日本最北端へ出発!

今回紹介するのは日本最北端の町、稚内(わっかない)と、日本最北の島、礼文(れぶん)島に生息するゴマフアザラシです。

フィールドマップ

90年代以前は12月~翌年3月頃にこの地域にアザラシが来遊していたそうですが、近年は11月~翌年5頃まで来遊期間が伸びています。また以前は若い個体が多かったのに対し、近年は成獣も多く確認されいるようです。
他にも一部の個体では回遊せずに留まっている個体(周年定着個体)も確認されています。礼文島では出産も確認されているなど、アザラシ達の生活様式が年々変化してきています。

稚内のアザラシ

稚内市内へ移動

稚内には新千歳空港から飛行機か、札幌駅から高速バスで向かうのがおすすめです。

稚内空港内
空港ではゴマフアザラシのはく製がお出迎え

さすが最北端の街なので、「最北端の駅」や「最北端のマクドナルド」など「最北の○○」がたくさんあります。

日本最北端のマクドナルド
訪問の際には記念写真もいかがでしょうか?

抜海港で観察します

アザラシが見られる場所はいくつかありますが、今回は抜海(ばっかい)港の写真を紹介します。抜海港には稚内駅から車で約20分で行くことができます。


到着すると消波ブロックの上にアザラシがゴロゴロと、、、!?

抜海港
対岸にぎっしりとアザラシが並んでいます。


そして第一印象は「デカい。」でした。水族館で見るコロっと丸いアザラシと違い、非常に体格に良いアザラシ達が上陸して休んでいました。

抜海港のアザラシ
こちらの様子をうかがうアザラシ、ヒトが訪れることはあまり気にしてなさそうだった。


上陸する場所に限りがあるため、たびたび闘争もしていました。


ちなみに以前は冬季に観察所が設置されていましたが、2015年からは休止しているそうです。
港は除雪が十分にされてないことが多いので、冬に行かれる方は十天候や安全に気を付けてくださいね。

水族館もおすすめ!

抜海港から車で北に20分ほどの場所には、日本最北端の水族館「わっかりうむ ノシャップ寒流水族館」もあります。


ホッケやソイなどの北方系の海水魚や、「幻の魚」とも呼ばれているイトウなどの北海道ならではの生き物を見ることができます。屋外にある「アザラシ池」ではゴマフアザラシを間近に見ることができ、なんと餌やりもできます。

ノシャップ寒流水族館のゴマフアザラシ
こんな間近にアザラシを見ることができる


ぜひ野生のアザラシを見た後には、水族館にも足を運んでみてはいかがでしょうか?

礼文島へ移動!

礼文島は稚内からハートランドフェリー株式会社が運航するフェリーで1時間55分で行くことができます。

礼文島行のフェリー
大きな船で、中には2等室から特等室までさまざまな部屋が用意されていた。
礼文島入り口
大きな看板がお出迎え。港を出てすぐの場所にはレンタカーショップもある。


夏には高山植物が咲き乱れるので「花の浮島」とも呼ばれていますが、あいにく訪問した時期には花は咲いていませんでした、、、。
半日しか滞在することはできませんでいたが、島の2カ所でアザラシを見ることができました。

礼文島のアザラシ
この日は遠目にしか見れなかったが、茶柱のように浮かぶアザラシが何頭も確認できた。
礼文島のアザラシ
仰向けになり休んでいることも、、、。

人の生活との問題も…?

身近にアザラシが見られる稚内&礼文島はいかがだったでしょうか?
稚内市ではゴマフアザラシがご当地キャラになるなど観光の目玉にもなっています。

出汁ノ介
稚内市ご当地キャラの「出汁ノ介(だしのすけ)」。稚内でとれる利尻昆布が美味しくて、食べ過ぎて体が昆布色になったそうです。ちなみにアザラシは昆布は食べない。



その一方、この地域のゴマフアザラシの個体数は近年増加し、礼文島では一部のゴマフアザラシが周年定着していることから、漁業との競合が問題視されています。
観光の目玉でもあり、漁業の厄介者でもあるゴマフアザラシ。
それでもアザラシ達はヒトの都合とは関係なく、自然の変化に巧みに対応して暮らしています。
「可愛いゴマちゃん」とは違った、非常に微妙なバランスの上にいるアザラシ達の生きざまをぜひ現地で見てみてはいかがでしょうか?

ギャラリー