザラシは、北海道以北の北太平洋に分布しています。

ゴマフアザラシの分布。寒冷な地域を主に利用している。



そして繁殖期になると流氷上で出産・子育てを行います。

アザラシは氷上を利用することが多い。写真はゴマフアザラシ。



ハワイアンモンクアザラシなど一部の種を除けば、アザラシの多くの種が流氷がある海域を繁殖地として利用しています。

エサの違い

アシカとアザラシの多くの種は魚や頭足類を食べています。
また季節や海域によって利用するエサを変化させているため、年中を通して多種多様なエサを食べています(「日和見食性」といいます)。
そういった意味ではアシカとアザラシでは利用するエサに大きな違いはありません。

例えばカリフォルニアアシカだとイワシ、メバル、ヤリイカ、タラなどを利用します。
比較的遊泳力の高い魚も利用でき、イワシやヤリイカの群れに、アシカが突撃して捕食する映像はたびたびネットやテレビでも見かけます。

遊泳力のあるイワシも捕食する。
時期によってはイカも利用する。



それに対しゴマフアザラシは、イカナゴ科、イカ、タコ、カジカなどを利用しています。

ゴマフアザラシは、砂にもぐるイカナゴをよく捕食する。
アザラシは魚価の高いタコも捕食するので、たびたび漁業への被害が報告されている。
カジカのようなトゲがある魚も食べている。


カリフォルニアアシカと比べると、遊泳力の低い底生性の生物も利用します。

またアザラシの仲間の中には、深海まで潜ってエサを取る種(キタゾウアザラシ)や、プランクトンを利用する種(ヒョウアザラシなどの南極に暮らすアザラシ)もいます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
アシカとアザラシは似ているようで、外見や生態にはさまざまな違いがありました。
別ページでは、種類ごとの詳しい生態や国内で見ることができる施設も紹介してますので、ぜひご覧ください!

アドベンチャーワールド
~アニマルアクションは必見!~

ここで会えたひれあし類

8月に和歌山県・アドベンチャーワールドに行きました。
今回初めて訪問したのですが、スタッフさんのおもてなしが素晴らしさに感動しました。
入園時間と閉園時間には道中にスタッフさんが総出で手を振って挨拶してくれます。
なんとついさっきまでイルカショーに出ていたトレーナーさんまで挨拶してくれます。
あたたかいおもてなし精神に皆さんのハートも鷲掴みされること間違いなしです!

超巨大な入口だが、開館前には人だかりができる。
閉館間際のイルカショーが終わると、トレーナーが通路まで出てきて手を振ってくれる。

それでは紹介していきましょう。

最短でひれあしプールへ

いつも通り最短でひれあし類に会いに行きます。
入館してすぐ目の前にある噴水にはペンギンがいたり、ウェルカムルームにはレッサーパンダがいたりと、誘惑がありますが、全て振り切って前に進みます。

入口ではレッサーパンダがお出迎え。でもここで立ち止まるわけにはいかない。



みんなが夢中になっている間に先へ行きましょう。

看板にさりげなくアシカのイラストが、テンションが上がってきます、、、!

真っすぐ突き当りまで進んで右に曲がります。
左手にゾウが見えますが、今は見えないふりをしていきましょう。

いきなりゾウが見れるので、ついつい魅入ってしまいそう。

屋根付きの通路通りに進みます。
右手にはパンダのエリアがあってたくさんの人を吸引していますが、吸い込まれないように!

パンダのエリアに入ると、しばらく出てこれなくなってしまう。今は後回しにして進む。

通路通りに行くと、アシカやシャチやラッコのモニュメントが飾られたゲートがあるので、そこを通過します。
その先の建物に入ると、目の前にゴマフアザラシ&カリフォルニアアシカが暮らすプールです!

アシカのモニュメントが目印なので迷うことはない。

アザラシとアシカが共存する、しかし、、、?

ここはもともとホッキョクグマがいたプールらしく、陸場は氷雪が積もったような雰囲気になっていました。
ゴマフアザラシ1頭とカリフォルニアアシカ1頭が同居していて、かなりスペースに余裕がある印象を受けました。
かなり大きなプールの底を泳いでいたんので、お見せできるような写真がほとんど取れませんでした、、、。

ホッキョクグマがいたプールなので、流氷をイメージした作りになっていた。
もっとじっくり見たかったが、大きな水槽なので観察するのが難しかった。

ちなみに公式HPでの情報によれば、2021年4月時点ではゴマフアザラシは5頭いるようです。

アニマルアクションはみんな笑顔になること間違いなし!

「アニマルランド」で行われる「アニマルアクション」というプログラムでは、アシカをはじめたくさんの動物のパフォーマンスを見ることができます。

アナウンスを合図にパフォーマンスが開始する。

他の施設ではイルカ・アシカショーの合間にバードショーが行われることもありますが、ここでは10種近くの生き物が入れ替わり出てきてパフォーマンスをします。

色んな生き物が入れ替わりで登場する。
なんとペンギンも登場!



中でもカリフォルニアアシカは出演時間が長く、輪投げなど道具を使った種目も見せてくれました。

立派なオスのカリフォルニアアシカが登場した。


最初に紹介した水槽での公開給餌や餌やり体験などは普段行われてないようなので、このプログラムは必ず見るようにしましょう!

こんなところにもアシカが、、、!?

遊園地エリアで行われていた水かけイベントにちょこっとだけ参加しました。

イベントで大盛り上がりの人混みのなか、なんとここにもカリフォルニアアシカが!

水かけイベントのど真ん中にアシカがいる、、、!?
人混みをまったく気にしないカリフォルニアアシカ



全く動じてなかったです。
当たり前なんですが、いきなりこんな環境に生き物を連れて行くのはまず無理です。
普段からの接し方やトレーニングをと通して、新しい環境や刺激に慣れてもらう必要があります。
野生動物のひれあし類はとても警戒心が強い(種にもよりますが)ので、こんなに落ち着いていられるのは、アドベンチャーワールドの飼育技術の高さを目の当たりにしたと思いました。

治療用の部屋が公開されていた。設備が充実しており、飼育技術の高さを垣間見ることができた。



ひれあしグッズもたくさん!

グッズショップも見ていきます。
一番多いのはパンダ関連グッズでしたが、しっかりとひれあしグッズもありました。

写真左のペンケースは何と赤ちゃんアザラシケースとセットになっている。右はクールタオル。
カリフォルニアアシカとゴマフアザラシのステッカーもあった。



個人的に一番おすすめなのはアザラシのイラストが描かれたクールタオルです!
夏の時期に取材に行くときのお供にしたいと思います。

他のエリアもまわります

ひれあし類以外の展示が多い施設なので、時間の許す限り全体を周ってきました。
イルカショーは一番人気のプログラムで、大きな水槽をものすごい数のイルカ、クジラがジャンプします。

巨大プールをたくさんのイルカが舞う。
トレーナーとイルカの絆を大切にした内容になっていた。



水族エリア以外にも、サファリパークのように専用車で肉食獣や草食獣を見て回る「ケニア号」に乗ったり、、、

サバンナエリアでは専用車両で移動する。
車両からサバンナに生息する生き物を観察することができる



園内各地で食べられるオリジナルメニューを堪能しました。

食べるのがもったいないぐらいかわいい、パンダ肉まん

正直面積が広すぎて、全部を見ようとすると時間が足りません。
時間に余裕がある方は2dayパスを購入してもいいかもしれません!
屋外施設も多いので熱中症にご注意を。
ひれあし類水槽は涼しかったですよー!

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