アザラシ、アシカ、セイウチの情報を紹介

こんちょ (3ページ目 (4ページ中))

ピア39のカリフォルニアアシカ

観光名所にアシカが!?

今回紹介するのは、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコにある、ピア39で暮らすカリフォルニアアシカです。

サンフランシスコのシンボルである、ゴールデンゲートブリッジ。

野生のひれあし類を見るには、日本ではほとんどが真冬の北海道です。
とても辛いですよね…。

ですがピア39はおしゃれな観光地で、気候も本州とあまり変わりません。
そんなところでたくさんのアシカを目の前で見ることができます!
早速紹介していきましょう!

サンフランシスコのピア39

場所はサンフランシスコ最大の観光地でもある「フィッシャーマンズワーフ」の中にある「ピア39」です。

ピア39は水族館、アトラクション、クルーズなど観光客が1日中楽しめるエリアとなっています。
そのエリアの奥にある港の桟橋にカリフォルニアアシカが集まります。

ピア39はサンフランシスコ観光では外せない場所。
ピア39のKドックというポイントでアシカを見ることができる。

アシカをゆっくり観察しよう

早速アシカがいます!

イカダの上はアシカだらけ、、、!
私のプロフィール写真もここで撮影したもの。なんともいえない表情がたまらない。

ここでは1年中カリフォルニアアシカを見ることができますが、個体数は年や季節などで大きく変動するようです。
多い時には2009年11月に1701頭という史上最高の記録が残っています。

私は今までに1月と12月の2回訪問したことがありますが、全く見れなかったことはありませんでした。
時間によって数が変わるので、買い物をしながら何度も様子を見ていました。

場所を取り合って小競り合いすることも。
ケンカをする割にはくっついて休んでいる。
当サイトのバーナーに使っているこの写真もピア39で撮影した。艶やかな毛皮が美しい。

初夏には成熟個体が繁殖のためにチャンネル諸島などの繁殖地に移動します。
そのためピア39で見れる数が減ってしまうので、冬に行くのがおすすめです!

訪問したのは1月と12月。数が少ない日はあったが、全くいない日はなかった。

ピア39にアシカが集まるようになったのは1989年。
当時サンフランシスコで起きた大地震で港内に避難してきたのがきっかけともいわれてますが、詳細は不明です。
ピア39周辺にはエサとなる魚が多く、天敵のサメなどが入ってこれないことが、アシカが集まり続ける要因になっています。

港の中をアシカがゆったりと泳ぐ。

アメリカでは「海棲哺乳類保護法」によって、エサやりや捕獲、船や人がアシカに嫌がらせをすることは禁止されています。

昔はピア39には今よりたくさんの船が停泊していたそうです。
1995年以降はアシカに場所を譲って他の場所に停泊するようになりました。

現在でも港に船はあるが、アシカはあまり気にしてなさそうだった。

サンフランシスコ市の近くにある「The Marine Mammal Center」では、弱ったひれあし類の保護・治療が行われています。

腹に傷を負ったアシカ。傷は古くそこまで痩せてないが、必要になれば保護されるだろう。

ピア39公式HPではライブカメラで現地のアシカを見ることができます(ただし時差に注意!)。

ピア39の写真や動画

アシカ以外にも見どころが満載!

ピア39をはじめとしたフィッシャーマンズワーフにはシーフードレストランやお土産店が立ち並び、一日中遊ぶことができます。

アシカ以外にも楽しめる場所が多いので、事前に計画を立てて行こう。
フィッシャーマンズワーフのシンボルにもなっているダンジネスクラブ。日本では食べることができない逸品。
酸味のある特製パンに入ったクラムチャウダーは絶品、ぜひとも食べてほしい。
ピア39の目の前には脱走不可能といわれたアルカトラズ島がある。ここも観光船で行くことができる。

ひれあし類はいませんが、「Aquarium of the Bay」という水族館もあります。
ここではサンフランシスコ周辺に生息する生き物を見ることができます。
日本では激レアな生き物も見ることができますのでおすすめです。

規模はそこまで大きくないので、時間が余ったときにおすすめの場所。
日本とは違った自然を垣間見ることができる。
日本ではほぼ見られないカリフォルニアドチザメ。

サンフランシスコは日本から直行便も出ていてとても行きやすい場所です。
ぜひ一度遊びに行って、野生のアシカに会いに行ってくださいね!

『世界で一番美しいアシカ・アザラシ図鑑』は写真も内容も盛り沢山!

今回紹介する書籍は、当サイトでひれあし類の生態を紹介する際よく参考にさせていただいてる本『世界で一番美しいアシカ・アザラシ図鑑』です。

この本の魅力

 写真が息を呑むほど美しい
 全てのひれあし類が載っており、地域ごとに詳しく紹介
 ひれあし類の現状に関する最新の知見が盛りだくさん!

写真が息を呑むほど美しい

本のタイトルにもあるように、とにかく写真が美しいんです。この本の編著は日本人の水口博也(みなくち ひろや)さんです。
水口さんは40年にわたり世界の第一線の生物写真家として活動されています。

1年の半分は海外で取材をされているそうで、ひれあし類以外にも鯨類やペンギンなどさまざまな野生生物を撮影されています。近年は環境問題にも関連して北極や南極での取材も行っているそうです。生き物業界ではまさに生きるレジェンドと言えます。

この図鑑も水口さんが実際に現地で撮影したひれあしの写真がたくさん掲載されているんです。

海と陸の世界を巧みに生きるひれあし類の美しさがその1枚1枚で表現されています。水中の写真もたくさんあり、中には北極や南極などの極寒の海で撮影されたものも、、、並大抵の人には立ち入ることすらできないですよね。

アザラシといえば「かわいい」イメージがありますが、彼らは間違いなく野生動物で、命を懸けた暮らしをしています。そんなひれあし類の逞しさや美しさが伝わってくる写真ばかりです。

そんな水口さんの魂が込められた写真を見るだけでひれあし類が好きになること間違いなしです!
水口さんの最近の書籍は、「Earth Scene水口博也のサイト」  からご覧いただけます。

全てのひれあし類が載っており、地域ごとに詳しく紹介

魚や虫、鳥などの生き物の図鑑では、実際は全ての種類が記載されていないことが多いです。種類が多すぎたり、資料が足りなかったりと理由は様々です。

ですがこの本では世界中に暮らすひれあし類が全て掲載されています。しかもそれらが「北極海」、「東部太平洋」など各海域ごとに紹介されています。各章を見るだけでも、どこにどんなひれあし類がいるのかが分かるようになっています。

違う海域で見れる場合は同じ種でも各章で再度紹介されています。海域によっては同じ種類でも生態や外見が少しずつ違うので、その詳細を美しい写真で知ることができます。

ひれあし類の現状に関する最新の知見が盛りだくさん!

この本ではそれぞれのひれあし類の生態以外にも、進化や汚染物質など各分野の専門家による解説がコラムとして載っています。

例えばひれあし類の祖先はどこで生まれていつ世界中に広がっていったのか?アザラシやアシカの祖先は同じなのか?といった疑問について詳しく紹介されています。引用文献も載っているので、もっと興味がある方は本からさらに論文へ辿っていくのも面白いかと思います!

図書出版 創元社の公式TwitterとYoutubeでも本の内容を詳しく紹介しています!



アシカやアザラシについて詳しくなりたい、最初に買う本はどれかわからない、、、という方にはぜひ『世界で一番美しいアシカ・アザラシ図鑑』をお勧めします!

【マリンワールド海の中道】
「うみなかCUBE」は必見!

九州の海を再現した大規模な水族館

マリンワールド海の中道は福岡県福岡市にある大型の水族館で、「九州の海」をメインテーマに350種3万点の生き物を展示しています。年間約94万人が利用している超人気水族館の1つなんです!(全国の水族館ではTop10ぐらい)

水族館の外観。コンサート会場のようなインパクトがあった。
水族館の外観。コンサート会場のようなインパクトがあった。


2017年に大規模なリニューアルを行い、より地元に特化した素晴らしい展示が増えました。大人も子供も楽しめる魅力たっぷりの水族館となっています。

玄界灘を再現した水槽では、荒波の中をたくましく生きる魚を見ることができる。

ひれあし類は全部で2種類

マリンワールド海の中道ではカリフォルニアアシカゴマフアザラシの2種類を見ることができました。

カリフォルニアアシカ
ゴマフアザラシ

うみなかCUBEでアザラシに囲まれよう

ひれあし類が見られるのは、1階の屋外エリアにある「かいじゅうアイランド」です。ここでは陸場と水中の両方からゴマフアザラシとカリフォルニアアシカを観察することができます。

来訪時はあいにくの雨だったが、屋根があるので安心して見ることができた。


水中観覧エリアは「うみなかCUBE(キューブ)」と呼ばれる部屋になっていて、足元、側面、頭上も全てガラス張りになっているのでまるで水槽の中に入り込んだような雰囲気を味わえます。

うみなかCUBEの風景。幻想的な空間になっている。


真ん中にある柱の水槽は、上下からアザラシが出入りできるようになっています。かなり好奇心旺盛な個体がいたので、追いかけっこをしているうちに柱の中に入ってくれました。

人が歩いたり手を振ると付いてきた。ひと時だけアザラシを独り占めできる。


水中は白い階段状の床が広がっていましたが、陸上は岩場を再現した雰囲気になっています。2つのプールに分かれていてゴマフアザラシ&カリフォルニアアシカ(メス)と、カリフォルニアアシカ(オス)がそれぞれ展示されていました。

トレーナーが出入りするドアをしきりに気にするアザラシとアシカ
カリフォルニアアシカのメス。すっきりとした顔立ちが印象的だった。
給餌中はトレーナーがアザラシの体を触って健康状態を確かめたり、目薬をしていた。


オスのカリフォルニアアシカは1頭だけで飼育されていました。

オスはメスよりも体が大きいのでよく目立つ。


立派な頭のコブはオトナの証。頻繁に上陸していたので、じっくり観察することができました。

メスと違って、オスの頭には大きなコブがある。


マリンワールド海の中道では過去にアシカの赤ちゃんが生まれたこともあるので、時期によっては一緒に飼育しているのかもしれません。

プール隣には飼育個体の紹介パネルが張ってあった。その隣にあるパネルではゴマフアザラシを「Harbor Seal」と表記していたが、正しくは「Spotted Seal」か「Largha Seal」である。


残念ながら来訪した時には売り切れていましたが、有料でアシカやアザラシに餌やり体験もできるそうです。

購入したエサは給餌用の穴から投入して与えることができる。

ショーにはカリフォルニアアシカが登場!

毎日開催されているイルカ・アシカショーではカリフォルニアアシカが登場します。ボールバランスなど、アシカらしい器用な種目を披露していました。

背景に地元の美しい海を見ることができるショープール。
アザラシと違い、アシカは前肢が発達しているので倒立ができる。

マリンワールド海の中道の様子はYoutubeでも紹介しています。

ひれあし類以外のみどころ

マリンワールド海の中道は九州近海で見られる生き物を多く展示しています。
外洋大水槽では巨大な「シロワニ」というサメがひと際目を引きます。

恐ろしい顔立ちをしているが、性格は温厚なシロワニ。


沿岸域に暮らす小型のイルカ「スナメリ」は愛嬌たっぷりの動きでついつい水槽前に長居してしまいます。

まるで微笑んでいるような顔立ちをしているので、とても可愛らしい。


日本では九州沿岸のみに生息する「ムツゴロウ」も見ることができます。

ムツゴロウは干潟に生息する魚で、泥に巣穴を掘って暮らしている。


1階にあるレストラン「restaurant Railly」ではイルカショープールを泳ぐイルカやクジラを見ることができます。料理は見栄えが良く、味もとても美味しかったのでお勧めです!

目の前をイルカやクジラが泳ぐ、ショー中に行くのがおすすめ。
「塩サバとキャロットラペのチャバタサンド」。サバのうま味とさっぱりしたドレッシングの組み合わせが最高だった。

セイウチとトドの違いは?

セイウチとトドって何が違うのでしょうか?どちらも水族館で見ることができるのですが、イマイチ説明はできないという人も多いと思います。今回はそんなセイウチとトドの生態について比べてみました!

外見の違い

セイウチの大きな特徴は口からはみ出すほどの大きな牙です。牙はメスもオスもどちらも持っていて、氷の上に上がる時の支えやオス同士の争いの時に役立ちます。(例外としてコドモの頃や、抜歯した個体では牙が見えないことがあります)

コドモのころは短い牙は成長とともに伸びてくる。1mを超えることもある。
コドモのころは短い牙は成長とともに伸びてくる。1mを超えることもある。

それに対してトドにも鋭い牙はありますが、口からはみ出すほどではありません。この牙は魚を咥えるときに役立ちます。

コドモのころは短い牙は成長とともに伸びてくる。1mを超えることもある。
トドの牙はセイウチよりはるかに小さい。しかし鋭いので噛まれたらひとたまりもない。

他にもセイウチには耳介(耳たぶ)がなく、目の横にある耳は穴が開いているだけになっています。

セイウチ:目の後ろにある小さな穴が耳の穴。
セイウチ:目の後ろにある小さな穴が耳の穴。

トドには小さいですが耳介があります。これはセイウチとトドを見分けるのにとても分かりやすい特徴ですね!

トド:目の後ろには小さいが耳たぶがある。
トド:目の後ろには小さいが耳たぶがある。

またセイウチにはほとんど体毛が生えていないので、肌がむき出しになっています。体は紫がかったピンク色をしていて、体温が上がるとより赤味を増します。

セイウチの顔周辺。よく見ると少し体毛が見えるが、ところどころ皮膚が露出している。
セイウチの顔周辺。よく見ると少し体毛が見えるが、ところどころ皮膚が露出している。
セイウチのオトナとコドモ。年齢によっても肌の色が違っている。
セイウチのオトナとコドモ。年齢によっても肌の色が違っている。

それに対してトドには短い体毛がたくさん生えて、オトナのオスは首の周りの毛がたてがみ状になっています。体は茶色~金色をしています。

トドの体色。体が濡れていると茶色に見える。
トドの体色。体が濡れていると茶色に見える。
トドの首周辺。びっしりと体毛が生えていて肌は見えないのが特徴。
トドの首周辺。びっしりと体毛が生えていて肌は見えないのが特徴。

生物学上の分類の違い

セイウチもトドも同じ哺乳類で、鰭脚類(ききゃくるい、ひれあしるい)というグループの仲間になります。ひれあし類には他にもアシカやアザラシも含まれます。

ひれあし類の分類図。
ひれあし類の分類図。

生息地の違い

セイウチは北極や亜北極などの特に冷たい海域に生息しています。夏にはメスやコドモは海氷に乗って生活します。

オスがコドモを踏みつぶしてしまわないように、メスとコドモは海氷上で生活する。
オスがコドモを踏みつぶしてしまわないように、メスとコドモは海氷上で生活する。

トドは北太平洋やベーリング海、オホーツク海に生息しています。セイウチと異なり、流氷を避けるように生活場所を変えています。秋~初夏までは日本周辺にも出現し、北海道の一部の地域では漁港などにも表れます。

トドの群れ。時には数十~数百頭も集まることがある。
トドの群れ。時には数十~数百頭も集まることがある。

エサの違い

セイウチの主なエサは二枚貝やゴカイなどの無脊椎動物です。砂の中に隠れたエサを、口の周りにたくさん生えているヒゲで探し出します。

セイウチはアサリなどの二枚貝などを好む。
セイウチはアサリなどの二枚貝などを好む。
牙以外にも小さい歯が生えているので、それで貝殻を砕いて中身を食べている。
牙以外にも小さい歯が生えているので、それで貝殻を砕いて中身を食べている。

トドの主なエサはマダラやイカナゴなどの魚やタコなどの頭足類です。捕らえたエサは丸呑みしますが、大きなエサは牙で抑え込んだうえで振り回してちぎって食べます。

トドは世界最大のタコであるミズダコもよく食べている。
トドは世界最大のタコであるミズダコもよく食べている。
小さい魚は丸呑みしてしまう。
小さい魚は丸呑みしてしまう。

まとめ

いかがだったでしょうか?セイウチのトドは似ているようで、その生態には様々な違いがありました。別のページでは、それぞれの詳しい生態や国内で見ることができる施設も紹介してますので、ぜひご覧ください。

【伊豆・三津シーパラダイス その②】
アシカもアザラシもセイウチも!?

前回の更新では、伊豆・三津シーパラダイスの自然飼育場で見ることができるキタオットセイ・カリフォルニアアシカ・ゴマフアザラシを紹介しました。

今回はキタオットセイ以外の伊豆・三津シーパラダイスで会えるひれあし類を紹介していきますよ!
ここではアシカ科(アシカ・オットセイ)、アザラシ科、セイウチ科を全て見ることができるので、まだまだ見どころはたくさんあるんですよ!

アシカとトドのショーは圧巻!

「ショースタジアム」ではアシカやトド、カマイルカのショーを見ることができます。順番に生き物たちが出てきて、個性的な種目を披露してくれます。

カリフォルニアアシカはしなやかな体を生かした器用な種目を披露していた。
アンバランスなラケットを吻に乗せたまま倒立もできる。

特にトドは外見からは想像できない可愛らしい一面も見せてくれました(笑)

エサを食べるときの姿はまさに「海のギャング」。
舌を出してポーズを決めていた。

オスのトドがショーに出る施設はとても少ないので、伊豆・三津シーパラダイスにお越しの際は必ず見てくださいね。

ここにもひれあし類が!?

ついつい見落としがちですが、ショースタジアムの近くでもゴマフアザラシとトドを見ることができます。

2019年に生まれたオス。ショーデビューに向けて練習中らしい。
ショープール横の建物にある窓を覗くと、、、?

特にトドはショー以外の時間はここでしか見れませんので、必ずのぞいてみてくださいね。

トドが泳ぐ様子を見ることができる。

セイウチの器用な動きにはびっくり!

館内ではセイウチを見ることができます。
「セイウチのお食事タイム」では、セイウチがエサを食べる様子とさまざまな種目を見ることができます。

飼育スタッフが手渡しでエサを渡しながら種目を披露する。
セイウチはこんな動きもできる。

時にはこんな近くまで来てくれます!

近くに来るとすごいインパクト、、、。

セイウチはよくトドと間違われてしまいますが、伊豆・三津シーパラダイスにはセイウチもトドもいますので、ぜひ解説プログラムに参加してそれぞれの特徴を見比べてくださいね。

新エリア「みとしーラボ」にはアシカの標本が!

館内2階にある売店の奥には、2022年にできた新エリア「みとしーラボ」があります。

隣が子供限定のキッズエリアなので迷ってしまうが、勇気を出して入ってみよう。

ここでは「水族館のウラがわを遊ぶ・学ぶ・ふれる」をテーマに水族館の裏方作業やその成果を見ることができます。

バックヤードの一部や水槽を支える配管の構造などが見れる。

骨格標本も展示されており、よく見るとカリフォルニアアシカの頭骨も置いてありました!

カリフォルニアアシカの頭骨。歯が黒いのは健康に長生きした証。

さすがさまざまな生き物の飼育実績をもつ水族館だけあって、ひれあし類以外の標本も充実していました。

こちらはラッコの頭骨。アシカの頭骨とは歯や下顎の大きさなどに違いがある。

かなり館内の奥にあって見落としやすいので、ご注意を!

ひれあし類以外では地元の生き物を中心とした展示

伊豆・三津シーパラダイスでは主に伊豆の海をで集めた約300種の生き物が展示されています。河川から浅瀬の海、そして深海へと生息地ごとに分かれた水槽が並んでいます。館内も深海エリアに近付くにつれ雰囲気が変わっていくのでまるで海を探検したような気持ちになります。

最初は淡水エリアで河川の水底が再現されていた。
だんだん深海へと近づいていくにつれ水槽の雰囲気も変わってきた。
伊豆の目の前には日本一深い駿河湾があるので、さまざまな水深の生き物が展示されていた。
一番奥の水槽では深海に棲むタカアシガニが展示されていた。

特にクラゲのエリアは鏡張りになっていて、クラゲの世界に入り込むことができます。写真もとても撮りやすかったです。

ミズクラゲの細かい模様まではっきりと観察できた。

建物の外にはカワウソやフクロウもいました。

コロコロと動きや表情を変えるカワウソは、やはりここでも人気だった。

そして入り江を利用したプールでは、マダイやブリなどよく食用になる魚が展示されていました。水族館の外に見える生け簀では実際に養殖がおこなわれているため、それを再現しているそうです。ガチャガチャで購入したエサをあげることもできますよ!

地元の養殖風景を再現している。実際にエサやりができるのも面白い。

イルカはバンドウイルカとカマイルカの2種類が展示されており、特にバンドウイルカは入り江を利用したプールでショーを見ることもできます。

こちらの様子を観察しに来ていた。
カマイルカはアシカ・トドのショーにも出ていた。

まとめ

いかがだったでしょうか?
静岡県にはさまざまな水族館がありますが、その中でも伊豆・三津シーパラダイスはひれあし類の展示種数がダントツで多く、珍しいキタオットセイにも会うことができます。
そんなひれあし類のパラダイス、伊豆・三津シーパラダイスにぜひ遊びに行ってくださいね!

【伊豆・三津シーパラダイス その①】
キタオットセイの聖地へ突入!

2月上旬に静岡の伊豆・三津シーパラダイスへ行ってきました。静岡は水族館がとても多い県ですが、その中でも伊豆・三津シーパラダイスはひれあし類の飼育種数が一番多い水族館なんです!
紹介したい内容がとても多いので、2回に分けて紹介していきますよ!

日本で特に長い歴史を誇る水族館

伊豆・三津シーパラダイスは1930年開業の水族館で、現存の水族館としては2番目に古い施設です。日本で初めてイルカの展示を始め、過去にはシャチやミンククジラの飼育をしたこともあります。
ひれあし類については、水産庁と共同で飼育研究を長年行った実績もあり、その貴重なデータは現在のひれあし類の飼育に大きく貢献しました。

ひれあし類はなんと5種類も!

の5種をみることができます。すべての科を見ることができる施設は全国でも10カ所に満たないので、とても貴重な施設なのです!

今回はまず、キタオットセイ、カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシが暮らす「自然飼育場」について紹介します。

貴重なキタオットセイに会える!

一番おすすめなのは、やはりキタオットセイです!

全国の水族館で一番飼育している個体数が多い
全国の水族館で一番飼育している個体数が多い

キタオットセイは秋~初夏までに日本周辺に回遊する種類なので、実は北海道など一部の地域では船から見ることができます。

伊豆・三津シーパラダイスでは自然の入り江を利用した開放的なエリアで飼育していて、海でゆったりと泳いだり、陸場で集まって休息したりする様子を近くで観察できます。ガラスで仕切られていないのでキタオットセイの独特な香りまで堪能することができます(笑)

こんな美しい姿も見ることができる。
こんな美しい姿も見ることができる。

キタオットセイの飼育園館が少ない理由

キタオットセイは50年近く前までは、上質な毛皮を取るために世界中で乱獲が行われ、日本も同様に各地で狩猟が行われていました。一時は世界中で個体数が激減したため、現在ではラッコ同様に捕獲が禁止されています。そのため水族館ではほとんど見ることができません。

高密度に生えそろった毛皮は、ラッコの代用品として利用されていた。
高密度に生えそろった毛皮は、ラッコの代用品として利用されていた。

1950年代からは、キタオットセイを安定して捕獲ができるように(絶滅しないように)、水産庁が全国の水族館に委託して、飼育研究を始めました。その1つが伊豆・三津シーパラダイスで、1978年から飼育を始めたそうです。当時は全国5園館で飼育されていましたが、その後飼育園館が減少。一時は伊豆・三津シーパラダイスだけになりました。

自然飼育場の近くには「オットセイ研究飼育舎」がある。ここでさまざまな研究が行われたのだろうか、、、。
自然飼育場の近くには「オットセイ研究飼育舎」がある。長い研究の歴史が滲み出ている。

現在キタオットセイが見られる施設は4つまで増えましたが、その個体は全て伊豆・三津シーパラダイスから搬出されてます。
研究、繁殖が盛んに行われ、日本の飼育個体のふるさとでもある伊豆・三津シーパラダイスは、まさにキタオットセイの聖地なのです。

キタオットセイは雌雄で体の大きさが違う(小さいほうがメス、大きい方がオス)のでぜひ探してみてほしい。
キタオットセイは雌雄で体の大きさが違う(小さいほうがメス、大きい方がオス)。

ゴマフアザラシとカリフォルニアアシカも同居している

キタオットセイが暮らす自然飼育場には、ゴマフアザラシとカリフォルニアアシカも見ることができます。そのため、アザラシとアシカの違いや、アシカとオットセイの違いをじっくりと観察することができます。

キタオットセイ
キタオットセイ
カリフォルニアアシカ
カリフォルニアアシカ
ゴマフアザラシ

エサを食べる場所は種によって決まっていて、時間になると各々の場所に集結します。

キタオットセイの給餌風景。大きなサバを丸呑みしていた。

また自然飼育場では数量限定でエサやり体験もできます。キタオットセイにエサをあげられるのは全国でもここだけです!ぜひエサをあげながら生き物たちのことを観察してみてくださいね。

中にはアジが2匹入っていた。数量限定なのでご注意を!
中にはアジが2匹入っていた。数量限定なのでご注意を!

まとめ

今回はキタオットセイ、カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシが暮らす自然飼育場を中心に紹介しました!
自然の海を泳ぐひれあし類はとても美しかったです、、、。特にキタオットセイは他の施設と比べてダントツで飼育個体数が多く、見ごたえがありました。
次回は別のエリアにいるひれあし類を紹介しますので、お楽しみに!

【海遊館】流氷の天使・ワモンアザラシに大接!?

昨年12月に大阪・海遊館に遊びに行きました!海遊館といえば、ジンベエザメ!といいたいところですが、、、私の目的は別にありました。
それは流氷の天使、ワモンアザラシ!ワモンアザラシはまさにベストオブかわいいアザラシ。みんなが想像するアザラシそのもの、そんなアザラシに大接近してきました!
ワモンアザラシ以外にも、アメリカ・モンタレー湾を再現したダイナミックな水槽も本当に素晴らしかった、、、。それでは早速紹介していきましょう!

太平洋を取り囲む自然環境をめぐる水族館

太平洋をめぐる2つの環、ひとつは環のように連なった火山帯「リング・オブ・ファイア」。もうひとつは火山活動によって作られたさまざまな自然環境に暮らす生き物たち「リング・オブ・ライフ」。
この2つの環によってできた、太平洋とそれを取り囲む自然環境と生き物たちが、海遊館のテーマとなっています。

外観からすでにビックスケール!なんと8階建てなんです。

ひれあし類は3種類

アシカ科

・カリフォルニアアシカ

アザラシ科

・ワモンアザラシ
・ゴマフアザラシ
の3種が飼育展示されています。

ワモンアザラシは必見!

海遊館の「新体感エリア」には北極圏の氷上と海中を再現したゾーンがあります。そこではワモンアザラシが飼育展示されています。

海遊館に行ったら必ず見てほしい!流氷上でも生きていけるようにたっぷりと脂肪を蓄えるため、もっちり体型になっている。

日本ではまれにワモンアザラシが漂着することはありますが、流氷上で繁殖をする種類なので岸から観察するのはかなり難しいです。そんなワモンアザラシに会える水族館は全国でも数少なく、西日本では海遊館だけとなっています!

下から観察できる場所もある。まるで流氷の下からアザラシを観察しているようだった。

ワモンアザラシはアザラシの中でも一番小さい種類で、オトナでも70kgほどにしかなりません。顔も小さくて、目は大きくて、まさに私たちがイメージするアザラシそのものではないでしょうか、、、!

手足も見た目は短いので、横から見てもまんまるとしている。
短い前足だが、よく見るとしっかりした爪が生えている。氷の上で滑らない工夫なんです。
泳いだり、上陸したと思ったら休んだり、、、とにかくいろんな表情を見せてくれました。

展示されている個体のうち1頭は、海遊館で初めて生まれたアザラシです。無事に生まれたものの、その後体調を崩したため飼育員による人工哺育で大きくなりました。

展示プールの近くには、人工哺育をしていた時の動画が流れていた。

ワモンアザラシの特徴といえばこの模様。「輪」のような模様があるので、「ワモン」と名前(和名)がつきました。写真だけだと「ゴマフアザラシ」と見分けがつかなさそうですが、よく見ると顔や体の形は全然違います。

ゴマフアザラシと違い、輪っかの模様が目立つ。

海遊館は明るい水槽で観察しやすくなっていますので、ぜひじっくり観察してみてくださいね!

アメリカ・モンタレー湾を再現した水槽が美しい

海遊館にはもう一つひれあし類が飼育展示されている水槽があります。アメリカ西海岸にある、モンタレー湾(Monterey、モントレーと呼ぶことも多いです)がテーマになっています。

現地のモンタレー湾にはカリフォルニアアシカ、ゼニガタアザラシ(ただし日本の個体と違って模様はゴマフアザラシにそっくり!)、キタオットセイ、キタゾウアザラシが生息しており、まさにひれあし類の聖地。
特にカリフォルニアアシカやゼニガタアザラシは町中でも観察できるぐらい、ヒトと共存している種類です。

港のイカダで休むカリフォルニアアシカ。この写真はモンタレーから車で2時間ほど移動したサンフランシスコで撮影。

海遊館ではそんな現地の様子を再現しており、カリフォルニアアシカとゴマフアザラシが飼育展示されています。
カリフォルニアアシカゴマフアザラシの生態は別ページでも紹介しています。)

プール内にはイカダがあり、現地と同じ風景になっている。

個人的に一番おすすめの水中を観察できるエリアです!
海遊館は面白い作りの順路になっていて、らせん状に下の階に降りていく仕組みになっています。大きな水槽を高さを変えることで、違った角度から生き物たちを観察することができます。
水面で元気よく泳ぎまわっていたアシカたちが、水中では空を飛ぶような美しい動きを見せてくれます。

巨大なアシカたちが水中を美しく舞う。
アザラシとアシカを比べながら見るのも面白いです。

実際に海に潜ったらこんな感じなんだろうか、、、と想像を掻き立ててしまします。

ひれあし類以外の展示も充実!

ひれあし類以外の水槽も多様なテーマにあわせ、さまざまな生き物を見ることができます。やっぱりメインの水槽はジンベエザメが泳ぐ大水槽。

世界最大の魚のジンベエザメが巨大水槽をゆったりと泳いでいた。

ジンベエザメ以外にも世界でここだけしか見られないイトマキエイをはじめ、太平洋に生息する約60種を見ることができます。

他にもかつてカワウソも暮らしていた日本の森を再現したエリアや、ペンギン達が暮らす南極を再現したエリアなどがあります。全部で10の地域、14の水槽で太平洋が紡ぐ自然と命を表しており、非常に満足度の高い水族館です。

海遊館の最初のエリアが日本の森。いきなり森に迷い込んだような雰囲気があった。
日本より北にある、アリューシャン列島のエリア。ここではエトピリカが展示されていた。
マンボウは傷もなくてとてもきれいな個体だった。
さまざまな命を支えるイワシも、こうして集まると圧巻。


ぜひ皆さんも太平洋の旅をしてみてはいかがでしょうか?
長い旅になりますので、お時間には余裕をもってくださいね。

九州旅行(その2:長崎ペンギン水族館)

2つ目の水族館は、長崎県長崎市にある「長崎ペンギン水族館」です。

水族館外観。早速ペンギンがお出迎えしてくれた。

名前の通りとにかくペンギン推しなので、ひれあし類はいません。ですが、ペンギンは全部でなんと9種類も見れます!(全国的には1種だけの施設も多い)

どうやら長崎は江戸時代から全国でも有数の捕鯨基地があったそうです。その船によって沢山のペンギンが長崎に持ち込まれたことが、現在の長崎ペンギン水族館の展示テーマへと繋がっています。

ひれあし類や鯨類など大型生物がいないためか、入館料は大人520円と激安でした笑

水族館に入って最初はペンギン、、、ではなくカタクチイワシ。餌になる生き物から展示するとは面白い流れですね。

イワシはペンギンだけでなく、さまざまな生き物の命を支えている。
イワシはペンギンだけでなく、さまざまな生き物の命を支えている。

少し進むと大水槽にペンギンが!この水槽では極地の寒い地域に生息する5種のペンギンを見ることができます。

水深はなんと4mもある!
水深はなんと4mもある!

大きな水槽をペンギン達が優雅に泳いでます。

なんとこの水槽、2階からも見れます。

陸場にはたくさんのペンギンが、、、。
陸場にはたくさんのペンギンが、、、。

こうやって見ると、ペンギンにもいろんな大きさや見た目があるんだなと、さまざまな発見もありました。歩いたり、泳いだりなど、いろいろな行動を見せてくれました。

こちらはキングペンギン。
こちらはキングペンギン。
キタイワトビペンギンのペア。
キタイワトビペンギンのペア。
ヒゲペンギンは日本では2施設でしか見れない貴重な種類。
ヒゲペンギンは日本では2施設でしか見れない貴重な種類。

ちょうど給餌も見ることができました。飼育員さんが1羽1羽見分けながら手渡しで魚を与えてました。2人の飼育員さんに沢山のペンギン達がワラワラとついていって、大名行列のようでした笑

1羽ずつ状態を見ながら手渡しで与えていた。
1羽ずつ状態を見ながら手渡しで与えていた。

ペンギン大水槽の後ろには地元の海を中心とした魚が展示されてました。

ペンギンがメインの水族館だが、魚の展示も多かった。
ペンギンがメインの水族館だが、魚の展示も多かった。

ペンギンの標本があるエリアではペンギンの卵や剥製が展示されてました。

後ろはコウテイペンギン、手前がキングペンギン。よく間違えられるがこうしてみると大きさが全然違う。
後ろはコウテイペンギン、手前がキングペンギン。よく間違えられるがこうしてみると大きさが全然違う。

よく見ると、ペンギンの天敵としてアザラシのイラストも(恐らくヒョウアザラシですね)。捕食シーンは動画では見たことがありますが、こんなに羽も骨もしっかりとしたペンギンを食べるなんて、ちょっと想像できないですよね。

ペンギンは天敵から逃げるためにイルカ泳ぎをすることがある。
ペンギンは天敵から逃げるためにイルカ泳ぎをすることがある。

外には温暖な地域に生息するペンギンがいます。

まるでペンギンの生息地に降り立ったような気持ちになれる。
まるでペンギンの生息地に降り立ったような気持ちになれる。

耳を澄ますとペンギンの鳴き声が聞こえてきました、独特なペンギン臭も、、、笑

館内の1番奥にいたフェアリーペンギンは、最も小型のペンギンだそうです。

フェアリーはペンギンの中で一番原始的な種類らしい。確かに顔立ちも他のペンギンとは違うような、、、?
フェアリーはペンギンの中で一番原始的な種類らしい。確かに顔立ちも他のペンギンとは違うような、、、?

来訪時は鳥インフルエンザ対策で中止していましたが、普段は館内を通ってペンギン達が外のビーチまで歩いていくイベントも行われているそうです。また機会があればイベント開催時に行きたいですね。

この道を通って、外のビーチまでペンギンが歩いていくらしい。
この道を通って、外のビーチまでペンギンが歩いていくらしい。

日本では水族館の人気者、でも野生下では時にひれあし類と命を懸けた戦いをするペンギン達。その生態を学ぶことができました!

ぜひみなさんも長崎ペンギン水族館でペンギンパラダイスをしてみてはいかがでしょうか?

九州旅行(その1:九十九島水族館 海きらら)

先日九州旅行に行きました!
大きな目的は水族館巡りと、長崎観光です。
九州なら結構あったかいでしょと思っていたら、意外と10℃きってて普通に寒かった、、、。

訪問した水族館のうち、ひれあし類がいる施設は後日「水族館紹介」で詳しく紹介したいと思ってるので、今日はひれあし類がいなかった水族館を紹介したいと思います。

1つ目は長崎県佐世保市にある「九十九島水族館 海きらら」です。

名前の通り、外観から美しい。
名前の通り、外観から美しい。

九十九島は複雑に入り組んだリアス式海岸と大小208の島々からなる海域で、その自然の美しさから「西海(さいかい)国立公園」にも指定されています。

水族館近くの展望所からの眺め。天気が良ければ五島列島まで見える。
水族館近くの展望所からの眺め。天気が良ければ五島列島まで見える。

九十九島の目の前に立つ海きららでは、九十九島周辺で見られる生き物を主に見ることができます。1番のおすすめ水槽は「九十九島湾大水槽」!海きららでは自然光が降り注ぐので水槽の輝きが飛び抜けてます。その中をイワシやサメ、エイなど120種3000匹もの生き物が混泳していて、とにかく美しいんです、、、。

目の前をたくさんの魚が泳ぐ。まるで九十九島の海に潜ったようだった。
目の前をたくさんの魚が泳ぐ。まるで九十九島の海に潜ったようだった。

他の魚に食べられないようにイワシが群れるのですが、群れの形が毎度違った形に変わります。その動きが息を呑むほど美しくて、何時間でも見てられます、、、。

この大水槽、正面から見るのもいいのですが、個人的には横にあるスリット(?)から見てほしい。1人だけすっぽり入れるので、九十九島の海を独り占めしたような満足感に浸れます。

おひとりさま九十九島ができる。
おひとりさま九十九島ができる。

大水槽の岩の隙間ではウツボ、水面付近ではヒトデやイソギンチャクが見れるなど、1つの水槽を何度でも楽しめます。そして水槽の上では魚を狙うサギも、、、笑

ときおりサギが魚を捕まえてしまう。
ときおりサギが魚を捕まえてしまう。

昔は追い払う取り組みもしてたそうですが、今では解説パネルが設置されており、すっかり水族館メンバーの仲間入りをしてました(笑)

クラゲの展示もおすすめです。

クラゲも九十九島周辺で採集したものを展示している。

最初はプラネタリウムに来たような、暗闇のエリア。そこに佇むクラゲの美しさについつい見惚れてしまいます。その隣にはクラゲラボがあって珍しいクラゲなどを見ることができました。

そして海きららといえば、やっぱりイルカのプログラム!観客席がとにかく近いので、間近にイルカが見れます。近すぎるので水飛沫にはご注意を、、、。

ここではバンドウイルカ2頭が飼育展示されている。軽快な音楽とともにさまざまな動きを見せてくれる。
ここではバンドウイルカ2頭が飼育展示されている。軽快な音楽とともにさまざまな動きを見せてくれる。

水族館の外には九十九島の紹介をするビジターセンターがあったり、九十九島を回れる遊覧船に乗ることができます。

遊覧船では約50分かけて九十九島の海を周る。
遊覧船では約50分かけて九十九島の海を周る。

ひれあし類はいませんが(長崎の海がテーマだしね)、九十九島の海の美しさを見に、ぜひ九十九島水族館海きららに遊びに行ってみてくださいね!

【アクアマリンふくしま】クラカケアザラシは世界でここだけ! (~2023年版)

命の繋がりを感じる「環境水族館」

今回紹介するのは、福島県いわき市にあるアクアマリンふくしまです。

アクアマリンふくしまの外観。ドーム型の屋根が特徴的な水族館で、館内には自然光が降り注ぐ。
アクアマリンふくしまの外観。ドーム型の屋根が特徴的な水族館で、館内には自然光が降り注ぐ。

アクアマリンふくしまは福島の海の大きな特徴である太平洋の「潮目」をテーマに、水生生物の生息環境を再現した展示により、環境保全の大切さを伝える環境水族館です。

アクアマリンふくしまのメイン水槽「潮目の海」。重なり合う2つの水槽は黒潮と親潮がぶつかり合う福島の海を再現している。
アクアマリンふくしまのメイン水槽「潮目の海」。重なり合う2つの水槽は黒潮と親潮がぶつかり合う福島の海を再現している。
メイン水槽の前には寿司処「潮目の海」がある。水槽を泳ぐ魚を見ながら魚を食べることで、水産資源の大切さを感じることができる。
メイン水槽の前には寿司処「潮目の海」がある。水槽を泳ぐ魚を見ながら魚を食べることで、水産資源の大切さを感じることができる。

飼育種数は800種を超えており、世界で唯一飼育されていているクラカケアザラシをはじめ、新種の深海生物など珍しい生き物も多く飼育されています。

日本の深海に生息する、世界最大のカニ「タカアシガニ」。アクアマリンでは生息環境の再現にもこだわっている。
日本の深海に生息する、世界最大のカニ「タカアシガニ」。アクアマリンでは生息環境の再現にもこだわっている。
1科1属1種である「ギンカガミ」。サルとヒトのような、分類学的に近い生物がいないということであり非常に珍しい生き物。体が傷つきやすいので水族館でもめったに見ることができない。
1科1属1種である「ギンカガミ」。サルとヒトのような、分類学的に近い生物がいないということであり非常に珍しい生き物。体が傷つきやすいので水族館でもめったに見ることができない。
北海道の羅臼周辺の深海に生息する「ラウスブドウエビ」。2015年に新種記載され、日本ではアクアマリンふくしまだけで見ることができる。アクアマリンふくしまではこういった新種や珍しい生き物がたびたび展示される。
北海道の羅臼周辺の深海に生息する「ラウスブドウエビ」。2015年に新種記載され、日本ではアクアマリンふくしまだけで見ることができる。アクアマリンふくしまではこういった新種や珍しい生き物がたびたび展示される。

また水生生物だけでなく、タヌキやアナグマなどの日本の森林で暮らす生き物や、熱帯性植物なども飼育されており、まさに「環境水族館」にふさわしい水族館といえます。

日本の里山で見られる生き物も展示している。写真はホンドタヌキ。
日本の里山で見られる生き物も展示している。写真はホンドタヌキ。
ユーラシアカワウソ。かつて日本にはニホンカワウソが生息していたが乱獲により絶滅してしまった。
ユーラシアカワウソ。かつて日本にはニホンカワウソが生息していたが乱獲により絶滅してしまった。
水槽の周辺に植えられている植物は本物。アクアマリンふくしまには植物担当の飼育員もいて、植物の繁殖も進めている。
水槽の周辺に植えられている植物は本物。アクアマリンふくしまには植物担当の飼育員もいて、植物の繁殖も進めている。

大人も息を呑むほどの美しい展示はもちろん、小さなお子さんも一緒に楽しめる釣りや炭火焼きなどの体験メニューも豊富で、誰でも楽しめる施設になっています。

この写真は2017年に撮影したもの。現在は新型コロナウイルス対策として現在は休止中。
購入した貝類を炭火焼きして食べることもできる。この写真は2017年に撮影したもので、現在は新型コロナウイルス対策のため休止中。

ひれあし類は4種類

アシカ科

・キタオットセイ
・トド

アザラシ科

・クラカケアザラシ
・ゴマフアザラシ
の4種が飼育展示されています。

世界で唯一会えるクラカケアザラシ

一番は何といってもクラカケアザラシです。クラカケアザラシは冬になると流氷に乗って日本周辺までやってくるので、北海道などでは漂着した個体を保護することがあります。ですが飼育はとても難しく、長期飼育ができた事例はほとんどありません。現在では世界でもここだけでしか見ることができない貴重なアザラシになります。

馬に付ける鞍(くら)の形に似た模様があるので、「クラカケアザラシ」と名前がついた。
馬に付ける鞍(くら)の形に似た模様があるので、「クラカケアザラシ」と名前がついた。
陸上では目を閉じて休んでいることが多い。なんとも愛らしい表情、、、。
陸上では目を閉じて休んでいることが多い。なんとも愛らしい表情、、、。

ゴマフアザラシと同じ水槽で見ることができます。日中は陸場で休んでいることが多いので、姿が見えないときは壁の除き窓から探してみてください。

壁の覗き窓から陸場のアザラシを観察できる。
壁の覗き窓から陸場のアザラシを観察できる。

暖かい場所は苦手なため、夏の間は展示をお休みすることがあります。来館される場合は必ず水族館のHPを確認してくださいね。

震災を乗り越えたトドとゴマフアザラシ

トドとゴマフアザラシは、2011年に発生した東日本大震災の際にはすでにアクアマリンふくしまで飼育されていました。当時大きな被害を受けたアクアマリンふくしまでは約20万匹いた飼育生物の9割が亡くなってしまいました。ゴマフアザラシとトドは全国の水族館に避難し、水族館復旧後に戻ってきました。

人より大きなトドを間近に見ることができる。
人より大きなトドを間近に見ることができる。
「海のギャング」と呼ばれているが、よく見るととても穏やかな表情をしている。
「海のギャング」と呼ばれているが、よく見るととても穏やかな表情をしている。

ゴマフアザラシは妊娠している個体もおり、初めての出産、しかも出産直前という状況での避難になってしまいました。ですが、避難先の千葉県・鴨川シーワールドで避難した翌月に無事に赤ちゃんを出産しました。さまざまな困難を乗り越えたゴマフアザラシにもぜひ会いに行ってくださいね。

避難先から戻ったアザラシ達は、アクアマリンふくしまに戻っても繁殖に成功している。
避難先から戻ったアザラシ達は、アクアマリンふくしまに戻っても繁殖に成功している。
2017年に撮影したゴマフアザラシとトドのフィーディングタイムの映像

新メンバーのキタオットセイも必見!

クラカケアザラシやトドが飼育展示されているエリアから離れた「アクアマリンえっぐ」では、2021年からキタオットセイの展示を行っています。

キタオットセイが見られるのは全国でも4施設と、かなり貴重な生き物なのだ。
キタオットセイが見られるのは全国でも4施設と、かなり貴重な生き物なのだ。

キタオットセイはかつてその上質な毛皮を取るために乱獲されたことから、現在は法律によって捕獲が禁止されている種類です。そのため日本の水族館ではかなり展示施設は少なく、かつ水槽越しに近くで見られるというのはとても貴重なのです!

オットセイを見ているとき、オットセイもこちらを見ている。
オットセイを見ているとき、オットセイもこちらを見ている。

アクアマリンふくしまではオス1個体、メス1個体を展示しています。キタオットセイはオス・メスで見た目がかなり違う種類なので、ぜひじっくり観察してみてくださいね。

まとめ

アクアマリンふくしまは4種類のひれあし類を見ることができ、クラカケアザラシやキタオットセイなど貴重な種類にも会える水族館です。ひれあし類以外にも、福島の海をはじめとしたさまざまな生き物を見ることができます。
人と生き物、海の繋がりを楽しみながら学び、体験できるアクアマリンふくしまは日本でも類を見ない水族館で、子どもから大人まで何度行っても楽しむことができます。みなさんもぜひ一度アクアマリンふくしまに遊びに行ってはいかがでしょうか?


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