アザラシ、アシカ、セイウチの情報を紹介

こんちょ (2ページ目 (4ページ中))

『世界アシカ・アザラシ観察記』を読んで

今回紹介するのは、『世界アシカ・アザラシ観察記』です。

ISBN:978-4-13-063957-6
出版社:東京大学出版
著者:水口 博也
初版出版:2023年4月5日
サイズ:四六判 242ページ
定価:6,900円+税

この本の魅力

 世界中のひれあし類の生息地の様子が目に浮かぶような文章
 海外種の現地での生態についても解説されている、学術的価値の高い情報
 世界の果てまで行った人にしか見えない、人と自然の関わり合い

2023年4月に発売された『世界アシカ・アザラシ観察記』はもう皆さん手にされたでしょうか?
この本を書かれたのは、以前紹介した『世界一美しいアシカ・アザラシ図鑑』を書かれた水口博也さんです。

『世界一美しいアシカ・アザラシ図鑑』はその名の通り美しい写真ともに、生態解説がされている良本でした。


それに対し『世界アシカ・アザラシ観察記』は水口さん自身の活動にフォーカスして、各地のアシカ・アザラシとの出会いや実際に水口さんが感じられたことを紹介した本です。

ひれあし類の生息地の様子が目に浮かぶような文章

前作の『世界一美しいアシカ・アザラシ図鑑』にもあるように、水口さんは各地のひれあし類の撮影を行ってきました。
この本では現地の地形や、景色、体感した気候などが詳細に書かれています。
ひれあし類好きにとって、一度は行って見たいひれあし類たちのふるさとですが、そのほとんどは北極や南極といった極地です。

とても簡単に行ける場所じゃないよね、、、


水口さんの細やかな言葉遣いから紡ぎだす、自然の風景はまるで私たちまで実際に見たような気持ちにさせてくれます。

現地での生態に関する学術的価値の高い情報が満載

ひれあし類たちの現地での様子や行動についても紹介されていましたが、特に目を引いたのは、同所に暮らす複数種のひれあし類の様子です。
ひれあし類は現在35種いるのですが、地域によってはほとんど同じ場所に複数種が暮らしています。

彼らがどんな暮らしをしているのか気になります!


この本では、異なった種同士がどのように関わりあって、または関わりあわないでいるのかが描かれていました。
水口さんご自身の観察によって見えてきたこと以外にも、かなりの論文(新しい論文もたくさんありました)を引用して解説されており、非常に信頼性の高い情報となっています。
なお本の最後には引用文献一覧もあったので、ひれあし類の勉強を始めたい方にも非常におすすめの一冊です。

世界の果てまで行ったから見える、今の地球の様子

個人的に非常に心惹かれたのは、今地球がどのような状態になっているのか、これからどうする必要があるのかという水口さんの思いが、本の所々で書かれていたことです。
北極の流氷や海洋ごみの様子、現地の人との交流によって見えてくる環境問題の深刻化など、世界の果てまで行った堅田から見えてくるリアルな地球の様子が伝わってきました。

私は「ひれあし類のこと知れてよかった」、「ひれあし類をもっと好きになった」、そして「ひれあし類のために自分も考えてみたい」って思いました。


ひれあし類は水と陸の世界を巧みに利用する生き物です。
それゆえに、どちらの環境も保たれないとその命を繋ぐことはできません。
自然環境の変化を大きく受けるひれあし類を見てきた水口さんの思いが、この本を通じて伝わってきたような気がしています。

コンパクトな本なので、旅のお供に持ち歩くこともできます。
ぜひ皆さんも、水口さんの言葉を通じて、ひれあし類の世界を観察してみてはいかがでしょうか?

加茂水族館
~「なおみ」を偲ぶ~

ここで会えたひれあし類

今回は会えなかったひれあし類

今回は8月上旬に訪問した山形県・加茂水族館の紹介をします。
主な目的は、2022年6月まで飼育されていたキタゾウアザラシの「なおみ」のその後や現在の展示を見ることです。

先に「なおみ」の紹介をしますと、2017年に海岸に漂着していたところを加茂水族館に保護されたキタゾウアザラシのメスです。

ゾウのように長い鼻が名前の由来。ただしメスはそこまで出ていない。

キタゾウアザラシは本来アメリカ西海岸に生息していて、日本ではたった3例しか保護事例がない非常に珍しいアザラシです。

キタゾウアザラシの生態についても紹介していますので、ぜひご覧ください。

アザラシだけど、かわいくない、でもやっぱりかわいいゾウアザラシらしい魅力を見せてくれた「なおみ」でしたが、残念ながら2022年に死亡しました。(国立科学博物館で行われた剖検の結果、死因は腎結石だったそうです。)

日本に来ること自体がめずらしく、また飼育記録も少ないキタゾウアザラシの治療&飼育はとても大変だったと思います。

前回に引き続いて追悼会のようになってしまうのですが、「なおみ」の軌跡を振り返りつつ、現在の展示を紹介してきます。

世界一のクラゲ水族館

山形県鶴岡市にある加茂水族館は「世界一のクラゲ水族館」と言われて、その名の通り国内外で集めたクラゲの展示を行っています。
その姿を見るために年間50万人以上の人が訪れています

入口からすでにクラゲが。

最短で「ひれあしプール」へ

加茂水族館は来訪時コロナ対策で一方通行になっていました。
そのため最奥にいるひれあし類を見るためには順路通りに進んでいきます。
トレーニング(ホイッスル)の音が聞こえたので、早く行きたい気持ちを抑えつつ入館します。

チケットもクラゲ、その先にいるひれあしを目指すのだ!


加茂水族館は順路がクネクネとした形になっているので、水槽を見ながら行くと時間がかかります。
実は水槽と反対の壁側にはショートカット用の通路があるので、そこを進むとあっという間に奥に進めます。

魚の展示も充実しているが、まだ立ち止まってはいけない。


途中から加茂水族館のメイン水槽である、超巨大クラゲ水槽もありますが、とりあえず無視して進みます。

超巨大なクラゲ水槽も後回しします。


出口付近の屋外エリアがひれあしプールです!

「なおみ」がいたプールは今

まずは過去に「なおみ」がいたプールへ。
プール横のパネルには、まだ「なおみ」の保護時や飼育中の様子が紹介されていました。

当時の様子が写真で紹介されています。



この水槽には、カリフォルニアアシカのメスがいました。
「なおみ」用に付けた延長ガラスも、「なおみ」が付けたガラスの傷跡もそのままです。

上のアクリルは後から付けたもの。今はアシカがゆったりと泳いでいた。
2018年訪問時の「なおみ」とももこんちょ。あまりにはしゃいでいたので、知り合いのスタッフさんに見つかってしまった(笑)


となりの水槽にもカリフォルニアアシカがいましたが、こちらは比較的若い個体のようで、1頭は海外からやってきてました。

以前はゴマフアザラシがいた水槽にも、カリフォルニアアシカがいた。


カリフォルニアアシカは海外からの搬入はほとんどできない状態なので、めずらしいですね。
世界中にクラゲネットワークをもつ加茂水族館だからこそ、できるのかもしれません。
自然光がさす水中を優雅に泳いでいるアシカはとってもきれいでした。

朝はきらっきらの水中を泳ぐアシカに会える。


しばらく経つとこちらにも日光が差してきて…ここからは我慢比べです(暑い)
100均で購入したミニ扇風機(700円)で頭を冷やしつつ待っていると、手前の岩の上で休んでいる様子も見ることができました!

いいアングルだが、時間が経つとプール側が日影になる。


水槽の壁や上陸場は全体が擬岩で覆われているので自然な印象を受けます。

また、ショープール横の予備室にはオス個体がいました(繁殖隔離かな?)。

立派なオスが休んでいました。


ちょうど繁殖期に行ったので、アシカの給餌解説はお休みとのことでした。

予備室付近にはアシカとアザラシの標本を観察できるブースが!
爪が入ってました!かゆいところに手が届くような、素晴らしい解説ですね。

ゴマフアザラシも多い!

ショープールにはアザラシ達がたくさん泳いでいました!

ゴマフアザラシ大集合!
全部で9個体飼育しているらしい。すごい。


数多いですね(汗)
加茂水族館ってクラゲ水族館で押してますが、正直ひれあし類の数も飼育スペースも段違いなんですよ。
陰ひなたに咲く花的な存在ですが、意外性もあるのでもっと推してほしい。

のんびりとしたアザラシも魅力的じゃないですか。

プール前のガラスは二重になっていて、高さによっては撮影しにくいです。
解説プログラムが始まる前に、ベストポジションを決めておきましょう。
泳いだり陸で休んだりと、いろんな場所でいろんなことをしてるアザラシ達、どこを見ればいいのかわからなくなったので、とりあえずヤマ勘で奥の方の階段に座ることにしました。

水浴びアザラシ。陸も水も得意なアザラシらしい姿です。
水中でも休んでいる様子が見られました。

解説はゆるっとです

いざプログラムが始まると、プールの両端でアザラシに給餌しながら説明してくれたので、割とどこでも大丈夫そうでした。
1頭にずっと種目をやってもらうのではなく、どんどん給餌しながら説明をしていくタイプです。

こちらにアザラシを向けた状態で、健康チェックをしていました。とても見やすいです!

アシカは出ないと聞いてましたが、最後に「アシカにも来てもらいます。出てかもしれないので、あまり期待せずに見守ってください」とアナウンスが。
いやいや、期待しかないです、祈りまくります、無理はしなくていいけど、超絶見たいですよね!
と、待っていたらするっと出てきてくれました!

で、でたー!発情期のアシカはとても行動が不安定なので、他の施設でもショーに出ないことががあります。

ありがとう!ありがとう!
立派なオスのアシカです。アザラシ達がうじゃうじゃいるプールの中も全く気にせず泳ぎます。

アシカとアザラシ。普段から慣らさないとできないので、加茂水族館の取り組みの良さが伝わってくる。


こういう混泳展示をあっさりやっているのが、加茂水族館のすごいところ。
目の前でアザラシとアシカを見ながら、それぞれ特徴を説明してくれました。
よくある解説のテーマですが、実物が目の前にいると説得力が増しますね。

あんなに薄いアクリルの縁で倒立!美しいしなりでした。

「なおみ」グッズを入手せよ!

入口近くの売店では、今でもなおみグッズを取り扱っています。
全部可愛くてゲットしたいところですが、個人的にはこの「キーホルダー」がおすすめ。

「なおみ」の体毛入り!まだたくさんありました。


キーホルダーの中には換毛で抜け落ちた「なおみ」の体毛が入っています。

キタゾウアザラシは皮膚ごと換毛する。これは裏面で皮膚から毛根側が飛び出している。


確実に数量限定のレアもの、単純にキタゾウアザラシの毛が欲しくてまとめて購入しました(笑)
他にもエコバック、ステッカー、ピンバッチを購入しました。

このあとオンラインショップでクリアファイルも購入したことは内緒(笑)

クラゲも見に行きましょう

もう一度入口から展示を見直します。
クラゲを推していますが、前半はクラゲ以外の生き物が続きます。

サケの幼魚の群れ。地元の養殖業についても紹介されていてとても印象的だった。

「クラゲドリーム館」にはいろんな種類のクラゲがいました。

その日の展示種数も紹介されている。ものすごい数だった。
一番きれいだと思ったクラゲ。名前を忘れてしまった汗

一番メインのクラゲ水槽にも行きましたが、この頃には人だかりが、、、汗
しまった、朝一の通りがてら撮れば人が少なくて良かったと反省。

色も形も様々なクラゲの仲間が展示されていた。

お昼は館内のレストランで食べました。
ここは少しお高めなんですが、料理研究家のホントのシェフが地魚で作った料理を堪能できるのでおすすめです。

クラゲを使ったメニューもあったが、今回は魚料理にした。

いかがだったでしょうか?

キタゾウアザラシはいなくなってしまいましたが、相変わらずアシカもアザラシも数が多くて充実した展示でした。
ぜひ皆さんも世界一のクラゲ水族館のひれあし類に会いに行ってくださいね!

動画もご覧ください!

アクアマリンふくしま
~「くらまる」を偲ぶ~

ここで会えたひれあし類


以前は見れたが、今回は会えなかったひれあし類

2023年7月25日に日本で唯一飼育展示されていた、クラカケアザラシの「くらまる」が死亡しました。

馬の鞍掛のような体の模様が名前の由来。オトナのオスだけはっきりと模様が出る。

クラカケアザラシの長期飼育はほとんど例がなく、そもそも保護してもすぐに死亡してしまうことが多いです。
そんなクラカケアザラシを、オトナになるまで育てたアクアマリンふくしまの技術力には本当に素晴らしいです。

今回は「くらまる」を偲びつつ、最近の展示を見るために訪問しました。

世界に誇る超水族館!

アクアマリンふくしまは福島県いわき市にある水族館で、規模、飼育技術、展示力の高さから世界に誇れる水族館です。
2018年には世界中の水族館スタッフが集まる「世界水族館会議」もアクアマリンふくしまで開催されました。
(世界水族館会議は1000人以上の業界の重鎮が集まって、これからの水族館について話し合う場です。)

外観からも偉大さが伝わってきます。

地元の生き物をはじめ、飼育が困難な珍しい生き物を多く展示しています。
クラカケアザラシもそのひとつで、日本で見られるひれあし類の中で最も飼育が難しい種とされています。
保護しても1年以内に死亡することが多く、オトナになるまで成長した事例はほとんどありませんでした。
「くらまる」も2015年6月に北海道で保護され(当時推定0歳)、その年の11月よりアクアマリンふくしまで展示されていた個体です。

最短で「くらまる」がいた場所へ行く

アクアマリンふくしまは入口から本館までの間に、日本の生き物を紹介するエリアがあります。
その奥にはカワウソも展示されていて、ほとんどの人が足を止めていますが、そのエリアには入らず真っすぐ本館に行きましょう。

入館後すぐにマップと順路が示されている。矢印通りに行くとカワウソまで吸い込まれる。
この大きな建物が本館。ここまでまっすぐ行きます。

本館に入ると、「くらまる」を偲ぶ献花台が設置されていました(訪問したのは8月上旬)。

くらまるぬいぐるみも置いてあった。

「くらまる」への感謝が胸の中に溢れさせつつ、「はっ!そういえばグッズはあるのか!?」と若干の焦りを抱きましたが、とりあえず進みます。

順路通りに「海・生命の進化」エリアに入ります。
超貴重なシーラカンスの標本とか、ハイギョとかサンショウウオがいますが、そこは見えないふりをしながらエスカレーターに乗ります。

生き物の進化について解説している素晴らしいエリアだが、今は奥に進む。

エスカレーターを上がると「ふくしまの川と沿岸」という地元の生き物を展示しているエリアに入ります。
さすがアクアマリンふくしま、開館直後に入っても完璧に掃除が完了していて全く汚れていません。

もはや森に迷い込んだような美しい展示(この写真は2017年9月に撮影)

美しい日本の河川をはじめ、汽水域や海岸を環境ごと再現した素晴らしい水槽がずらっと並んでいますが、流れる川のごとく足早に通り抜けましょう。
その先がひれあし類の展示エリアです!

突き当りのドアの向こうにひれあし類が待っている。

「くらまる」がいなくても素晴らしい展示

「北の海の海獣・海鳥」エリアには日本の北部で見られるひれあし類(ゴマフアザラシ、トド)と海鳥を展示しています。

相変わらず大きな水槽。今はここで「くらまる」が暮らしていた。

「くらまる」は向かって一番左のゴマフアザラシ水槽で暮らしていました。

在りし日の「くらまる」いつも穏やかそうな表情をしていた。

クラカケアザラシは暑さに弱いので、いつも冬季のみの展示でした。
今年の展示も5月14日で終了し、涼しいバックヤードで暮らしていたそうです。
以前バックヤードツアーに参加したことがありますが、ゴマフアザラシとは餌量や薬の量が全く違っていて、飼育の難しさを垣間見ることができました。

2017年に参加したバックヤードツアー時の写真。
バックヤードツアーではゴマフアザラシのはく製も見れてとても勉強になった。

冬季に水族館へ行っても「くらまる」は陸場にいることが多かったです。
(精神も繊細なのか、ゴマフアザラシを避けているようでした。)
水槽の陸場は高い位置にあるので、以前は見るのも難しかったです。

以前は近くだと見えないのでカメラ越しに見ていた。

ですがさすがアクアマリンふくしま、2021年の訪問時には陸場の観察窓が設置されていました。
(こんな分厚いコンクリに、あとから穴開けて窓を付けるのはお金も手間もかかったでしょう…)

3つの覗き穴と解説が追加されていた!

いやいや本当に観察しやすかったです、せっかくの観察窓を私の顔で埋めてしまいそうなぐらいじっくり見ることができました。

本当にきれいな鞍掛模様。
のびー。ときどき動く「くらまる」。
ハート形の鼻の穴が特徴的。鼻回りの骨格もゴマフアザラシと違うのが分かる。

現在ではこの水槽ではゴマフアザラシのみを見ることができます。
アクアマリンふくしまでは、ゴマフアザラシの繁殖がうまくいっていて、2021年生まれの個体も暮らしていました。

3頭のゴマフアザラシたちがゆったりと泳いでいた。

トドがきれいなんですよ

個人的にはアクアマリンふくしまのトドの展示が凄い好きです。
なんでかって、この迫力がたまらないからです!

かなりの頻度で近くまで来てくれる!
トドの大きさに驚く本人。白い服は映り込むのでもう着ないと誓う。

「北の海の海獣・海鳥」エリアは自然光が入ってくるのと(良いことなんですが)水量が多くて、写真を撮るのがちょっと難しいです。
ですが、トドは比較的簡単に撮影できます。大きいですしね。

太陽光がトドにあたってキラキラ輝いていた。

立派ですねー!
8月上旬に訪問した際には、公式グッズのモデルにもなっているオスの「イチロー」はいませんでした。
残念ながら訪問直後に「イチロー」とメスのトド「フク」が高齢で死亡したと公表されました。
立派なトドだったのでとても残念ですが、アクアマリンふくしまのトドの血筋もしっかりと他園館に受け継がれてます。
過去に紹介した「人の言葉が分かるトド」こと、城崎マリンワールドの「ハマ」は、「イチロー」と「フク」の子になります。

城崎マリンワールドには実はまだ訪問できてないので、また次の機会にしっかり紹介したいと思います。

キタオットセイにも会いに行きましょう

個人的に一番思い入れがあるひれあし類がキタオットセイなのですが、アクアマリンふくしまでも見ることができます(見れるのは国内で4か所のみ)。
キタオットセイは「子ども体験館 アクアマリンえっぐ」という離れた建物にいます。
キッズエリアかな?と思うでしょう、いやいや全然がっつり大人も楽しめますので、恐れず入ってくださいね!

隙間からちらっとオットセイが見える。(この写真は2021年12月に撮影)

秘蔵っ子だからなのか、あまり全面には見えない独特の水槽にキタオットセイはいます。
ほとんどの人が気付かないので、ちょっと悲しくもありつつも、ゆっくり観察させていただきました。

キタオットセイのオス。少し垂れた鼻が特徴的。

ここにはオスとメスのキタオットセイがいて、水中を優雅に泳ぐ姿を見ることができます。

オスは200kg近くになることもある。
メスもかなり体が大きかったが、それでも40kgほど。

ただ、理由はわからないのですが、なぜかオットセイプールの水がかなり濁っていました。
夏場だから藻が湧いているのか、大掃除前だからなのか、、、汗?
ひれあし類は魚ほど水質には厳しくはないので、問題ないと思います。
時間が足りなくて給餌を見ることができなかったのが心残りですが、それは次の機会にします。

グッズが過去最高に熱かった!

ひれあし類の展示も見たので、とりあえずグッズを見に行きます。
ショップは本館1階と入口にあります。
今回購入したものがこちらです!

悩みに悩んで、選ばれた先鋭達。


まずは「くらまる」Tシャツ。
なぜかTシャツの素材がサイズによって違いました。
MとLはさらさらしたポリエステル製、Sだけ綿製でした。
スタッフさんに聞いたところ、サイズで製造会社が違っていて、今後はSサイズも他と同じ素材にするそうです(ということはこれからも作る?)。

ユニセックスだから、Sサイズのほうがいいかなーと思ったのですが夏場に着にくいには嫌なので、Mサイズを購入。
実際着てみたら160cmの私でもちょうどよかったです、水族館だとしゃがんだりするので若干丈長の方が使いやすいですね。

次は「くらまる」と「イチロー」の体毛入りキーホルダー。
たくさんあったので、まとめて購入させていただきました。
クラカケアザラシとトドの体毛ですよ!正直に言うと、キーホルダーというより中身が欲しい…。

「くらまる」の換毛時に抜けた体毛を封入したキーホルダー。
トドの「イチロー」の体毛入りキーホルダーもゲット。購入後にイチローが死亡したため遺品となってしまった。


ぎっしり瓶詰めされたものがあれば、10,000円でも買いたい(笑)
それぐらい貴重な標本をグッズ化してくれるのは本当にありがたいですね。
個体ごとに集めるのは結構大変ですからね…

最後は、悶絶!キタオットセイエコバッグ!

この灰色の体はまさにキタオットセイ!もちろんアクアマリンふくしまオリジナル。

衝撃でした、まさかキタオットセイのグッズを作ってくれたなんて。
現在キタオットセイを展示している施設では、アクアマリンふくしまが一番最後なんですが、キタオットセイのグッズはここが初めてですね!
「アシカ」とか「オットセイ」って書いてあるグッズはたくさんありますが、これは完全にキタオットセイです。

顔に袋を収納するタイプ。よく見るとちゃんと吻の形まで描かれている!

ありがとう!アクアマリンふくしま!ありがとう!
売り場で思わず拍手しながら、購入させていただきました。

「くらまる」グッズもタオルやカップなどいろいろあったので、ぜひチェックしてみてください。
一部のグッズは通信販売も行っているようです。

他の展示も見に行きます

お土産も先にゲットして一安心なので、改めて展示を見に行きました。
最初のカワウソの展示は素晴らしい作り込みでした。

自然のカワウソに出会ったかのような衝撃。

「潮目の海」大水槽はいつ見ても美しい展示で、今回は立派なイワシが目を引きました。

ふくしまの海の幸。おいしそうでした。

前回の訪問から海洋プラスチックごみの展示が増えてました。

海洋プラスチックで傷付いたキタオットセイの紹介もありました。

実際に海岸で集めた海洋プラスチックごみが展示されていた。

変な形の魚「ギンカガミ」、ようやくきれいな写真を撮ることができました。

1科1属1種しかいない珍しい魚「ギンカガミ」

「子ども体験館 アクアマリンえっぐ」に続く本館通路には、トドのはく製もありました!

トドを近くで見れる。ポーズがなかなかにセクシー(?)

いかがだったでしょうか?
「くらまる」の死亡をもって、国内でのクラカケアザラシの飼育は現在行われていません。
非常に残念なことではありますが、今回の「くらまる」の飼育記録はこれからのクラカケアザラシやひれあし類全体の飼育展示技術に活かされていくことでしょう。

動画もみてね



【鴨川シーワールド】
~世界でも超貴重なセイウチの全身骨格~

ここで会えたひれあし類

以前は見れたが、今回は会えなかったひれあし類

だいぶ前になってしいましたが、3月に千葉県・鴨川シーワールドに行ってきました。

鴨川シーワールド入口。大きなシャチのモニュメントが目立つ。

ここ数年行ってなかったので、改めて展示を見たかったのと、例の「アレ」が展示されたということで、行ってきました!
現在とは一部展示が変わっている部分もありますが、さっそく紹介していきましょう!

最短でロッキーワールドに行く

鴨川シーワールドの入り口は一つしかなく、かつ、ひれあし類がいるロッキワールドは一番奥にあります。
最短で行くには、最初の魚類エリア「エコアクアローム」には入らず、建物の左側にある外の通路を通ります。

魚類エリアも魅力的だが、出るまで時間がかかるので今はスルー。

その奥には巨大なイルカプールやシャチプールが待ち受けています。

シャチやイルカがいるエリアに吸い込まれると、長居しそうなので今はスキップ。

全国で唯一行われているシャチパフォーマンスの誘惑を振り切って、スタジアム右側の通路をひたすら進みます。

そこはひれあしパラダイス!

ここまでのすべての誘惑に打ち勝つと、そこにはひれあしパラダイスが!
以前はアシカやアザラシがいた「カリフォルニアの海」には、セイウチがいました。

セイウチ。元のプールより広い場所でゆったりと泳いでいた。
以前は陸場も擬岩で覆われてが平らになっていた。プールの作りはすっきりして見やすい。

2019年までは立派なオスのセイウチ「タック」がいましたが、残念ながら死亡してしまいました。
現在では「タック」の子供たち、そしておたる水族館生まれのメス個体が暮らしています。

後ろにいるのが在りし日の「タック」。大きな体と牙が印象的だった。

セイウチは全国的に繁殖の実績が少ないです。
(全国で約20頭いますが、出産は年1頭ほど。他のひれあし類と違い毎年繁殖しないのも理由の一つ)
最近は全国の施設同士で頻繁に交換して血統更新を目指す流れになっているようですね。

鴨川シーワールドは日本で初めてセイウチの繁殖に成功した。
鴨川シーワールドでは過去にセイウチの人工哺育をした事例もある。

あんなに大きな生き物を移動させるだけでも本当に大変だと思います。
全国の飼育施設やスタッフさんの努力あってこそのなので、これからもセイウチが見られることを応援していきます。

以前トドがいた「千島の海」にはカリフォルニアアシカとゴマフアザラシ、ゼニガタアザラシ、ワモンアザラシがいました。

カリフォルニアアシカ。オスのコブが目立ってかっこいい。
ゼニガタアザラシ(出っ歯で可愛かった!)
ワモンアザラシ。つぶらな瞳がキュートです。

ちょうど落水清掃(プールの水を全部抜く)の日に当たったようで、スタッフさんがプール内を磨いていました。
屋外&この頭数がいるプールの掃除は大変そうですねー!

ワモンアザラシは全国でも飼育個体が少ないし、屋外で見れる場所のも頬ありません。
鴨川でも冬季しか屋外にはいないので、超貴重です!
といっても見た目はほぼゴマフ、見分けるのはちょっと難しいですね。

右奥にいるアザラシがワモンアザラシ。ちょっと肩身が狭そうに端に寄っていた。

どうやらロッキワールドは少しずつ改修工事をしているようで、各動物の展示エリアが移動&トドは展示休止になっていました。

順番に工事をしているので、一部の展示や解説を休止していた。

鴨川シーワールドのトドは本当に大きくてかっこいいから会えないのは残念、、、。

この大きさ、目力はたまりません。手元給餌しているもの凄い!

工事後のきれいなプールでまた会いましょー!
ということで、そろそろアシカパフォーマンスなのでスタジアムに向かいます。

コミカルなアシカパフォーマンス

鴨川シーワールドのアシカパフォーマンスは、数頭のアシカファミリーによるコミカルな内容になっています。
鴨川シーワールドはパフォーマンスの内容はあまり変えないスタンスなので、どの回を見ても同じシナリオを見ることができます。

パフォーマンスプール。シャチパフォーマンス後に一気に混んでくる。

とある休日のアシカファミリーの様子を描いたもので、まるで劇団のショーを見ているかのようです。

2人のトレーナーが4頭のアシカに指示を出す。個体の入れ替えがスマートなのはさすが。

トレーナーとアシカのリズムの良い掛け合い、アシカ同士の会話もあります。
もちろん全てトレーナーがその場でしゃべっています(笑)
始めてパフォーマンスを見たときは、「おおぅ、擬人化では?汗」と思うほど。
思いっきり全部喋っているので、これは鴨川流演技だということで、今ではしっくり来てます。

それぞれ「父」「母」「兄」「妹」といった役柄がある。
顔を洗って目を覚ましている(?)アシカ。コミカルな動きはアシカらしい。

最後は笑顔を拍手で終わること間違いなしです!

ポーラーアドベンチャーにもひれあし類

アシカパフォーマンスプールの観覧席の横に水中観覧エリアへの入口があります。
見落としやすいので注意してくださいね。

水中観覧エリアには、北極海と南極海を再現したエリア「ポーラーアドベンチャー」があります。
ここではワモンアザラシとアゴヒゲアザラシを見ることができました!

ワモンアザラシはゴマフアザラシより体も頭も小さいのが特徴。

アゴヒゲアザラシをこの距離で水中観覧で見れるのは、全く予想していませんでした。

アゴヒゲアザラシの特徴である、長くてたくさん生えているヒゲ。ちなみに顎から生えているわけではない。

アゴヒゲアザラシも飼育園館が少なく、有名なおたる水族館でもアゴヒゲアザラシの水中観覧はできません。

アゴヒゲアザラシとワモンアザラシの同居は珍しい。

日本周辺で見れるアザラシでは最大サイズの種になります。

ワモンアザラシはオスとメス両方いました。
屋外のプールからだと背中しか見れないので、この展示はいいですね。

オスのワモンアザラシは繁殖期になると独特の顔立ちになり、ガソリン臭を出す。


オスは繁殖期が近いので、顔がしわくちゃになっていました。

ワモンアザラシって、ゴマフアザラシよりも小っちゃくて丸くて可愛いのですが、この時期のオスだけは、「えっっっっっ!」ってなります。

ちなみにアゴヒゲアザラシはこのポーズのままほとんど動きませんでした。
アゴヒゲアザラシの特徴的な前肢はゆっくりと見ることができた。

過去には日本でここだけ、カスピカイアザラシの展示も

2023年3月時点では展示されていませんでしたが、過去にはポーラーアドベンチャーでカスピカイアザラシを見ることができました。

カスピカイアザラシ。ワモンアザラシとゴマフアザラシを合わせたような外見。

カスピカイアザラシは世界最大の湖であるカスピ海に生息しています。
野生下では個体数が減少しており、絶滅危惧種に指定されています。

以前行ったときには、求愛行動も見ることができた。

日本では鴨川シーワールドでしか見ることができないので、ぜひまた展示されることを期待しています。

世界でも数体!オスのセイウチの全身骨格!

とうとう例の「アレ」と対面する時がやってきました、、、!
ポーラーアドベンチャーには標本や解説パネルが展示されています。
なんと!ここには!超希少な!セイウチの!全身骨格が!あります!!!!

鴨川シーワールドの展示を長きにわたり支えてくれた、オスのセイウチの全身骨格。

この標本は1983年~2019年まで鴨川シーワールドで飼育展示されていたオスのセイウチ「タック」のものです。
世界中でセイウチの全身骨格はありますが、ほとんどがメスやコドモなど小さい個体だそうです。
オスで全てのパーツが揃っている標本は世界でも数体しかないらしい。
これは絶対に見てほしい!

見てくださいこのキバの長さ!

本当に立派なキバ。こうしてみると、骨とは別の組織であることが分かる。

そしてここも見てほしい、、、

そう、「陰茎骨」!!!!
この長さ、太さ、形、本当に神秘です。

世界で最も長い陰茎骨を持っているセイウチ。60センチにもなる個体もいるらしい。

見どころが多すぎる水族館です

ひれあし類だけでも十分満足できますが、鴨川シーワールドにはまだまだ見どころがたくさんあります!

なんやかんや毎回見てしまうシャチパフォーマンス。
やっぱりこの大きさ、美しさには圧倒されます。

シャチとトレーナーとの関係性が伝わってくるパフォーマンスは何度見ても飽きない。

ひれあし類の天敵なんですが、ついつい魅入ってしまいます。


個人的には、最初の魚類展示エリア「エコアクアローム」も好き。
できたのは1996年と約30年も前なのに、展示のストーリー性とか、最初にちょっと地味目は生き物を見せるという大胆さも好き。

最初の方の展示はフタも仕切りガラスもない開放的な展示。
浅瀬に生息するイカが展示されていた。
希少な水棲昆虫の展示もあった。大きな水族館でも地元の自然展示も力を入れている印象。
熱帯域の魚を展示している建物もある。こんなにも「ニ●」を見れる水族館も珍しい?

いかがだったでしょうか?
シャチが人気な水族館ですが、実はひれあし類の聖地、ぜったいにひれあ好きには行ってほしい場所です。

また鴨川シーワールドはオーストラリアアシカやバイカルアザラシの飼育実績もあるので、これからも色んな挑戦をして欲しいですね。

鴨川シーワールドは一日中いられる水族館なので、帰りのバスの時間にはお気をつけて!

動画もご覧ください!

カリフォルニア州・モントレーに暮らすゼニガタアザラシ

カリフォルニア州・モントレー市は西海岸でも特に人気の観光地なんです。
町中で野生のアザラシやアシカに会うこともできるので、今回は市街地の紹介をしていきますよ!

サンフランシスコ国際空港からバスで移動します

日本からモントレーに行くには、サンフランシスコ国際空港からバスで行くのがおすすめです。
(モントレーにも空港はありますが、日本からの直通便がありません。)
サンフランシスコ国際空港ならサンフランシスコ市街地にもすぐ行けるので、そちらを観光するにも便利だと思います。

のんびり景色を眺めながら向かおう。

バスは「モントレーシャトル」がおすすめで、事前にウェブサイトから予約・支払いしておくと安心だと思います。
シャトルの予約については、「地球の歩き方 web」さんが公開している「モントレーシャトル(Monterey Shuttle)」のページがとても参考になりました。

空港からモントレー市街へは2時間半ほどで到着します。

歩いて探索する

今回の訪問では朝一番にモントレー入りしたので、まずは朝ごはんです!
せっかくなら海が見えるところで食べたい、、、。
海岸沿いを歩いているとホテルに併設されたカフェを見つけたので、入ってみました。

海岸沿いは遊歩道になっていて、歩きやすい。
歩いているときに偶然出会ったお店に入るのも、旅行の楽しみ。

オーシャンビューのテラスでいただくコーヒーとパンがとにかくおいしくて、、、
景色も「最高」としか言いようがありません。
海に何か見えるので、朝ごはんを終えたら海岸に降りて観察します。

世界一美味しい朝ごはんだった。

ゼニガタアザラシ、アシカ、ラッコ、ペリカンに遭遇!

海岸にはジャイアントケルプが流れ着いていました。
この巨大な海藻が豊かな海を支えています。

美しい眺め。天気も最高だった。

そして海を見てみると、、、
なんと野生のラッコでした!

一瞬海藻に絡まったゴミに見えた。何か持っている?

海藻に巻き付いて休みつつ、エサを食べていました。
遠くて写真ではよくわからないですね。

恐らくカニを食べている。

写真は撮れませんでしたが、カリフォルニアアシカが魚を捕まえているのも見ることができました。

画面中央はラッコ、その奥に顔だけ出しているのがカリフォルニアアシカ。
日本では想像できないが、ここではペリカンも普通に見ることができる。

できれば双眼鏡を持参するのがいいと思います。
モントレーベイ水族館内のデッキでは、解説員が双眼鏡を貸してくれるのでそこで観察するのがいいと思います。

モントレーベイ水族館のデッキ。ここからでも野生動物を見ることができる。

運が良ければ目の前に生き物が来ることがあります。

今回の訪問ではなんとゼニガタアザラシが目の前の岩場で休んでいました。

歩いていけるぐらいの距離にアザラシがいた。

ゼニガタアザラシの英名はHarbor seal(港のアザラシ)です。
日本だと全然港にはいないのですが、こちらではヨットが停泊する港にたくさんいます。

目の前の海にはたくさんの船が停泊している。ここでは人の暮らしとアザラシが共存している。
海岸沿いの遊歩道には、ここで見られる野生動物の解説パネルもある。

日本のアザラシとは模様が違う

そして注目なのが、体の模様です。
日本ではゼニガタ(銭形)アザラシの名前の通り、体に輪っかの模様がたくさんあります。

日本で見られるゼニガタアザラシ。黒色の体色に白い輪の模様がある。

ですが、海外のゼニガタアザラシは輪っかの模様じゃない個体の方が多いそうです。
どう見てもゴマフアザラシ、、、

モントレーに暮らす野生のゼニガタアザラシ。模様だけみればゴマフアザラシと変わらない。

モントレーにはゼニガタアザラシしかいませんが、もっと北の方にはゴマフアザラシもいます。
現地の人はちゃんと見分けられるのでしょうか?
日本人の私には自信がありません、、、。

どちらも野生のゼニガタアザラシ。ここには日本と同じ銭形模様の個体もいる。

他にも観光スポットがたくさん

今回は生き物の紹介がメインでしたが、モントレー市街地は建物が美しく歩いているだけでも十分楽しめます。

会社の建物もおしゃれな街の雰囲気を作っている。
とにかく眺めがいいので、海を見ながらのんびりするのもいい。
ホエールウォッチングもおすすめ。運が良ければ陸からも見れるらしい。

シーフードが有名なので、市場を巡ったりお店で食べてみてもいいですね。

カキやカニが特に美味しかった。

今までの投稿ではアメリカの西海岸で出会ったひれあし類の紹介をしてきましたが、これが最後の投稿です。
1週間ほどアメリカに滞在して、カリフォルニアアシカ、ゼニガタアザラシ、キタゾウアザラシに出会うことができました。
また絶対に行って、みなさんにも紹介できればと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました!

アニョヌエボ州立公園のキタゾウアザラシ その②

前回はアニョヌエボ州立公園への行き方とツアーの前に出会ったキタゾウアザラシの紹介をしました。

今回は2020年1月に参加した有料のガイドツアーについて紹介していきますよ!

ツアーの集合場所に到着!

無料のエリアの海岸を離れて、ツアーの集合場所につきました。

ここはツアーのガイドさんの休憩所になっているそうです。
建物の前には骨格標本が展示されていました。

公園からの一本道を進むと集合場所があるので、迷うことはない。
アニョヌエボに生息する生き物の標本が並んでいた。早めに行って見ることをお勧めする。

ツアー客が集まるとまずはツアーの注意事項の説明がありました。
・アザラシから25フィート(約8m)離れること
・アザラシの近くで立ち止まったり、大声を出したりしないこと
・ガイドから離れないこと
・傘などの使用禁止
などいくつかありました。

ここからはのんびり立ち止まってカメラのセッティングなどはできないので、必ず準備しておきましょう。

海外なので(?)時間ぴったりには始まらない。のんびりとした気持ちで参加しよう。
説明は全て英語だが、2~3名のガイドが前後についてくれる。みんなの流れについていけば大丈夫。

海岸へ向かって歩きます

海岸に向かって歩いていきます。
道中に突然アザラシに遭遇することもあります。
縄張りを持てなかったオスは海岸を離れて砂丘の上まで来ることがあります。

ところどこと整備されているが、砂浜を歩くことも多い。転ばないように気を付けよう。
砂浜ではアザラシが休んでいる。驚かさないように進もう。

アザラシの亡骸もありました。
大きさからしてコドモでしょうか…。
海岸から離れた場所で朽ち果てていました。

ここが彼らの生きる場所で、そこに私たちが入っているのだと感じる。

海岸でアザラシの大群を観察しよう

海岸に到着しました!
海岸ではロープが張られているので安全な距離を保つことができます。
ここで数十分ほど留まってアザラシを観察します。

目の前に数えきれないほどのアザラシが集まっていた。鳴き声が響き渡る。

海岸線の近くではオスのアザラシが縄張り争いをしています。

ハーレムオスが周囲のメスに求愛していた。
メスは押しつぶされないように抵抗している。

その周辺ではメスが出産・子育てをしていました。
場所が足りないのか、メス同士で争っていることもありました。

生まれたばかりの赤ちゃんがミルクを飲んでいた。
赤ちゃんがオスに潰されて死んでしまうことも多い。メスも命がけで命を繋いでいた。

海岸線から離れたところでは静かに休んでいるアザラシがいました。

縄張り争いに参加していないオスは、離れたところで休んでいた。
死んだように眠っているが、時折動いて場所を変える。
時折可愛らしい表情を見せてくれる。

ガイドさんの説明は必聴

海岸での観察を終えるとまた砂浜を歩いていきます。
途中でガイドさんからアニョヌエボ州立公園やアザラシの生態について説明があります。

海岸線から離れて公園全体を見渡せるところに移動する。
道中にあるパネルを見ながらガイドさんが説明をしてくれる。
離れたところからでもアザラシがいるのがはっきりとわかる。

かつて絶滅の危機にあったが、保護活動のおかげで個体数が回復したこと。
しかし一度個体数が減ったアザラシは遺伝的に虚弱で、環境の変化に弱いことなどの説明がありました。
アザラシの生態についてはまだわかっていないことが多いため、現在も研究が進められているそうです。

アザラシの生活史について紹介している。全て英語だがパネルもあるので何となくわかる。
アニョヌエボでは体に印が入った個体がいる。これは各国の研究者による個体識別のためだそう。これからも生態解明に向けた研究が進むことを期待する。
解説中は換毛で抜けたアザラシの毛にも触れた。キタゾウアザラシは表皮ごと毛が抜ける。

この美しい景色と、たくましく生きるキタゾウアザラシにいつかまた会いに行きたいと思います。
ぜひ皆さんもキタゾウアザラシに会いに行ってはいかがでしょうか?

動画もあります

キタゾウアザラシの様子とツアーの紹介はYoutubeでもしているので是非ご覧ください!

アニョヌエボ州立公園のキタゾウアザラシ その①

広大な西海岸に集まるアザラシに会いに行こう!

今回紹介するのはカリフォルニア州にあるアニョヌエボ州立公園(Año Nuevo State Park)で見ることができるキタゾウアザラシです。

美しい景色と野生のキタゾウアザラシを見ることができる。
美しい景色と野生のキタゾウアザラシを見ることができる。

アニョヌエボ州立公園では換毛期と繁殖期になると何千頭ものキタゾウアザラシが集まります。
2トンを超える巨大なアザラシがひしめく様子は圧巻ですっ、、、!
ツアーに参加すると専門ガイドによる解説付きで、アザラシ達がいる海岸を歩くこともできますよ!
早速紹介していきましょう!

カリフォルニア州・アニョヌエボ州立公園

アニョヌエボ州立公園はサンフランシスコ市街地から車で南に1時間半の場所にあります。
残念ながらバスや電車などの公共交通機関はありません。

海沿いなので迷うことは少ないですが、日本とは走行車線やハンドルが逆なので運転自体に戸惑います。
大通りに面したレンタカーショップを事前に調べて、車を予約していくのをお勧めします。
また給油せずに返却できる(ガソリン満タン返し不要)のオプションもあるので、それも事前につけておくと安心です。

今回は出国前にネットで予約したレンタカーで向かった。運転する方は国際免許の発行も忘れずに。
今回は出国前にネットでレンタカーを予約した。運転する方は国際免許の発行も忘れずに。

大きな駐車場があるので、そこに車を停めます。
駐車場代は駐車時に支払ってレシートを車内の見える場所に貼っておきます。

駐車料金を支払った証明にレシートをガラスに貼っておくこと。
駐車料金を支払った証明にレシートをガラスに貼っておくこと。

まずはツアーの予約とキタゾウアザラシについて学ぼう

駐車場近くには海洋教育センター(Marine Education Center)があります。

駐車場の近くにある白い建物がMarine Education Centerなので、必ず立ち寄ろう。
駐車場の近くにある白い建物がMarine Education Centerなので、必ず立ち寄ろう。

まずここでキタゾウアザラシの観察ツアーの予約をします。
キタゾウアザラシが多く集まる12~3月は、保護区に入るのに有料ツアーに申し込まないといけません。
センター内で当日申し込みができますので、必ず申し込んでくださいね。
カリフォルニア州立公園の公式HPでは、55日前からネット上で予約もできますので、出発前に申し込んでおくのもおすすめです。

事前に申し込み、支払いをするとPDFでレシートが出てくる。印刷して持っていくと安心だ。
事前に申し込み、支払いをするとPDFでレシートが出てくる。印刷して持っていくと安心だ。

私たち(2人)が申し込んだのは15:00~のツアーで、所要時間は2時間半です。
ツアー代金は登録料を含めて10.99ドル/人(1400円ほど)です。
思ったより早く着いたので、カウンターにいるスタッフに相談したら13:30~のツアーに変更してもらえました。

ツアーの時間までに、まずはセンター内でキタゾウアザラシについて予習をしておきます。

建物の中はビジターセンターのような作りになっている。
建物の中はビジターセンターのような作りになっている。
キタゾウアザラシの頭骨。骨だけでもその大きさがうかがえる。
キタゾウアザラシの頭骨。骨だけでもその大きさがうかがえる。
キタゾウアザラシの生活史。1月はオスもメスも集まる繁殖期にあたる。
キタゾウアザラシの生活史。1月はオスもメスも集まる繁殖期にあたる。

公園内を毎日スタッフが見回りしているそうで、ホワイトボードには今日のアザラシの数や出産状況などが分かるようになっています。
私が訪問したのは2020年1月中旬でしたが、ちょうど繁殖と出産のピークで最高のタイミングでした。

オトナのオス・メス、赤ちゃん、最初の換毛をした赤ちゃんが全て見れるベストタイミングだった。
オトナのオス・メス、赤ちゃん、換毛後の赤ちゃんが全て見れるベストタイミングだった。

またお土産もセンターで購入することができます。
アニョヌエボ州立公園オリジナルグッズがたくさんありますので必ずチェックしてくださいね。
ツアーの後だとお店が閉まってしまいますので要注意!

お土産コーナーでラッコの毛皮を展示していた。もちろん非売品。
お土産コーナーでラッコの毛皮を展示していた。もちろん非売品。

無料のエリアでもアザラシが見れる

センターからツアーの集合場所までは徒歩20分ほどかかります。
かなり時間に余裕があるのではまずは道中の無料で入れる海岸を探索します。

海岸までの道は平坦で歩きやすい。事前に申し込めば車イスの人もガイド付きツアーに参加できるらしい。
海岸までの道は平坦で歩きやすい。事前に申し込めば車イスの人もガイド付きツアーに参加できるらしい。
海にはアニョヌエボ島が見える。現在は無人島になっており、アザラシやアシカ達の楽園になっている。
海にはアニョヌエボ島が見える。現在は無人島になっており、アザラシやアシカ達の楽園になっている。

ツアーの集合場所まではほぼ一本道ですが、その途中の小道から海岸に降りることができます。

小道はあまり整備されていないので、歩きやすい靴で行くことをお勧めする。
小道はあまり整備されていないので、歩きやすい靴で行くことをお勧めする。

なんとそこにはキタゾウアザラシが!!

保護区外でも少数のキタゾウアザラシが上陸するらしい。突然の出会いに感動。
保護区外でも少数のキタゾウアザラシが上陸するらしい。突然の出会いに感動。

特にガイドもいないので、個人で適切な距離を保ちながら観察します。

キタゾウアザラシとは25フィート(約8m)距離を取るように案内板が立っている。
キタゾウアザラシとは25フィート(約8m)距離を取るように案内板が立っている。
柵などは一切ないので、ルールを守って観察しよう。
柵などは一切ないので、ルールを守って観察しよう。

見ている間にもアザラシが上陸してきます。

他のアザラシも上がってきた。縄張りを持てなかったオスなのだろうか。
他のアザラシも上がってきた。縄張りを持てなかったオスなのだろうか。
すぐ近くではサーファーが海へ泳いでいた。ゾウアザラシがいる海で泳ぐとはどんな気持ちなんだろうか、、、。
すぐ近くではサーファーが海へ泳いでいた。ゾウアザラシがいる海で泳ぐとはどんな気持ちなんだろうか、、、。

オスがメスに求愛している様子も見ることができました。

近くにいたメスに迫るオス。あからさまに嫌がられていた。
近くにいたメスに迫るオス。あからさまに嫌がられていた。

長い年月をかけて形成された西海岸の絶景と、長い旅をしてたどり着いたアザラシの命の営み、、、
太平洋を渡ったここには私たちが今までに見たことない世界がありました。

休んでいるときはとても穏やかな表情。
休んでいるときはとても穏やかな表情。
大きな鼻が良く目立つ。
大きな鼻が良く目立つ。
虹がかかってますます幻想的な雰囲気になった。
虹がかかってますます幻想的な雰囲気になった。

次回はついにツアーの様子を紹介します。
写真や動画が盛りだくさんなのでぜひご覧ください!

もっとキタゾウアザラシの生態を知りたい方は、こちらもご覧ください。

『日本の鰭脚類 海に生きるアシカとアザラシ』の紹介

今回紹介するのは、『日本の鰭脚類 海に生きるアシカとアザラシ』です。

ISBN:978-4-13-060239-6
出版社:東京大学出版
著者:服部 薫 編
初版出版:2020年7月20日
サイズ:A5 278ページ
定価:6,900円+税

この本の魅力

 各分野の専門家が自身の研究例を中心に深堀りしている
 入手困難な論文も多く引用されている
 ひれあし類の国内での管理状況もわかる

各分野の専門家が自身の研究例を中心に深堀りしている

『日本の鰭脚類』はひれあし類だけを取り上げた専門書としては最新の本です(2023年3月現在)。

一番大きな特徴としては、ひれあし類の生態を「狭くても深く」紹介していることです。

まだまだひれあし類はわかっていないことが多いので、すべての種類の生活史を紹介するのは難しいです。そのため、この本では編著者の服部薫さんを含め総勢12名の専門家がご自身の研究例を中心に解説をしています。

現在第一線で活躍されている、本当に豪華な顔ぶれです!

有名な古い論文から最新の知見も紹介されているので、これを読むだけで各分野の全体像が見えてきます。

入手困難な論文も多く引用されている

日本でのひれあし類に関する論文はたくさんありますが、その全てがネット上で見ることはできません。

観察記録とかは卒業論文にしかなってなくて、なかなか手に入らないんですよ、、、。

この本では実際に学生を指導している先生方が書かれているので、入手困難な論文もたくさん引用されています。例えば、上陸場をめぐって競争するゼニガタアザラシの関係性やその時間帯など現地での詳細な観察記録も記載されていました。

国内のひれあし類を知るためには細かい観察記録を見れるのは嬉しいですね!

ひれあし類の国内での管理状況もわかる

日本では過去に毛皮目的などで乱獲されたため、厳重に保護されているひれあし類がいます。逆に漁網を壊したり魚を奪う「漁業被害」が問題視され、駆除されている種もいます。

そのため日本のさまざまな法律でひれあし類は管理されています。

でもひれあし類は種によって関連する法律や行政機関が違うから勉強するのが大変なんです(汗)

この本では保護管理の歴史的な背景から最近の問題までが解説されています。
また現在の管理体制やそれにかかわる研究報告も書かれていますので、ひれあし類とヒトの関わりを知るならぜひおすすめの一冊となっています!

国内のひれあし類は研究が進んでいく途中なので、今のうちに『日本の鰭脚類 海に生きるアシカとアザラシ』を読んで最新の情報を手に入れてみてはいかがでしょうか?



【カリフォルニア科学アカデミー】
伝統と美しさにあふれた標本展示

今回紹介するのは、アメリカ・サンフランシスコ市内にある「California Academy of Sciences」(カリフォルニア科学アカデミー)です。


前回の投稿では、サンフランシスコ市内に暮らす野生のカリフォルニアアシカを紹介しました。

実はサンフランシスコにはアシカやアザラシについて学べる施設があります。
それでは紹介していきましょう!

カリフォルニア科学アカデミーとは?

今回紹介する「カリフォルニア科学アカデミー」はサンフランシスコ西部にある、ゴールゲートパーク内にある世界最大の自然科学系博物館です。

建物の入り口。入館料は大人が約5000円とやや高めだが、展示内容はとても充実している。

開館したのは何と1853年で、150年以上も歴史があります!
2009年にリニューアルをして現在の建物になり、巨大な建物内には博物館、熱帯植物園、プラネタリウム、水族館があります。

建物は大きな公園内にある。地元住民の憩いの場になっている。

標本が充実した施設

生きたひれあし類はいませんが、標本の数や質は世界トップクラスです。
博物館の「Giants of Land and Sea」エリアには海棲哺乳類の全身骨格標本が展示されています。

カリフォルニア周辺に生息している海棲哺乳類を展示していた。

ここではキタゾウアザラシ、ゼニガタアザラシ、カリフォルニアアシカ、トドの4種のひれあし類と、カマイルカ、ハンドウイルカを見ることができます。

解説パネルは基本英語になってしまいますが、標本を観察するだけでも十二分に楽しむことができます。

ヒレの骨も近くで見るとこんなに細かい骨が集まっているのが分かる。
解説パネルには写真やイラストもあるので、読めなくても何となくわかる。
それぞれの種の詳細についても紹介されていた。

キタゾウアザラシの全身骨格は日本国内では見ることができないので、ぜひ見てみてほしいです、、、!

キタゾウアザラシは特にインパクトがある。一つ一つの骨の大きさもけた違いだった。

天井近くの壁には400を超えるカリフォルニアアシカの頭骨が飾られています。

約27mにわたって骨が並んでいる。これでも博物館が所蔵する標本の1/6ほどらしい。

実は標本の中にはカリフォルニアアシカ以外にもセイウチやイノシシなど違う種類の骨が混じっているようです。
その下にあるモニターでは標本の詳細な情報を見ることができるので、じっくりと観察してみくださいね。

遠くて見にくい標本も、モニターで詳しく観察することができる。

標本を触って学べるエリアには「アザラシの調理法」という本が展示されていました。

標本や資料が集められているエリア、一部の標本は実際に触ることができる。
アザラシの解体方法や調理方が書かれた本も展示されていた。

標本以外のエリアも見てみよう

カリフォルニア科学アカデミーの展示エリアの面積は112,000m2と国立科学博物館の上野本館(33,180m2)の3倍以上あります!
軽く見るだけでも2~3時間はかかるほど見ごたえがありますよ。

熱帯植物園のドームでは熱帯雨林の植物を見ることができます。
他にもドーム内では放し飼い蝶と鳥や、爬虫類や虫を見ることができます。

建物の中にさらに植物園がある。
ドーム内の植物の蜜を吸う蝶。本当に熱帯雨林に入ったような感覚になった。

ドームの最上部にあるエレベーターに乗ると水族館へ移動します。

水族館の最初のエリアは、熱帯雨林のドームの真下になる。
熱帯雨林を水中から見ることができる。

メインエリアではカリフォルニアに生息する生き物を展示しています。
ここが地下であることを忘れるほどの大水槽もありました。

水族館では900種以上の生き物を見ることができる。


生きたひれあし類はいませんが、カリフォルニアアシカの頭骨と生態を解説したパネルが展示されていました。

地元の自然を語る上ではアシカは欠かせない。

カリフォルニア科学アカデミーの水族館は世界的にも歴史が長く、地元の生物相の研究の拠点としても活躍してきた施設です。
展示の美しさもさることながら、生き物について学べる素晴らしい施設です。

環境を再現した水槽が印象的だった。
カリフォルニアの海を再現した水槽では、育成が難しいサンゴがたくさん展示されていた。

サンフランシスコには観光スポットもたくさんありますが、ぜひカリフォルニア科学アカデミーにも行ってみてくださいね!

ピア39のカリフォルニアアシカ

観光名所にアシカが!?

今回紹介するのは、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコにある、ピア39で暮らすカリフォルニアアシカです。

サンフランシスコのシンボルである、ゴールデンゲートブリッジ。

野生のひれあし類を見るには、日本ではほとんどが真冬の北海道です。
とても辛いですよね…。

ですがピア39はおしゃれな観光地で、気候も本州とあまり変わりません。
そんなところでたくさんのアシカを目の前で見ることができます!
早速紹介していきましょう!

サンフランシスコのピア39

場所はサンフランシスコ最大の観光地でもある「フィッシャーマンズワーフ」の中にある「ピア39」です。

ピア39は水族館、アトラクション、クルーズなど観光客が1日中楽しめるエリアとなっています。
そのエリアの奥にある港の桟橋にカリフォルニアアシカが集まります。

ピア39はサンフランシスコ観光では外せない場所。
ピア39のKドックというポイントでアシカを見ることができる。

アシカをゆっくり観察しよう

早速アシカがいます!

イカダの上はアシカだらけ、、、!
私のプロフィール写真もここで撮影したもの。なんともいえない表情がたまらない。

ここでは1年中カリフォルニアアシカを見ることができますが、個体数は年や季節などで大きく変動するようです。
多い時には2009年11月に1701頭という史上最高の記録が残っています。

私は今までに1月と12月の2回訪問したことがありますが、全く見れなかったことはありませんでした。
時間によって数が変わるので、買い物をしながら何度も様子を見ていました。

場所を取り合って小競り合いすることも。
ケンカをする割にはくっついて休んでいる。
当サイトのバーナーに使っているこの写真もピア39で撮影した。艶やかな毛皮が美しい。

初夏には成熟個体が繁殖のためにチャンネル諸島などの繁殖地に移動します。
そのためピア39で見れる数が減ってしまうので、冬に行くのがおすすめです!

訪問したのは1月と12月。数が少ない日はあったが、全くいない日はなかった。

ピア39にアシカが集まるようになったのは1989年。
当時サンフランシスコで起きた大地震で港内に避難してきたのがきっかけともいわれてますが、詳細は不明です。
ピア39周辺にはエサとなる魚が多く、天敵のサメなどが入ってこれないことが、アシカが集まり続ける要因になっています。

港の中をアシカがゆったりと泳ぐ。

アメリカでは「海棲哺乳類保護法」によって、エサやりや捕獲、船や人がアシカに嫌がらせをすることは禁止されています。

昔はピア39には今よりたくさんの船が停泊していたそうです。
1995年以降はアシカに場所を譲って他の場所に停泊するようになりました。

現在でも港に船はあるが、アシカはあまり気にしてなさそうだった。

サンフランシスコ市の近くにある「The Marine Mammal Center」では、弱ったひれあし類の保護・治療が行われています。

腹に傷を負ったアシカ。傷は古くそこまで痩せてないが、必要になれば保護されるだろう。

ピア39公式HPではライブカメラで現地のアシカを見ることができます(ただし時差に注意!)。

ピア39の写真や動画

アシカ以外にも見どころが満載!

ピア39をはじめとしたフィッシャーマンズワーフにはシーフードレストランやお土産店が立ち並び、一日中遊ぶことができます。

アシカ以外にも楽しめる場所が多いので、事前に計画を立てて行こう。
フィッシャーマンズワーフのシンボルにもなっているダンジネスクラブ。日本では食べることができない逸品。
酸味のある特製パンに入ったクラムチャウダーは絶品、ぜひとも食べてほしい。
ピア39の目の前には脱走不可能といわれたアルカトラズ島がある。ここも観光船で行くことができる。

ひれあし類はいませんが、「Aquarium of the Bay」という水族館もあります。
ここではサンフランシスコ周辺に生息する生き物を見ることができます。
日本では激レアな生き物も見ることができますのでおすすめです。

規模はそこまで大きくないので、時間が余ったときにおすすめの場所。
日本とは違った自然を垣間見ることができる。
日本ではほぼ見られないカリフォルニアドチザメ。

サンフランシスコは日本から直行便も出ていてとても行きやすい場所です。
ぜひ一度遊びに行って、野生のアシカに会いに行ってくださいね!

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