ここで会えたひれあし類

今回は会えなかったひれあし類

今回は8月上旬に訪問した山形県・加茂水族館の紹介をします。
主な目的は、2022年6月まで飼育されていたキタゾウアザラシの「なおみ」のその後や現在の展示を見ることです。

先に「なおみ」の紹介をしますと、2017年に海岸に漂着していたところを加茂水族館に保護されたキタゾウアザラシのメスです。

ゾウのように長い鼻が名前の由来。ただしメスはそこまで出ていない。

キタゾウアザラシは本来アメリカ西海岸に生息していて、日本ではたった3例しか保護事例がない非常に珍しいアザラシです。

キタゾウアザラシの生態についても紹介していますので、ぜひご覧ください。

アザラシだけど、かわいくない、でもやっぱりかわいいゾウアザラシらしい魅力を見せてくれた「なおみ」でしたが、残念ながら2022年に死亡しました。(国立科学博物館で行われた剖検の結果、死因は腎結石だったそうです。)

日本に来ること自体がめずらしく、また飼育記録も少ないキタゾウアザラシの治療&飼育はとても大変だったと思います。

前回に引き続いて追悼会のようになってしまうのですが、「なおみ」の軌跡を振り返りつつ、現在の展示を紹介してきます。

世界一のクラゲ水族館

山形県鶴岡市にある加茂水族館は「世界一のクラゲ水族館」と言われて、その名の通り国内外で集めたクラゲの展示を行っています。
その姿を見るために年間50万人以上の人が訪れています

入口からすでにクラゲが。

最短で「ひれあしプール」へ

加茂水族館は来訪時コロナ対策で一方通行になっていました。
そのため最奥にいるひれあし類を見るためには順路通りに進んでいきます。
トレーニング(ホイッスル)の音が聞こえたので、早く行きたい気持ちを抑えつつ入館します。

チケットもクラゲ、その先にいるひれあしを目指すのだ!


加茂水族館は順路がクネクネとした形になっているので、水槽を見ながら行くと時間がかかります。
実は水槽と反対の壁側にはショートカット用の通路があるので、そこを進むとあっという間に奥に進めます。

魚の展示も充実しているが、まだ立ち止まってはいけない。


途中から加茂水族館のメイン水槽である、超巨大クラゲ水槽もありますが、とりあえず無視して進みます。

超巨大なクラゲ水槽も後回しします。


出口付近の屋外エリアがひれあしプールです!

「なおみ」がいたプールは今

まずは過去に「なおみ」がいたプールへ。
プール横のパネルには、まだ「なおみ」の保護時や飼育中の様子が紹介されていました。

当時の様子が写真で紹介されています。



この水槽には、カリフォルニアアシカのメスがいました。
「なおみ」用に付けた延長ガラスも、「なおみ」が付けたガラスの傷跡もそのままです。

上のアクリルは後から付けたもの。今はアシカがゆったりと泳いでいた。
2018年訪問時の「なおみ」とももこんちょ。あまりにはしゃいでいたので、知り合いのスタッフさんに見つかってしまった(笑)


となりの水槽にもカリフォルニアアシカがいましたが、こちらは比較的若い個体のようで、1頭は海外からやってきてました。

以前はゴマフアザラシがいた水槽にも、カリフォルニアアシカがいた。


カリフォルニアアシカは海外からの搬入はほとんどできない状態なので、めずらしいですね。
世界中にクラゲネットワークをもつ加茂水族館だからこそ、できるのかもしれません。
自然光がさす水中を優雅に泳いでいるアシカはとってもきれいでした。

朝はきらっきらの水中を泳ぐアシカに会える。


しばらく経つとこちらにも日光が差してきて…ここからは我慢比べです(暑い)
100均で購入したミニ扇風機(700円)で頭を冷やしつつ待っていると、手前の岩の上で休んでいる様子も見ることができました!

いいアングルだが、時間が経つとプール側が日影になる。


水槽の壁や上陸場は全体が擬岩で覆われているので自然な印象を受けます。

また、ショープール横の予備室にはオス個体がいました(繁殖隔離かな?)。

立派なオスが休んでいました。


ちょうど繁殖期に行ったので、アシカの給餌解説はお休みとのことでした。

予備室付近にはアシカとアザラシの標本を観察できるブースが!
爪が入ってました!かゆいところに手が届くような、素晴らしい解説ですね。

ゴマフアザラシも多い!

ショープールにはアザラシ達がたくさん泳いでいました!

ゴマフアザラシ大集合!
全部で9個体飼育しているらしい。すごい。


数多いですね(汗)
加茂水族館ってクラゲ水族館で押してますが、正直ひれあし類の数も飼育スペースも段違いなんですよ。
陰ひなたに咲く花的な存在ですが、意外性もあるのでもっと推してほしい。

のんびりとしたアザラシも魅力的じゃないですか。

プール前のガラスは二重になっていて、高さによっては撮影しにくいです。
解説プログラムが始まる前に、ベストポジションを決めておきましょう。
泳いだり陸で休んだりと、いろんな場所でいろんなことをしてるアザラシ達、どこを見ればいいのかわからなくなったので、とりあえずヤマ勘で奥の方の階段に座ることにしました。

水浴びアザラシ。陸も水も得意なアザラシらしい姿です。
水中でも休んでいる様子が見られました。

解説はゆるっとです

いざプログラムが始まると、プールの両端でアザラシに給餌しながら説明してくれたので、割とどこでも大丈夫そうでした。
1頭にずっと種目をやってもらうのではなく、どんどん給餌しながら説明をしていくタイプです。

こちらにアザラシを向けた状態で、健康チェックをしていました。とても見やすいです!

アシカは出ないと聞いてましたが、最後に「アシカにも来てもらいます。出てかもしれないので、あまり期待せずに見守ってください」とアナウンスが。
いやいや、期待しかないです、祈りまくります、無理はしなくていいけど、超絶見たいですよね!
と、待っていたらするっと出てきてくれました!

で、でたー!発情期のアシカはとても行動が不安定なので、他の施設でもショーに出ないことががあります。

ありがとう!ありがとう!
立派なオスのアシカです。アザラシ達がうじゃうじゃいるプールの中も全く気にせず泳ぎます。

アシカとアザラシ。普段から慣らさないとできないので、加茂水族館の取り組みの良さが伝わってくる。


こういう混泳展示をあっさりやっているのが、加茂水族館のすごいところ。
目の前でアザラシとアシカを見ながら、それぞれ特徴を説明してくれました。
よくある解説のテーマですが、実物が目の前にいると説得力が増しますね。

あんなに薄いアクリルの縁で倒立!美しいしなりでした。

「なおみ」グッズを入手せよ!

入口近くの売店では、今でもなおみグッズを取り扱っています。
全部可愛くてゲットしたいところですが、個人的にはこの「キーホルダー」がおすすめ。

「なおみ」の体毛入り!まだたくさんありました。


キーホルダーの中には換毛で抜け落ちた「なおみ」の体毛が入っています。

キタゾウアザラシは皮膚ごと換毛する。これは裏面で皮膚から毛根側が飛び出している。


確実に数量限定のレアもの、単純にキタゾウアザラシの毛が欲しくてまとめて購入しました(笑)
他にもエコバック、ステッカー、ピンバッチを購入しました。

このあとオンラインショップでクリアファイルも購入したことは内緒(笑)

クラゲも見に行きましょう

もう一度入口から展示を見直します。
クラゲを推していますが、前半はクラゲ以外の生き物が続きます。

サケの幼魚の群れ。地元の養殖業についても紹介されていてとても印象的だった。

「クラゲドリーム館」にはいろんな種類のクラゲがいました。

その日の展示種数も紹介されている。ものすごい数だった。
一番きれいだと思ったクラゲ。名前を忘れてしまった汗

一番メインのクラゲ水槽にも行きましたが、この頃には人だかりが、、、汗
しまった、朝一の通りがてら撮れば人が少なくて良かったと反省。

色も形も様々なクラゲの仲間が展示されていた。

お昼は館内のレストランで食べました。
ここは少しお高めなんですが、料理研究家のホントのシェフが地魚で作った料理を堪能できるのでおすすめです。

クラゲを使ったメニューもあったが、今回は魚料理にした。

いかがだったでしょうか?

キタゾウアザラシはいなくなってしまいましたが、相変わらずアシカもアザラシも数が多くて充実した展示でした。
ぜひ皆さんも世界一のクラゲ水族館のひれあし類に会いに行ってくださいね!

動画もご覧ください!