アザラシの赤ちゃんって真っ白で小さくて可愛らしいですよね。
たったひと月ほどしか見れない姿ですが、あの可愛さが忘れられず、白いアザラシグッズを持っている人もいるのではないのでしょうか?

生後間もないゴマフアザラシの赤ちゃん(右)と母親(左)。赤ちゃんは約1カ月白い体毛に包まれている。



では、アシカの赤ちゃんのグッズは?というかアシカの赤ちゃんってどんな見た目してるっけ?と思いませんか?
実はアシカの赤ちゃんは白くありません、今回はその理由を紹介します!

アシカも赤ちゃんの時はオトナと違う色をしている。

結論から言うと、アシカも赤ちゃんの頃は一時的に違う色の体毛をまとっています。
ただ、その色は基本黒っぽい色をしています。

生後2週間のオタリアの赤ちゃん(真ん中)とその母親(下)。



オトナも(種類にもよりますが)茶色~濃い灰色の体毛を纏っているので、一見色が同じように見えるのです。

赤ちゃんの体色は、生まれる場所が関係している!

そもそも赤ちゃんの時だけ色が違うのはなぜでしょうか?
その理由は生まれる場所にあります。
アザラシの多くは海氷上で出産、子育てをします。
赤ちゃんが独り立ちするまでの間、天敵(ホッキョクグマ、シャチ、サメなど)に見つからないようにするために、弱いコドモは周囲の色に馴染むようになっているのです。

タテゴトアザラシの赤ちゃん。真っ白な体毛は流氷上で姿を隠すのに役立っている。



アシカの多くは海岸(砂浜や岩場)で子育てをするため、周りが白くありません。
なのでコドモの色もそれに合わせた色になっているのです。

アシカは海岸で繁殖をする、写真はオーストラリアアシカ。



白くないアザラシの赤ちゃんもいる

実はアザラシの仲間の中でも、白くない赤ちゃんが生まれる種類もいます。
国内で見られる種類だと、ゼニガタアザラシです。

ゼニガタアザラシは北海道でも見ることができますが、ゴマフアザラシと違って岩礁域で出産・子育てをします。

国内の岩礁域で繁殖するゼニガタアザラシ。左がコドモで右が母親。



周囲が白くないため、赤ちゃんはオトナと同じ体色で生まれてきます。
(ちなみに胎仔は白いのですが、お母さんの体内で換毛してから生まれてきます。)

他にはゾウアザラシやズキンアザラシが白くない赤ちゃんを出産します。
それぞれが、周囲の環境に合わせた姿になっているのです。

海岸で子育てをするキタゾウアザラシの母親(左)と赤ちゃん(右)。赤ちゃんは白くない。



いかがだったでしょうか?
国内では春先にアザラシの赤ちゃんラッシュがありますので、タイミングを合わせて見に行って見てくださいね!
国内で見れるアザラシはこちらをチェック!↓