2月上旬に静岡の伊豆・三津シーパラダイスへ行ってきました。静岡は水族館がとても多い県ですが、その中でも伊豆・三津シーパラダイスはひれあし類の飼育種数が一番多い水族館なんです!
紹介したい内容がとても多いので、2回に分けて紹介していきますよ!

日本で特に長い歴史を誇る水族館

伊豆・三津シーパラダイスは1930年開業の水族館で、現存の水族館としては2番目に古い施設です。日本で初めてイルカの展示を始め、過去にはシャチやミンククジラの飼育をしたこともあります。
ひれあし類については、水産庁と共同で飼育研究を長年行った実績もあり、その貴重なデータは現在のひれあし類の飼育に大きく貢献しました。

ひれあし類はなんと5種類も!

の5種をみることができます。すべての科を見ることができる施設は全国でも10カ所に満たないので、とても貴重な施設なのです!

今回はまず、キタオットセイ、カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシが暮らす「自然飼育場」について紹介します。

貴重なキタオットセイに会える!

一番おすすめなのは、やはりキタオットセイです!

全国の水族館で一番飼育している個体数が多い
全国の水族館で一番飼育している個体数が多い

キタオットセイは秋~初夏までに日本周辺に回遊する種類なので、実は北海道など一部の地域では船から見ることができます。

伊豆・三津シーパラダイスでは自然の入り江を利用した開放的なエリアで飼育していて、海でゆったりと泳いだり、陸場で集まって休息したりする様子を近くで観察できます。ガラスで仕切られていないのでキタオットセイの独特な香りまで堪能することができます(笑)

こんな美しい姿も見ることができる。
こんな美しい姿も見ることができる。

キタオットセイの飼育園館が少ない理由

キタオットセイは50年近く前までは、上質な毛皮を取るために世界中で乱獲が行われ、日本も同様に各地で狩猟が行われていました。一時は世界中で個体数が激減したため、現在ではラッコ同様に捕獲が禁止されています。そのため水族館ではほとんど見ることができません。

高密度に生えそろった毛皮は、ラッコの代用品として利用されていた。
高密度に生えそろった毛皮は、ラッコの代用品として利用されていた。

1950年代からは、キタオットセイを安定して捕獲ができるように(絶滅しないように)、水産庁が全国の水族館に委託して、飼育研究を始めました。その1つが伊豆・三津シーパラダイスで、1978年から飼育を始めたそうです。当時は全国5園館で飼育されていましたが、その後飼育園館が減少。一時は伊豆・三津シーパラダイスだけになりました。

自然飼育場の近くには「オットセイ研究飼育舎」がある。ここでさまざまな研究が行われたのだろうか、、、。
自然飼育場の近くには「オットセイ研究飼育舎」がある。長い研究の歴史が滲み出ている。

現在キタオットセイが見られる施設は4つまで増えましたが、その個体は全て伊豆・三津シーパラダイスから搬出されてます。
研究、繁殖が盛んに行われ、日本の飼育個体のふるさとでもある伊豆・三津シーパラダイスは、まさにキタオットセイの聖地なのです。

キタオットセイは雌雄で体の大きさが違う(小さいほうがメス、大きい方がオス)のでぜひ探してみてほしい。
キタオットセイは雌雄で体の大きさが違う(小さいほうがメス、大きい方がオス)。

ゴマフアザラシとカリフォルニアアシカも同居している

キタオットセイが暮らす自然飼育場には、ゴマフアザラシとカリフォルニアアシカも見ることができます。そのため、アザラシとアシカの違いや、アシカとオットセイの違いをじっくりと観察することができます。

キタオットセイ
キタオットセイ
カリフォルニアアシカ
カリフォルニアアシカ
ゴマフアザラシ

エサを食べる場所は種によって決まっていて、時間になると各々の場所に集結します。

キタオットセイの給餌風景。大きなサバを丸呑みしていた。

また自然飼育場では数量限定でエサやり体験もできます。キタオットセイにエサをあげられるのは全国でもここだけです!ぜひエサをあげながら生き物たちのことを観察してみてくださいね。

中にはアジが2匹入っていた。数量限定なのでご注意を!
中にはアジが2匹入っていた。数量限定なのでご注意を!

まとめ

今回はキタオットセイ、カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシが暮らす自然飼育場を中心に紹介しました!
自然の海を泳ぐひれあし類はとても美しかったです、、、。特にキタオットセイは他の施設と比べてダントツで飼育個体数が多く、見ごたえがありました。
次回は別のエリアにいるひれあし類を紹介しますので、お楽しみに!