ミナミアフリカオットセイとは?
| 英名 | South african fur seal (Cape fur sealとも呼ばれる) |
| 学名 | Arctocephalus pusillus |
| 分類 | アシカ科ミナミオットセイ属 |
| 分布 | アフリカ南部とオーストラリア南部 |
| 大きさ | オス:2.3m, 200-350kg メス:1.5-1.8m, 120kg |
ミナミアフリカオットセイはその名の通りアフリカ大陸の南方に生息するアシカの仲間です。

オーストラリアにもオットセイがいて、かつては別種として扱われていましたが、近年の研究で同種(亜種)と判断されています。
ですが、今でもオーストラリアにいる亜種は「オーストリアオットセイ」という名前で呼ばれています。

ミナミアフリカオットセイはオットセイの中で一番大きくなる種類で、オスだと300kg近くなることもあります。
自然界では200万頭以上生息しているといわれる一方、国内の施設では2カ所しか飼育していません。
そのため、国内ではあまり認知されておらず、出会うのも貴重な種類と言えます。
分布
ミナミアフリカオットセイはアフリカ大陸の南部に生息しています。(2)

40以上の繁殖島がアフリカ大陸の沿岸域に点在しており、8月~10月に出産シーズンを迎えます。
成熟したメス(3~6歳で成熟)は毎年交尾をしますが、無事出産するのは50%ほどと言われています。(3)
エサ
ミナミアメリカオットセイもオーストリアオットセイも魚類、頭足類、甲殻類などさまざまな種類の生き物をエサとしています。(4)

ただ、オーストリアオットセイのいる海域はアフリカより豊かでない環境のため、どちらかというと底生魚をよく食べています。
人との関わり
ミナミアメリカオットセイは17世紀には大量に捕獲されており、ナミビアでは現在も狩猟(毛皮製品や薬、食用目的)が行われています。
オットセイが漁具を壊したりする漁業被害が発生しているため、過去には政府による間引きが行われたこともあります。
しかし現在では被害額は大きくないため行われていません。
最近は人間が放棄した漁具などのプラスチック製品が絡まった個体が多く確認されているため、現地の保護団体による救出活動も行われています。
その様子はSNSでも積極的に発信されており、その技術の高さを伺うことができます。
ミナミアフリカオットセイに会える動物園・水族館
〇関東
よこはま動物園ズーラシア
〇東海
鳥羽水族館
参考文献
1.King, J. E. 1983. Seals of the World.(Second Edition) Cornell University Press, Ithaca, New York. 240 pp.
2.Kirkman, S. P., & Arnould, J. P. (2018). Cape and Australian fur seals: Arctocephalus pusillus pusillus and A. p. doriferus. In Encyclopedia of marine mammals (pp. 158-161). Academic Press.
3.Gibbens, J., Parry, L.J., and Arnould, J.P.Y. (2009). Influences on fecundity
in Australian fur seals (Arctocephalus pusillus doriferus). J.
Mammal. 91, 510–518.
4.Huisamen, J., Kirkman, S. P., van der Lingen, C. D., Watson, L. H., Cockcroft, V. G., Jewell, R., & Pistorius, P. A. (2012). Diet of the Cape fur seal Arctocephalus pusillus pusillus at the Robberg Peninsula, Plettenberg Bay, and implications for local fisheries. African Journal of Marine Science, 34(3), 431-441.
